東京・国立競技場で未来アクションフェス2024年3月25日
- 核兵器の廃絶と気候危機の打開へ
- 7万人の青年イベントにSGIユースが参画
全国から約7万人が来場した「未来アクションフェス」。“諦め”から“挑戦”へ、“悲嘆”から“希望”へ、時代を変革しゆく主体者こそ青年!――核兵器の廃絶や気候変動を巡り混迷を深める世界にあって、未来を開くために身近な行動から始めようとの決意を共にした(東京・国立競技場で)
今、ここから、持続可能な未来への行動を――核兵器や気候危機の問題解決を目指す、若者・市民団体の協働によるイベント「未来アクションフェス」が24日、東京・国立競技場で盛大に開催された。約7万人が来場し、ライブ配信では約50万人が視聴。これには、創価学会青年部が「SGI(創価学会インタナショナル)ユース」として参画した。イベントでは、アーティストがパフォーマンスを披露し、国連広報センターの根本かおる所長らが、核兵器や気候変動をテーマにトークセッション。約12万人から回答が寄せられた「青年意識調査」の結果を踏まえた実行委員会による共同声明が発表された。国連大学学長・国連事務次長のチリツィ・マルワラ氏がスピーチ。各界の来賓と共に、原田会長、長谷川理事長、永石女性部長らが参観した。
今、ここから、持続可能な未来への行動を
手を携えて、平和な世界をつくろう――さまざまな団体が協力して行われた未来アクションフェス。持続可能な未来へ、差異を超えた青年たちの連帯を広げゆく
世界が直面する重大な課題への協力の強化と、SDGs(持続可能な開発目標)のさらなる推進を目指す国連の「未来サミット」が、本年9月にニューヨークの国連本部で初めて開かれる。
サミットでは、国や国際的な枠組みにおける若者の意思決定への参画が議論の柱の一つであり、若者が主体的に参画し、その声で国際社会を動かしていくことが期待されている。
同サミットの開催に先駆けて行われたのが、若者・市民団体が協働した今回の「未来アクションフェス」である。
実行委員会は、核兵器や気候変動などの問題に対する若者の声を結集し、国連等に届けるために「青年意識調査」を実施。創価学会青年部も「SGIユース」として意識調査の推進に力を注いできた。
学会は長年、こうした地球的課題に対して、池田大作先生のリーダーシップのもと、対話を中心とした草の根レベルでの意識啓発運動や、国際会議への参加、提言等を推進。今回もそうした活動の一つであり、若者・市民団体と連帯しながら行動を続けている。
音楽隊、鼓笛隊がオープニング
平和への思いを勇壮な調べに託した音楽隊・創価ルネサンスバンガード
富士鼓笛隊の華麗な演奏と舞がオープニングを華やかに飾る
イベントでは、音楽隊の創価ルネサンスバンガードや富士鼓笛隊らがオープニングを飾る演奏・演技を披露。各アーティストが歌やダンスパフォーマンスを行った。
小学・中学・高校生の代表が、朗らかに希望の歌声を響かせた
白手袋をはめた学生の有志が、スタンド席から舞台の演目に合わせて会場を盛り上げた
国連ユース担当事務次長補のフェリペ・ポーリエ氏、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)事務局長のメリッサ・パーク氏がメッセージ
その後、国連ユース担当事務次長補のフェリペ・ポーリエ氏、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)事務局長のメリッサ・パーク氏からのビデオメッセージが紹介された。この中でポーリエ氏は、今こそ気候変動などの地球的課題に一丸で挑み、勇気の行動を共に起こそうと強調。パーク氏は、若者の声で人々の意識を高め、核軍縮の流れに導こうと呼びかけた。
約12万人から集められた「青年意識調査」の結果発表に続き、「国連広報センター」所長の根本かおる氏、「グリーンピース・ジャパン」シニア政策渉外担当の小池宏隆氏、「カクワカ広島」共同代表の高橋悠太氏、「GeNuine」共同創設者の徳田悠希氏がトークセッション。「私たちの地球を守るために」等のテーマで意見を交わした。
次いで、実行委員会を代表して西方光雄(SGIユース)、室橋祐貴(日本若者協議会)、堀口美幸(Youth for TPNW)、田中美穂(カクワカ広島)の各氏が、青年意識調査の結果を踏まえた共同声明を発表。国連大学学長・国連事務次長のチリツィ・マルワラ氏に手交されると会場から大きな拍手が起こった。
国連大学学長・国連事務次長のチリツィ・マルワラ氏がスピーチ
スピーチするマルワラ氏
スピーチに立ったマルワラ氏は、地球的課題の解決において、若い人々は希望の光であり、変革を推し進める動力であると強調。持続可能な未来をつくり上げ、平和な世界の実現に向けて共に努力していきたいと述べた。
未来アクションフェスの会場となった、東京・国立競技場。場外のエリアでは、各団体の展示や記念撮影スポット、キッチンカーなどが並び、開会前から多くの人でにぎわった
未来アクションフェスでは、歌やダンスのパフォーマンスのほか、展示、記念撮影スポットなども。全国各地から来場した若者たちは、平和への意識と連帯を強めた
〈未来アクションフェス〉 SGIユースがブースを出展2024年3月25日
国立競技場の場外には協力団体・後援団体等によるブースが設置され、SGIユースも出展した。
展示では、広島県と長崎県の被爆者の証言などをパネルと映像で紹介。SGIユースの取り組みである青年不戦サミットや意識調査等の模様を通し、生命尊厳の哲学を伝えた。
山口県から来た女性は、「小学生の時に広島平和記念資料館に行きましたが、大人になった今、改めて見学したいと思いました。無関心や諦めに対し、私にできることを見つけたいです」と述べた。
〈未来アクションフェス〉 “12万人の声”を集めた「青年意識調査」から(要旨)2024年3月26日
未来アクションフェス(今月24日、東京・国立競技場)の席上、実行委員会が実施した「青年意識調査」の結果が発表された。昨年11月20日から本年2月29日まで、日本在住の40代以下の個人を対象として、WEBや対面でのアンケート調査の形式で行われ、合計で11万9925人が回答。質問には、「社会について」「気候変動について」「核兵器について」「青年と社会構造、国連について」の項目が設けられた。結果の要旨を紹介する(詳細は後日、未来アクションフェスの公式ホームページで発表)。また、参画したSGIユースの共同代表である西方光雄さん、大串博子さんの声も掲載する。
【問】未来についてどのように感じていますか?
年代別の回答
「希望を持てる」側の回答をした人の割合は43・5%。一方で「希望を持てない」側の割合は56・5%と、やや多い。年代別だと、10代では「持てる」側の割合が50%を上回ったのに対し、20代以降は「持てない」側の割合が多い。
【問】平和な世界は実現できると思いますか?
年代別の回答
平和な世界を「実現できると思う」と回答した人の割合は全体で50%を超えたが、40代→30代→20代→10代と世代が若くなるにつれて下がる傾向が見られた。10代では「実現できないと思う」人の割合が27・3%となり、全世代で最も高かった。
【問】気候変動を解決するための行動をしている または意識していますか?
年代別の回答
年代別の比較では、40代において、気候変動への関心が高いことがうかがえる。一方、20代は「意識していない」と回答した割合が33・7%で最も高く、10代では「興味がない」と回答した割合が8・4%で最も高い結果となった。
【問】核兵器は必要だと思いますか?
年代別の回答
全体の82%の人が「核兵器は必要ない」と答え、「今は必要だが将来的には廃絶すべき」と回答した人の割合は12・5%だった。一方、年代別で見ると、若い世代ほど「必要だと思う」と回答する割合が高くなる傾向となった。
【問】全般的にみて、国や地方自治体の政策に若者の声がどの程度反映されていると思いますか?
年代別の回答
「かなり反映されている」「ある程度反映されている」と回答した割合が、合わせて19・4%にとどまった。年代別の結果では、「反映されていない」と思う側の割合が、10代と比べて20代・30代・40代の方が高い傾向が見られた。
未来アクションフェスの会場となった国立競技場の場外には、協力団体・後援団体等によるブースが設置された(国連広報センターが出展したブース)
国連大学が出展したブース
国連UNHCR協会は、難民支援の現場で使用しているテントを設置。中にはキッチンセットやソーラーランタンなども展示され、難民の生活を“疑似体験”できるレイアウトに
〈SGIユースとして参画〉
西方共同代表
大串共同代表
限りない“変革の可能性”がここに
青年意識調査をはじめ、未来アクションフェスに向けたさまざまな取り組みにご協力いただいた皆さまに、まず心から感謝を申し上げます。集まった“約12万人の声”を、実行委員会として国連に届けます。
未来に希望を持てない人の方が多く、若い世代ほど「平和な世界を実現できない」と思っている傾向がある――この調査結果を悲観的・固定的に捉えて、諦めてしまうのか。それとも、ここに「社会と世界の“伸びしろ”があり、限りない“変革の可能性”がある」と捉えて、具体的な行動を起こすのか。
同調査において、社会に「貢献したいと思う」「どちらかと言えばしたいと思う」との回答が93%を占めたことを踏まえ、この青年の思いを具体的な行動へと結び付けられるかどうかが“鍵”となります。
今回のフェスは“ゴール”ではなく、核兵器や気候危機の問題解決に向かって、一人一人が「行動変容」を起こす“スタート”にほかなりません。今いる場所から、「行動の連帯」を広げていきたいと念願します。