〈紙上教学研さん〉 “いよいよ”強盛に

  • 御書根本の前進! 池田大作先生の講義に学ぶ

勇気の指標

 妙法弘通の「法華経の行者」には、必ず大難が起こる。しかし、この大難を身に受けながら「師子王の如くなる心」(全957・新1286)で恐れなく戦い切ることによって、一切の罪業も消し去って「必ず仏になる」(同)のです。
 大難の烈風にも、朗らかに前を向き、喜び勇んで打ち返し、攻め返していくのです。「師子王の如くなる心」を持つ人には、いかなる逆境にも希望を創り広げていく「勇気」が具わっています。一切を乗り越え、重い宿命の鉄鎖をも断ち切る「智慧」が湧きます。何ものにも負けない「力」があるのです。この絶対の確信が「本因妙」の精神です。
 ◇
 根本的に宿命を転換していくためには、どうすればよいか。「法華経の行者」として、広宣流布の大願に戦い抜くことです。御本仏は、大難が競い起こる中で、この手本を、身をもって示してくださいました。我ら創価の師弟は、この大聖人の直系の弟子なのです。
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 それは、一九八一年(昭和五十六年)の晩秋のことでした。第一次宗門事件の嵐の中、私は大切な同志を守るために、束縛の鉄鎖を断ち切る反転攻勢の戦いを開始しました。
 第三回関西総会に出席した際、わが“常勝関西”の同志と一緒に拝した御文の一つが、「椎地四郎殿御書」の一節です。
 「但し大難来りなば強盛の信心弥弥悦びをなすべし」(全1448・新1720)
 これまでも大難の嵐を突き抜け、勝ち越えてきた関西の不二の同志です。皆の顔は紅潮し、目は輝き、場内には「やらんかな」の息吹がみなぎっていきました。
 関西の歌「常勝の空」の大合唱に続いて、私は扇を手に立ち上がりました。
 歌は「嗚呼黎明は近づけり」です。
 暗澹たる悪戦苦闘の月々日々を突き抜け、いよいよ黎明の朝は来た! 今こそ、正義の太陽が輝く新時代を開くのだ!
 この日、この時、わが関西の同志は決然と総立ちになったのです。
 これもまた、創価の師弟が共々に織りなしてきた、忘れ得ぬ「本因妙」の精神のドラマでありました。
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 今日も、わが地涌の使命の友が躍り出て、世界のあの地この地で、新しき民衆凱歌の希望のドラマが始まります。
 今ここから出発! 常に前進! そして、永遠に戦う!――これが本因妙の生命です。
 「月月・日日につより給へ」(全1190・新1620)と、私たちは「元初の太陽」の大生命力を燃え上がらせて、「広布誓願」「創価勝利」の世界広宣流布の新たな師弟の物語を、朗らかに堂々とつづっていこうではありませんか!
 未来を築くのは、「今」です!

 (今回の池田先生の御書講義は『世界広布新時代の指針』からの引用です)

「もう一度、私が指揮を執ります! 一緒に戦おう!」――池田先生の師子吼に永遠の師弟共戦を誓った第3回「関西総会」。最後に先生は「嗚呼黎明は近づけり」の曲に合わせ、勇壮に舞った(1981年11月22日、関西戸田記念講堂で)

「もう一度、私が指揮を執ります! 一緒に戦おう!」――池田先生の師子吼に永遠の師弟共戦を誓った第3回「関西総会」。最後に先生は「嗚呼黎明は近づけり」の曲に合わせ、勇壮に舞った(1981年11月22日、関西戸田記念講堂で)

「学会ここにあり、創価の師弟は健在なり!」――第3回「関西総会」の翌1982年、関西青年平和文化祭で“不滅の六段円塔”がそびえ立つ(大阪・長居陸上競技場〈当時〉で)。文化祭が行われた3月22日は「関西男子部の日」となっている

「学会ここにあり、創価の師弟は健在なり!」――第3回「関西総会」の翌1982年、関西青年平和文化祭で“不滅の六段円塔”がそびえ立つ(大阪・長居陸上競技場〈当時〉で)。文化祭が行われた3月22日は「関西男子部の日」となっている

 
 
全てを価値に 永遠の常勝を

前田紘明 関西青年部長

 関西青年部は今、必ず後世の池田門下の鑑となる広布拡大をと戦っています。
 今回拝するのは、“本因妙の信心”を御教示くださった「椎地四郎殿御書」の一節です。池田先生は、私たちの、「宿命転換」即「人間革命」の生き方は、「自身の行動で価値を創造し、現在のこの瞬間から、新たな人生を断固として切り開くことを可能にする哲学」「今日から明日へ、永遠の前進であり、『未来』へのたゆみなき挑戦」であると教えてくださっています。
 1981年(昭和56年)11月の第3回「関西総会」で、先生はこの一節を拝してくださいました。
 関西の地で法難に遭われ、“信心しきったものが必ず勝つ”との関西魂を教えてくださった先生。だからこそ第1次宗門事件で悔しい思いをした関西の同志に、本抄を通して、“いよいよこれからだ!”と、総出陣を呼びかけられたのだと思います。
 私自身、さまざまな試練に遭遇してきました。自身の不登校、両親の病、経済苦、妻の流産……。そのたびに、師匠や同志の励ましを胸に信心を奮い起こし、乗り越えてくることができました。苦難は、その時は分からなくても、全てに意味があり、誰かに希望を送る体験となる――そう確信できるようになれたことが一番の財産です。
 人生の勝利には、近道や楽な道はありません。悩みと格闘しながら、人生のあらゆる出来事を価値へと変えていけるのが、私たちの信心です。
 関西では今月、世界青年座談会を開催。各地で新たな人材が陸続と立ち上がっています。
 4年前に入会した大阪中央総県のある男子部員は、優柔不断で周りの意見に流されやすい性格でした。入会以降、そうした自分を厳しくも温かく励ましてくれる先輩のようになりたいと、題目と折伏に挑戦。昨年、2人の友が入会しました。今年に入り、自らに病魔が。しかし決して紛動されることなく「いよいよ魔が来た」と、エンジン全開で仏法対話に奔走。友人が入会を決意するなど、学会理解を大きく広げる中で、手術も成功しました。
 2007年(平成19年)、先生は258回目の関西指導で、「創価の師弟の永遠の常勝を頼む!」と呼びかけてくださいました。
 壁にぶつかるたびに、“よっしゃ!”と本因妙の精神で立ち向かう。苦難に遭えば遭うほど強くなる――そうした力強い師弟不二の信心を関西青年部が確立していくことが、「永遠の常勝」を体現することにつながると確信します。
 「関西総会」の意義を込めて開催される来月の本部幹部会へ、“永遠の常勝城”たる青年の陣列を築いていきます。

 
椎地四郎殿御書

 末法には法華経の行者必ず出来すべし。ただし、大難来りなば、強盛の信心いよいよ悦びをなすべし。(新1720・全1448)

メモ

 椎地四郎に送られたとされる御消息。人物についての詳細は不明。末法の法華経の行者には必ず大難が起こるが、大難があるからこそ、法華経の行者として信心強盛に励むよう指導されている。