〈英知のこうげん 希望のてつに学ぶ〉 テーマ:ぶつぶっちょくの使命

 れんさい「英知のこうげん 希望のてつに学ぶ」では、仏法理解を深めるためのかぎとなる教学用語や法理を解説。また、関連する池田先生の指導をけいさいします。今回は「ぶつぶっちょくの使命」について。創価学会が目指す根本の目的を学びます。

池田先生の指導から

 一人が立ち上がる。そして、その一人が新たな一人と共に立ち上がっていく。広宣流布とは、どこまでも地道な戦いだ。(中略)
 目の前の一人のはいには、家族や友人がいる。無数のえんが広がっている。一人をせいじつはげまし、希望を送ることは、私たちがまだ知らないだれかをも勇気づけていく大いなるいんとなるのだ。
 恩師は断言された。
 「学会は、どんどん大きくなるだろうが、一人を大切にする心をわすれないかぎり、ばんじゃくだよ」
 この心をむねに、一人また一人とにんたいづよくつながりゆくちょうせんの中に、りっしょうあんこくの大河もあるのだ。(中略)
 御書には「みなもとかわけばながれくる」(全1230・新1703)とある。えんげんを忘れるな、とのげんかいである。学会においての「源」――それは「師弟」だ。(中略)
 師と心を合わせれば、勇気はみなぎる。く。ちからも無限に出てくる。「しょうならば、どうされるか」――この師弟の命の対話がある限り、るがない。まどわないのだ。(本紙2021年2月25日付「随筆『人間革命』光あれ」)

Q1:創価学会が目指す 広宣流布について教えてください。

 「われめつしてのちのちひゃくさいうちえんだいに広宣流布して、だんぜつしてあくみんしょてんりゅうしゃはんとう便たよりしむること無かれ」(法華経601ページ)
 大乗仏典のせいずいである法華経の、やくおうさつほんほん第23において示されたしゃくそんゆいめい――。それは、釈尊めつあくにおいて、法華経の教えを閻浮提(全世界)にひろめ、一切しゅじょうを救っていくことにほかなりません。
 日蓮大聖人はしょしょうでこの経文を引き、法華経のかんじんである南無妙法蓮華経の大法を全世界に広宣流布する使命について、いくにも強調されています。
 法華経にょらいじんりきほん第21では、その使命が、じょうぎょうさつじょうしゅ(リーダー)とする無数のの菩薩にたくされることが明かされました。
 大聖人は、たつくちほうなんざいという最大の法難こうしんを「きょうしゅ釈尊のおん使つかい」(新1527・全1121)であると位置づけられました。これは、御自身のにんなんつうとうそうをもって、上行菩薩の使命を果たしているという御自覚を表明されたものです。
 その上で、大聖人は、単に釈尊から託された妙法を弘める菩薩にとどまりません。南無妙法蓮華経のさんだいほう(本門のほんぞん・本門のかいだん・本門の題目)を確立して、だれもが成仏できる道を現実にひらいた大聖人は、釈尊に代わって末法の衆生をきゅうさいする「教主」です。その意義から、創価学会では大聖人を「末法の御本仏」とそんすうします。
 ぶつぶっちょくの教団である学会は、「いちえんだいに広宣流布せんこともうたがうべからざるか」(新173・全265)との御本仏・日蓮大聖人の御遺命のままに、現代に広宣流布をげていくことを使命としています。

Q2:日蓮大聖人は数ある仏典のうち なぜ法華経をせんようしたのでしょうか。

 それは、法華経の中にのみ、あらゆる仏を仏ならしめ、ひいては万人を成仏させるいちねんさんぜんの教えが内包されているからです。
 だからこそ、大聖人は「一念三千をらざるものには、ほとけだいこし、の内にこのたまつつみ、まつだいようくびけしめたもう」(新146・全254)と述べ、「法華経の肝心たる南無妙法蓮華経」(新164・全258)を末法にひろめるべき三大秘法として打ち立てられました。
 「ほうおんしょう」では、この三大秘法こそ、いかなる仏教者も弘めていない前代未聞の大法であると示し、三大秘法の確立によって、全人類がこんげんてきな不幸へと転落する道がふさがれたとせんげんされました。まさに、一切衆生を救わんとする御本仏のだいだいはいせるでしょう。
 大聖人は、この大法が「まんねんほからいまでもながるべし」(新261・全329)とてんぼうし、門下たちにも「じんさんじんつづきて」(新1227・全911)と仏意仏勅の使命に立ち上がるようびかけられました。
 池田大作先生は、つづっています。
 「広宣流布とは、妙法を弘めた果てのとうたつてんではなく、どこまでも『二陣三陣』と妙法を弘めゆく流れそれ自体であり、生きた仏法の現実社会へのみゃくどうといえます」
 大聖人の熱願におうして、事実の上で、日本中、世界中に妙法を弘めてきたのは“創価三代の師弟”です。そのじっせんつらなる地涌の連帯は、今や192カ国・地域にまで広がっています。

Q3:創価学会の出現によって 世界広布が実現したのですね。

 1942年(昭和17年)5月、戦時下の当時、思想とうせいが強まって学会へのだんあつせまる中、初代会長・牧口常三郎先生は公式の場で、創価学会(当時は創価教育学会)が“広宣流布を目指す団体”であることを宣言しました。
 戦争による焼け野原に一人立った第2代会長・戸田城聖先生は、じゅんきょうした先師の思いをいで学会を再建。「この世からさんの二字をなくしたい」と妙法つうの旗をかかげ、しょうがい、民衆救済の闘争をつらぬきました。
 そのけいしょうした池田先生は、人類全体がみょうおおわれつつある現代に、人間主義の対話によって世界を希望の光でらし、人道と平和のネットワークを地球で結び広げてきました。
 今や、世界中の識者たちが、日蓮仏法に基づく創価のてつがくに期待する時代をむかえています。
 間もなく迎える3・16「広宣流布記念の日」――1958年(昭和33年)のこの日、戸田先生は、集まった6000人の若人わこうどを前に、“学会は宗教界の王者なり”と宣言し、池田先生を中心とする青年に、広布せいがんのバトンをたくしました。
 後に池田先生は、この時の恩師の心情について、「広宣流布とは決してせまい宗教次元にとどまらない。大きく堂々と、社会の平和とはんえいに関わることを示されようとした」と随筆にしるしています。
 人類の救済という仏意仏勅の使命に、身命をした創価三代の師弟。その心を受け継ぐのは、ほまれの弟子である私たちです。世界広布の未来をひらくのは“今ここから”と、師弟共戦で広布拡大にいどんでいきましょう。

 

 

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