【世界広布の(げん)(りゅう) 青年に語る創価の(たましい)】第31回 (だい)(せい)(どう)完成10周年の(そう)(りつ)記念日㊤

·〈出席者〉原田会長、西方青年部長、大串女性部主任部長、(やな)(しま)男子部長、林池田華陽会委員長

師弟の殿堂である東京・信濃町の「広宣流布大誓堂」。池田先生は呼びかけている――「広宣流布」の大誓願を掲げ、世界の友と出発しよう! 共々に人間革命の「勝ち鬨」を高らかに上げるのだ!

師弟(せい)(がん)のスクラムを

 ◆西方 今秋、広宣流布(だい)(せい)(どう)完成から10年を(きざ)みます。
  
 ◇原田 大誓堂完成()(こう)の10年間は、学会が大聖人直結の世界教団として、宗教的独自性を確立する期間でもありました。
 創価学会会則の「教義(じょう)(こう)」改正(2014年)から始まり、その翌年には、創価学会の会則が改正され、学会の「三代会長」を「広宣流布の永遠の()(しょう)」と明記。また、創価学会「(ごん)(ぎょう)要典」が定められます。
 さらに、会則の前文に「創価学会仏」との言葉が加えられ(16年)、世界教団たる創価学会の根本()(はん)、最高法規として「創価学会(かい)(けん)」が制定(17年)。教学面では、大聖人()(せい)(たん)800年の(けい)(しゅく)の意義を()めて『日蓮大聖人御書全集 新版』が刊行され(21年)、このたび、『創価学会教学(よう)(こう)』が定められ、発刊されました。
 今月、「(たましい)の独立」から32年となります。(じゃ)(しゅう)(もん)(てっ)()を断ち切り、池田先生のもと(しょう)(ほう)(しょう)()(つらぬ)いてきた学会は、世界教団としての()(こう)勢力をいよいよ増しています。
  
 ◆大串 このほど、ドイツSGIが、州政府から「(こう)(ほう)社団法人」に(にん)()され、「ドイツ創価学会」として新たに出発しました。
  
 ◇原田 この認可は、これまで、キリスト教、イスラム教などの伝統宗教が主で、仏教団体としては同国初です。
 今回の認可によって、宗教団体としての自立性や永続性が保障されます。ドイツ創価学会が、社会で広く受け入れられている(しょう)()にほかなりません。
 2016年(平成28年)7月には、イタリア創価学会仏教協会が、イタリア共和国政府との間で結んだインテーサ(宗教協約)が(はっ)(こう)されました。約8割がカトリックを(しん)(こう)する同国で、学会が正式に(みと)められた事実は、大変に意義深いことです。
 この10年で、アラブ首長国(れん)(ぽう)(UAE)のドバイ首長国政府から「平和詩人」(しょう)(ごう)(16年)や、ラオス人民民主共和国の国家(くん)(しょう)「友好記章」(17年)などが先生に(おく)られています。先生に(じゅ)()された名誉学術称号は400、名誉市民称号も800を()えました。
 13年(同25年)11月、大誓堂(らっ)(けい)の月に(かい)(さい)された本部幹部会で、池田先生はメッセージを寄せてくださいました。
 「『広宣流布大誓堂』を中心に、創価という無限の希望のスクラムを、さらに(いち)(だん)と大きく広げながら、私たちの(せい)(がん)の星である、この地球の未来を(かっ)(かく)()らしていこう」
 海外だけで、創価の(じん)(れつ)は300万人に拡大しています。国家を超えた師弟誓願のスクラムによって、世界広布は大きな()(やく)()げているのです。

池田先生が「創価文化サンパウロ・カーニバル」で熱演の友をたたえる(1993年2月27日、ブラジルSGI自然文化センターで)

()(しょう)()(しん)を心の真ん中に

 ◆(やな)(しま) 会長は本年、米グアム(1月)、韓国(5月)、ブラジル(6月)、マレーシア・シンガポール(8月)を(ほう)(もん)されています。
  
 ◇原田 先生が世界中にまいてくださった平和の種子が、広布の大輪として()(かお)っていることを実感する訪問でした。
 グアムを(おとず)れた際、地域広布を(にな)い続けてきた女性の姿(すがた)に感動しました。1975年(昭和50年)1月26日、SGIが発足した「世界平和会議」に参加した彼女は、先生の指導を聞きます。
 小説『新・人間革命』には、こうあります。
 「(みな)さん方は、どうか、自分自身が花を()かせようという気持ちでなくして、全世界に(みょう)(ほう)という平和の種を()いて、その(とうと)い一生を終わってください。私もそうします」(第21巻「SGI」の章)
 その言葉を(むね)に、グアムの地で、(しん)(らい)を広げ抜いたのです。
 「世界平和会議」で先生は、マレーシアとシンガポールの、広布の大功労者も(げき)(れい)します。
 「未来のために、青年を育ててください。二十一世紀は青年に(たく)す以外にありません。青年が育っていったところが、すべてに勝利します」(同)
 両国の同志は、その()(しん)を心のど真ん中に(きざ)み、(いっ)(かん)して青年の育成に(ちから)(そそ)ぎました。
 本年8月、マレーシアとシンガポールに足を運んだ(おり)には、青年の人材群が(りん)(りつ)していることに(おどろ)きました。両国にとって本年は、先生の初訪問(1988年2月)から35年です。その意義深き年に、人類の未来を()らす「創価インターナショナルスクール・マレーシア(SISM)」が(たん)(じょう)しました。
 今回の各国訪問を通じて、師弟の原点を心に刻み、()()(じっ)(せん)(つらぬ)いていくことがいかに大事か、それこそが永続的な広布(しん)(てん)のカギであると、確信しました。

1998年5月18日、韓国SGI本部を初訪問し、幾多の試練を勝ち越えた同志を激励した

遠く(はな)れていても(みな)が“愛する家族”

 ◆林 ブラジルは本年、第4次(ほう)(もん)(93年2、3月)30周年を(むか)えました。ブラジル広布には、風雪のドラマが(きざ)まれています。
  
 ◇原田 ブラジルの同志の大きな原点となっているのが74年(同49年)3月です。この月、先生は、60年(同35年)、66年(同41年)に続いて、3回目となるブラジル訪問の予定でした。
 ところが、当時のブラジルは軍事(せい)(けん)()。学会に対する()(かい)があり、入国ビザが発給されませんでした。先生は訪問先のアメリカで、ブラジル理事長に電話します。
 「今こそ立ち上がり、これを(だい)(はっ)(てん)(だい)()(やく)の因にして、大前進を開始していくことだ」  「長い目で見れば、苦労したところ、(しん)(ぎん)したところは、必ず強くなる。それが仏法の原理だよ」(『新・人間革命』第19巻「(がい)()」の章)
 ブラジルの同志は、(へん)(どく)()(やく)(ちか)います。同国の婦人部は、“ムイト・マイス・ダイモク(もっと題目を)”を合言葉に、共戦の(だい)(とう)(そう)を開始しました。
 83年(同58年)7月、青年部を中心としたブラジルの代表38人が来日。“私たちから先生のもとへ”と、先生が(たい)(ざい)する鹿児島・(きり)(しま)にやって来たのです。先生は、「熱原の(さん)(れっ)()」等をピアノで(えん)(そう)し、(はげ)まします。
 「私は、いつも、いつも、ブラジルの(みな)さんのことを思っています。どんなに遠く(はな)れていても、皆さんは愛する家族であり、兄弟です」(『新・人間革命』第11巻「(ぎょう)(こう)」の章)
 さらに、一行を「ブラジル(きり)(しま)(かい)」と命名し、(たが)いに励まし合い、前進していくことを提案されたのです。
 風雪を()()え、同志の念願がかなったのは、(よく)84年(同59年)2月でした。先生は、18年ぶり3度目の訪問の(そく)(せき)を刻まれたのです。現在、国家(くん)(しょう)のほか、サンパウロ市、リオデジャネイロ市など150以上の州・市から(めい)()州民・市民証が(じゅ)()されています。社会に(しん)(とう)する理解の輪は、ブラジルの友の“勝利の(あか)し”にほかなりません。
  
 ◆西方 韓国SGI本部初訪問(98年5月)25周年の韓国も、社会にあった(へん)(けん)を理解へと変えていきました。
  
 ◇原田 64年(同39年)1月、学会代表の韓国訪問が中止となります。日本による(しん)(りゃく)の歴史から、学会への根強い偏見があったからです。しかし、無理解の(あらし)の中にあって、韓国の同志は()るぎませんでした。
 86年(同61年)8月18日、長野研修道場で、韓国の青年部の代表が、先生の前で「今日も元気で」「アリラン」を()(ろう)。先生は、「強くなりなさい。仏法者は強くなくてはならない」と(げん)(あい)の指導をされます。この日は、後に「韓国男子部の日」と定められ、師弟の(たましい)を刻む原点の日となりました。
 そして4年後の90年(平成2年)9月、先生は韓国を初訪問され、98年(同10年)5月には韓国SGI本部を(おとず)れます。
 25年たった本年5月、先生に対し、名門・韓国外国語大学から名誉(てつ)(がく)博士号が(おく)られ、首都ソウルに(りん)(せつ)する(ソン)(ナム)市から、先生・奥さまへの「名誉市民」(しょう)(ごう)が授与されました。
 ブラジル、韓国の同志がつづったドラマは、()(なん)に負けずに()(しょう)を求め()いていった時、勝利の実証が(かがや)くことを教えてくれています。いよいよ、本格的な世界広布の時代です。世界の同志と、学会(そう)(りつ)100周年の(しん)(しょう)(せつ)を開いていきましょう。

 【参照】
 ◆小説『新・人間革命』=第11巻「暁光」、第19巻「凱歌」、第21巻「SGI」