【写真特集】心揺さぶる魅惑のアルゼンチン・タンゴ2024年2月22日
楽団が奏でる流麗な音楽がクライマックスに。時に激しく、時に華麗にステップを刻んでいたダンサーの、最後のポーズが決まる。一瞬の静寂の後、客席からは、抑えていたものを爆発させるような大歓声が上がった――。
本場アルゼンチンのタンゴに触れることができる「民音タンゴ・シリーズ」。今公演では、タンゴ界を代表するバイオリニスト、ウンベルト・リドルフィ氏を中心とする一流の演奏家で楽団が結成された。世界中のステージで活躍する歌手のバネッサ・キロス氏は、伸びやかで迫力ある歌声を響かせる。洗練された表現力とアクロバティックな技術を持つトップダンサー3組が、圧巻のパフォーマンスを繰り広げている。
表情や指の動きなど、細部までこだわり抜いた表現力が光るルシアーナ&フェデリコ
エネルギッシュなダンスを見せる、アルゼンチンを代表するトップダンサーのカルラ&ガスパル。ガスパルは、2011年から民音タンゴ・シリーズのダンスリーダーと振り付けを担っている
民音タンゴ・シリーズは1970年、民音創立者・池田先生の“音楽交流こそ、世界中の人々の心を結び、平和建設の一助となる”との理念からスタートした。アルゼンチンで、タンゴが“苦難の時代”といわれていた当時、民音タンゴは、地球の反対側の日本で反響を呼び、これまでの鑑賞者数は延べ400万人に上る。
観る者・聴く者の心を引きつけて離さないアルゼンチン・タンゴの魅力を写真でお伝えします。
しなやかかつキレのあるダンスで会場を魅了するサブリーナ&エベル㊥
バネッサ・キロス(歌手)
タンゴ五重奏団
キンテート・デル・アンヘル
ウンベルト・リドルフィ(リーダー、バイオリン)
エリサベス・リドルフィ(ビオラ)
マヌエル・ゴメス(コントラバス)
ニコラス・エンリッチ(バンドネオン)
アドリアン・エンリケス(ピアノ)
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民音タンゴ・シリーズ 3月6日まで公演中!
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◆◇歌手 バネッサ・キロス氏にインタビュー◇◆
今回も民音のステージに立つことができて、これ以上ない幸せを感じています。私が初めて民音タンゴ・シリーズに出演したのは18歳。今回6回目の出演となります。世界各国で出演する機会に恵まれましたが、民音のステージこそ世界最高のステージです。それは民音タンゴ・シリーズに来られる皆様は、私たちがステージ上から客席に向かって届ける以上のものを私たちに返してくれるからです。
アルゼンチン・タンゴは歌、演奏、ダンスとバラエティーに富んでいるのが特徴ですが、今回のステージは特にメロディアスな曲から高揚する曲まで多様なプログラムになっています。初めて見る方にも満足していただけると確信しています。私にとっては歌こそがアルゼンチン・タンゴの魅力だと思っています。タンゴの歌詞には、私たちが人生の中で経験する愛や別れといったドラマが表現されています。私の歌声を通して歌詞に込められたストーリーや感情を伝えたいと思っています。
初出演の18歳から年齢を重ね、若い時とは声の状態が違います。人生においてもいろいろな変化がありました。だからこそ人生の中で得た経験を生かして歌手としての表現力を追い求めてきました。私が感じた歌の世界を聞いている方々に届けられればと願っています。そして私自身が民音タンゴ・シリーズのステージを楽しんでいるのと同じぐらいに、足を運んでくださった皆様にも楽しんでいただければ幸いです。
民音タンゴシリーズの歴史をさらに詳しく!
連載「世界に魂を 心に翼を――民音が開いた文化の地平」