〈紙上教学研さん 御書根本の前進! 池田大作先生の講義に学ぶ〉

勇気の指標

 まず(みずか)らが一人立つ。その一人が()(てん)となって、次の一人に語る――この最も(ほん)(げん)(てき)な人間と人間の(むす)びつきこそが、いかなる時代、いかなる天地でも、未来にわたって広宣流布の(てん)(かい)の基本なのです。
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 私自身、戸田先生の広布の大情熱に()れ、(でん)(げき)に打たれたように「(ずい)()」しました。
 十九歳の夏、恩師との運命的な出会いの(しょう)(げき)が、そうでした。
 法華経講義を(はい)(ちょう)して、「宗教(かく)(めい)(そく)、人間革命なり」「若人(わこうど)よ、(だい)()()(いだ)きて進め。若人よ、(だい)(てつ)()(いだ)きて戦え」と(つづ)った感動もそうです。
 恩師の()(きょう)である北海道・厚田の(うみ)()で、「君は、世界の広宣流布の道を開くんだ。この私に()わって」と世界広布の夢を(たく)された時も、そうだったのです。
 一つまた一つと、師弟の(げき)(かさ)ねながら、自分は(いっ)(しょう)(がい)(いな)(さん)()永遠に、この師と共に、広宣流布に生き()くのだと(かく)()を深めてきたのです。
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 この地球社会の未来を(うるお)しゆく、(とう)(とう)たる()()の人材()(じゅつ)(たい)()の流れを、もはや何ものも(だん)(ぜつ)することなどできません。
 「広宣流布の信心」に()えて、創価の地涌の(ほう)(ゆう)が、いよいよ全地球を()(たい)に「()()(どう)(どう)として(そん)(こう)」(全211・新85)たる姿(すがた)(おど)()ています。
 創価の(わか)丈夫(ますらお)たちが(ゆう)(かん)に、正義の(はた)(かか)げて立ち上がりました。
 ()(よう)(おと)()たちが(すが)(すが)しく、(ほが)らかに、(さち)と希望のスクラムを広げています。
 これからも、世界中の(こう)(けい)(みな)さんが、創価の三代の師弟に(つら)なり、共々に地涌の(せい)(がん)に生き抜き、()(たい)(どう)(しん)の前進をしていけば、学会は永遠に広宣流布の団体として断絶することはないのです。
 恩師・戸田先生から()()いだ広宣流布の「(たましい)(ほのお)のバトン」を(にぎ)りしめて六十年。
 わが人生は広宣流布に(ささ)げたり――これが戸田先生の(じき)()()(ほま)れです。
 この「魂の炎のバトン」を、不思議なる宿(しゅく)(えん)の青年たちが受け継ぎ、私と(いっ)(しょ)に走ってくれています。
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 ()()の君たちよ、不二の貴女(あなた)たちよ。
 一人ひとりが、自分がいるその場所で、その地域で、「広宣流布の信心」で立ち上がれ! 一人ひとりが、人生の(えい)(ゆう)となって、(しん)(こう)の「(じっ)(しょう)」を示し切ろう! 一人ひとりが、自身の人間革命から、地道に、(ねば)(づよ)く「(しん)(らい)」を勝ち取っていこう! 君たちあらば、広布の未来は(ばん)(じゃく)なり!
 「()()(とも)の幸福と平和の花園」を、世界へ未来へ勝ち広げていってくれ給え!
  
 ――わが(しん)(らい)する、世界の(まな)()()たちの健康と勝利と栄光を祈りつつ

全国学生部幹部会の席上、後継の俊英たちに万感の期待を寄せ、Vサインを掲げる池田先生(2008年6月、東京牧口記念会館で)。「創価学会も今や、世界百九十二カ国・地域に広がる大陣列となった。後は青年部である」「青年部が成長し、後を継ぐ以外にない。青年部に、新たな拡大の歴史をつくってもらいたい!それこそが、ただ一つの私の願いである。頼むよ!」

(たましい)のバトンを(むね)

今こそ師を求め、学び戦う

(もり)(その)(たく)() 学生部長

森薗 学生部長

 今、心に師を(いだ)く学生部の友が、各地で続々と()(きょう)(みの)らせています。
 「一人から一人へ」――この広宣流布の原理を示された「(しょ)(ほう)(じっ)(そう)(しょう)」の一節を(はい)し、池田先生の講義を命に(きざ)んでいきたい。
 先生は教えてくださっています。「(かん)()(れん)()する。(だい)(かん)()の題目、大歓喜の体験、大歓喜の声が、一人から次の一人の心に(ひび)き、さらに、『二人・三人・百人』へと波動するのです」
 私自身、先生のこの講義を、折伏に挑む中で実感しました。
 本年1月、韓国人の友人に弘教が実りました。大学時代に知り合い、対話を重ねてきた友です。彼は、(なや)みや決意を、“ありのままに”御本尊にぶつけていける日蓮仏法の祈りに感動し、入会を決意しました。“祈りのエール”を送る中で、お姉さんを(おそ)った(とつ)(ぜん)の病が、完治するなど、(しょ)(しん)の功徳に確信を深め、今は(おく)さんや韓国の友人にも信心の(かん)()を伝えています。
 兵庫・西宮市で部長を務める大学4年の友は、ブラジルへ留学。「広布のために力をつける」と勉学に(いど)む一方、ホームステイ先の友人と仏法対話。()(しゅう)(きょう)(しん)(こう)していたものの、学会の人間主義に興味を持った友人は唱題を(じっ)(せん)するように。留学から帰国する直前、友人は御本尊を受持することができました。入会した友人はさっそく(しゃく)(ぶく)(じっ)(せん)し、弘教を実らせたそうです。この部長は、来日した友人と10月に総本部を(ほう)(もん)。11月、()(しょう)()(ほう)に接し、“先生に(ちか)ったブラジル広布、世界広布の道を必ず”と、共に語り合っていることを、教えてくれました。
 師匠に応えようとする(せい)(がん)の題目は、一人から一人へ、歓喜の輪となって確かに広がっていくことを実感しています。
 私を(ふく)め、今の学生部員の多くは、池田先生に直接お会いしたことはありませんが、だからこそ、師匠を深く求められると思っています。
 小説『人間革命』『新・人間革命』をひもとき、目の前の一人の友に、“先生ならどう(はげ)まされるだろう”と祈り、向き合う。そして、行動を起こす中で、先生の()(だい)さを(はだ)で感じる――。師が歩み()かれた()(せき)を追体験する中で、自分の(かべ)を破れた(しゅん)(かん)に、「先生と自分」という師弟、自分にしかない師弟の(きずな)が強固になると確信します。
 7年後の(そう)(りつ)100周年を担う学生部。「(たましい)(ほのお)のバトン」を(たく)された池田門下の“()()(わか)(わし)”が、今こそ師を求め、学び戦い、広布の新たな潮流を起こします。

(しょ)(ほう)(じっ)(そう)(しょう)

 (にち)(れん)(いち)(にん)はじめは南無妙法蓮華経と(とな)えしが、()(にん)(さん)(にん)(ひゃく)(にん)()(だい)(とな)()たうるなり。()(らい)もまたしかるべし。これ、あに()()()にあらずや。
(新1791・全1360)

メモ

 文永10年(1273年)5月、(さい)(れん)(ぼう)(あた)えられたとされる書。「(しょ)(ほう)(じっ)(そう)」についての質問に対し、仏法の(じん)(じん)の義を()かれている。弟子一門に対して、大聖人と同意ならば()()()(さつ)であるとされ、広宣流布は必ず達成できるとの確信を述べられている。

今回の池田先生の御書講義は、『わが愛する青年に贈る』からの引用です。