公開されている映像や、キャラクター、システム、ストーリー、世界観を見る限りあまり興味をそそられないのだが、なにはともあれ今日発売。

発売日延期はドラクエの恒例行事なのでファンにとっては一種の慣れというか、通過儀礼になってる節がある。


あとこれ主人公天使なの?ドラクエの世界感に合ってない気が・・。あと、スクウェアのFF11的要素である通信協力プレイをミックスさせたかったんだろうけど、これでドラクエのよさが失われるのでは、という危惧もある。


そもそもドラクエは固定されたキャラ、ストーリー、戦闘システムにそのよさがあると思うので、無理に時代に合わせて自由化したり、どこまでも際限ないようなキャラ作りに徹する必要はまったくないと思う。


低年齢向けに作ったといわれても反論はできまい。


現実のように、規制緩和による弊害に陥ってしまうのか、はたまた、セーブデータをひとつにしなければならないほど、内容に期待できる結果なのか、他人のプレイ日記を見ながら、楽しませてもらうことにしよう。



ドラゴンクエストIX 星空の守り人
¥5,680
Amazon.co.jp

新劇場版エヴァ2作目を見る。


副題である、「YOU CAN(NOT) ADVANCE」の文字が示す通り、一作目よりなお人間の成長と前進を描いたドラマになっている。


シンジは抽象化された漠然とした不安に切羽詰ることもなく、目の前にある命を助けようとあがくし、アスカは加持に対する、TV版で見られたような子供ならではの稚拙な愛情は希薄で、どちらかというと、成長したシンジに惹かれている。


レイはゲンドウとシンジの仲を取り持とうと、あくせく料理に精を出したり、これがあの暗かったエヴァか?と思うほど、チルドレン達のコミュニケートはほほえましい。


ただ、そのわずかな楽しみをぶち壊す思い切った演出と、ストーリーの大幅な変更には、庵野監督以下スタッフの並々ならぬ決意を感じる。


もうだれもこれを、TVシリーズの焼きまわしなどとは揶揄しないだろう。


新劇場版エヴァは、エヴァを超えて、ひとつの別個の物語として完結しようとしている節がある。


あの後ろ向きな感情の集合体だった「Air/まごころを君に」から一転、アスカとシンジだけだったあの赤い海から10年、人間は進化した。


一巡した世界で学んだ、決意の大切さ、願望をかなえるため道を切り開いていく登場人物たちの潔さは、素直に共感できる。


サードインパクト以降、再び使途の脅威におびえるヒト。変わらず補完計画を推し進めるゼーレ。ユイとの再会を果たそうとするゲンドウと冬月。そんな中、渚カヲルは、再びシンジを助けるために動き出す。


さまざまなヒトの思いが交錯する中、最強使途ゼルエルの襲来により、暴走を余儀なくされる初号機。


だがそれはTV版とは違い、勝手に暴走し始めるいわば「外的要因」とは異なる。


シンジは自らの意志で、レイを助けるため、暴走を引き起こす。


その結果起こる二度目のサードインパクト。


ロンギヌスの槍に貫かれる初号機。


そのすべてが一瞬のようでいて、長い時間の中にいるようでもある。


既視感と初見のハザマにいるような、錯覚を引き起こす。



今後このアニメを超えるアニメは現れないだろう。


そんな思いを抱かせてしまうほどの破壊力をもったアニメである。





ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 特装版 [DVD]
¥4,612
Amazon.co.jp

かの太田総理が敬愛する、「世界でもっとも美しい物語」。

話は第三者の語り口で進み、終始説明口調で閉じる。


しかしどこか他人ごとのような印象は受けない。その内容があまりに過激で、エキセントリックで、そしてどこまでも美しいからである。


特に春琴が顔に熱湯をかけられて、皮膚が二目と見れない状態になってしまってからの、奉公人である佐助の目を突くシーンは、そのあまりの描写に、読んでいて吐き気と気持ち悪さがぞわぞわと上ってくる。


リアリティあるものは、必ずしも人に心地よさを与えるものではない。時にそれは人を傷つけ、心を暗黒に落としてしまうこともあるだろう。しかし、そこから目をそらさず、しっかりと真実を見届けた先にこそ、本当の美しさは宿る。


目の見えない闇の世界だけに宿る、二人のかすかな光は、誰の同情も受けず、媚びもせず、どこまでも明るく輝いている。



いろんなことを教えてくれる一冊。




春琴抄 (新潮文庫)/谷崎 潤一郎
¥300
Amazon.co.jp