家ネコの翌日。

私はアクティブに外ネコする。 


朝から出掛ける。

デパートが開店前から行列ができていて、

少し驚く。 


ランチ時、どこもかしこも行列だ。

そんなに有名な店なの?と首をかしげる。


私は行きつけのリゾットの店へ向かう。

思いのほか、すぐに入れた。


自分の中で注文の二択は決まっている。 

それでも、あえてオープンクエスチョンで

聞いてみる。 


「ヴェネチアっぽいもの、どれですか?」


 ウェイターはキッチンに相談に行く。


オープンキッチンなので会話が丸聞こえだ。

「え?ヴェネチア? 国? 都市?」 

……勘弁してくれ。ここはリゾット専門店

でしょう。

おすすめを聞かれたら、トスカーナ風とか、

ヴェネチア風とか、瞬発で返してほしい。


結果、店で一番単価の高い商品を提案される。


迷わず、いかすみのリゾットを注文。 


食後のコーヒーも、こちらが言わないと

気づかれない。言っても、出てくるのが遅い。


 東京だと、良くも悪くも、もっとせっかちだ。

 あるいは、妙にタイミングがいい。


コーヒーが出てきたタイミングで

先に会計を済ませる。


やれやれ。


昨年、今年と続き、この店への全体的な満足度は下がってしまった。なんだか色々、残念だ。


ただ、いかすみのリゾットはその後も

注文が入っていた。人気ではあるらしい。


馴染みの空間自体は、やはり落ち着く。 


腹ごしらえを終え、懐かしい街を歩く。


よく行った店を巡る。


買い物がしたいわけじゃない。

ただ、空間を味わいたい。


馴染みの場所が、今も存在している。 

それだけで、嬉しい。


新しい商業施設もたくさん増えた。 

数回しか訪れたことがない。


けれど、

友達とあそこに行ったな。

あの店で食事したな。


と、少しずつ、記憶が積み上がる。 


記憶が多すぎて、昨年来た時は、私は本当にかつてこの街に住んでいたのだろうかと魂が浮遊するような感覚になった。 


今年は違う。

自分は、確かにこの街で生きていた。

そう実感できた。


この不思議な感覚は、何なのだろう。


高校時代に行ったパン屋へ立ち寄る。 

種類が多くて悩む。

悩む時間も、楽しい。

かつてもお財布と胃袋とカロリーと相談しながら、こうやって悩んでいたのだろう。


過去と今の自分が、重なる。 


結局、焼きたての名物パンを買い、

温かいうちに食べる。


その後、某・焼きたて銘菓も。


おしゃれなコース料理より、少しずつ、

こういうものが食べたい。


 職場と実家へのお土産を購入。 

「手が止まらない」と高評価をもらった。 


いつか紹介するかもしれない。 


時間はあっという間に過ぎる。 

四捨五入ならぬ、四捨選択。 


オレンジワインは、レジが行列で断念。 

トリプルのジェラートも、ワンオペ対応で断念。


毎年のことながら、デパ地下で

フルーツトマトを箱買い。

ワインを数本調達し、帰宅。


先に夕食を終えていた家族に私は問う。

「腹何分目?」

「ワインは入るかな~?」


「いいともー‼️‼️」



早速、宴が始まる。




 ——予告 

次回は、東京に戻ります。 

ずっと白銀の世界では寒いのでね。

温まりましょう🌷