埋もれた日の翌日、帰京する予定だった。

 前日の搭乗確認メールも届いていた。 

一日経てば除雪も入り、問題ないだろう

——そう思っていた。 


甘かった。 


当日の朝、欠航のメール。

便の変更は一回限り可能。 


その日の夜遅くの便はあるが、欠航リスクあり。

私は翌日の昼便に変更することにした。


 ……が、変更確認メールが来ない。

電話もまったくつながらない。


取り急ぎ職場へ連絡し、 

予定通り帰れないことを伝える。


「埋もれた日」は、

空港で何千人もが夜を明かした。 


東京まで、歩いて帰れる距離ではない。 


もう、これは、しょうがない。 


切り替える。


実家滞在が一日延びた。 

なんだか、寿命が一日延びたみたい。 


嬉しい😆💓


さて、人間は寿命が一日延びたら、

何をするのだろう。


私は——普通に「家ネコ」をした。


新聞を読み、
前日、雪と格闘した人たちの記事

に共感する。


天気は晴れ。眩しくて、母のサングラスを借りて

散歩に出る。 

昨日の雪は、いったい何だったのだろう。


昼食後、30分ほど除雪。 

30分……かわいいものだ。 

ただ、前日の格闘で背中はバキバキ。肩も痛い。


午後は、家族の提案で映画タイム。 


正直に言うと——まったく興味のない映画。

見たくない映画を見るのって、けっこう苦痛だ。


せっかく寿命が延びたのに、

これに時間を使うのか……と思う。 


でも、その言葉は心の中にしまっておく。


自分なら絶対に選ばない作品。 

だからこそ、発見もあった。学びもあった。


 前日あれだけ格闘したからこそ、 

「のんびり映画を観られること」が幸せに思える。


人間、寿命が一日延びたなら

案外、こんな普通の一日が 

いちばん豊かなのかもしれない。