クロスカのブログ -32ページ目

クロスカのブログ

ブログの説明を入力します。

 最強の動物は何かという問いは、もはや、興味のある話題として成立しないものになった。最強の動物は人間だ。答えは、索漠としたものだ。人間は地球と言う惑星の自然を作り変えて、生態系を破壊することにより、野生動物全部を絶滅させようとしているかに見える。


 しかし、そういうことではなく、一対一の対決で闘った場合、少し条件を緩めたとしても、狼のような群れの攻撃を認めるとして、直接の格闘技(?)で闘った場合に、最強の動物は何かというような話題は、私の少年時代には皆が面白がるものの一つだった。人間が候補者として参戦する場合には、銃を使ってはいけない、せめてナイフぐらいの武器に制約しなければならない。もちろん、森林を切り開いて農場にしたり宅地にしたり、工場にして、生態系を破壊して野生動物を根絶させるなどというのは、闘いの範疇に入れない。こんな勝敗を真面目に考える人は今はほとんどいないだろう。


 しかし、極真空手の創始者の大山倍達総裁のように、牛と素手で闘い、梶原一騎によればクマと戦おうとして警察に止められ、ゆくゆくは空手の技を極めてライオンや虎とも戦いたいと夢を語っていた人もいたのである。かつては、決して荒唐無稽な話ではなかった。少なくとも、現在、真顔で語られているイルミナティーやらイスラエルの消えた支族やらの妄想論よりは意味のある議論である。


 小原秀雄という動物学者がこの問いに答える本を、ずっと昔に書いている。それによると、最強の猛獣は虎とライオンで、虎とライオンのどちらが強いかと言うと、引き分けだろうという。かつては、人間が飼育下の虎とライオンを戦わせた例もあるが、そこでも一般的な結論は出なかった。今はそういう馬鹿なことを試す人はいないが、虎とライオンはどちらが強いのか、あるいは最強の猛獣は誰かと言う問題は、かつては大の大人が知りたがるものだったのである。


 虎とライオンは猫科の最大の動物で、両者の体格は互角、豹のように小柄な猛獣もいて、野生の王国が文明の破壊を退けていた時代には、そこで人間にとって最も恐ろしい猛獣は豹だという探検家も多かったという。しかし、これは豹が木の上などの隠れていて、人間が気付かないままに襲われた場合には、抵抗もできずに殺されてしまうのに対し、ライオンは平原にいて、存在を確認し易く、最初から警戒するので、危険性が少ないということで、どちらが強いのかという問題とは別である。


 地球上に現出した動物界において、猫系の動物はいろいろあるが、彼らは究極のプレデターであり、そのために彼らの身体は闘いのために特化している。熊とか、ワニとか、大蛇のような猛獣も、構造的に戦闘における猫系の肉食獣の敵ではないのである。


 そして、同じ猫系の動物同士の強弱はと言うと、これは身体の大小がそのまま強弱に比例している。だから、豹はライオンを見たら逃げ去るし、体格的に互角の虎とライオンは強弱においても互角なのである。


 そういう事情で、かつては百獣の王と呼ばれたライオン、残念ながら現在ではアフリカでも生息数が激減し、絶滅危惧種になっているのだが、そのライオンを愛し、個別の意思の交流をして、互いに認め合った人がいた。「野生のエルザ」のジョイ・アダムソンとジョージ・アダムソン夫妻である。次回以降になるが、この奇跡のような人間とライオンの友愛、交流について、考えてみたい。