日本、韓国、中国のテレビ早碁棋戦の優勝者準優勝者で争われるテレビアジア選手権で井山裕太九段が優勝。日本のNHK杯、韓国のKBS杯中国のCCTV杯の優勝者、準優勝者が参加する。
賞金額は少ないようなので、かつてはあまり重要な棋戦とも思っていなかったし、囲碁の報道でもそういう扱いだったと思うが、このところ、国際棋戦で日本の棋士はまったく勝てなくなり、日本の囲碁界が相当力を入れていたようである。井山裕太棋聖名人その他三冠は、前年度のNHK杯の決勝戦で結城九段に敗れたが、そのときのインタビューで、テレビアジア選手権に出場できるので頑張りたいと言っていた。その通りに、優勝したのだから、すごいと思う。
NHKEテレで放送していたが、解説者たち、特に吉田美香八段がかなり興奮していて、日本囲碁界の力の入れ方が垣間見えた。
囲碁はもともとの発祥は中国であり、私の亡くなった父もそういう言い方をしていたので、中国の囲碁界が最強だと子供時代は思っていたのだが、江戸時代に囲碁の家元が幕府に禄をもらって囲碁に専念して、日本の囲碁の水準が本家の水準を超えたようである。近代史において、中国朝鮮は帝国主義により、あるいは植民地化され、あるいは侵略され、囲碁どころではなかったので、その差は歴然となったのだが、この数十年、韓国、中国が政治的、経済的に安定してから、囲碁の普及に力を入れ、力をつけてきた。国際棋戦でも、始まったばかりのころは日本の囲碁界の選手が優勝することが多かったが、最近は日本囲碁界の選手は国際棋戦でまったく勝てなくなり、国際棋戦の囲碁と国内棋戦の囲碁は異なるゲームだなどと負け惜しみのような言い方をする人もいた。
特に、印象的だったのは、数年前まで日本の囲碁タイトルをほとんど独占する勢いだった張栩九段が、国際棋戦では中国韓国の選手にどうしても勝てなかったことだ。その張栩から次々にタイトルを奪った井山九段が、日本国内棋戦の勝利に甘んじることなく、国際棋戦にも通用する囲碁の力を見せてくれたのだから、評価できる。