11/6(水)~11/15(金)ドバイ 11連泊(オートバイの輸送手配)~帰国
ドバイではオートバイを日本へ返すための輸送手配をせねばならない。輸送会社を探してコンタクトを取り輸送費用の見積もりから始まるが、容易ではない。
サウジアラビア滞在中にインターネットで探し出したドバイの輸送会社6社へ日本への輸送費用の見積もりEメールで依頼したが、一社からの返事も無く、無しのつぶてだった。
日系の輸送会社最大手にもメールで見積もりを依頼したが、返答は無かった。
その後バーレーン滞在中にも業者を絞って更に5社へメールでコンタクトを試みたところ、3社から返事が来た。NYKの代理店でもある業者も訪れて担当者と会って費用の交渉を開始した。
オートバイの海上輸送には2つ方法がある。 一つはオートバイを木枠梱包して他の貨物と一緒にコンテナーに詰め込み輸送する(混載と呼ぶ)方法。一つは自動車運搬船(RoRo船と呼ぶ)にて梱包無しで輸送する方法。 前者が一般的な輸送方法である。
混載貨物としてコンテナー輸送する場合には、木枠梱包費用と到着地で貨物の輸送や梱包の解体費用がかかるが、 梱包箱の中に他の旅行用品やスペアーパーツ等の荷物も詰め込めるメリットがある。
他方、自動車運搬船の場合は、木枠梱包せずにオートバイをそのままの姿で船に載せ、到着した港では船から自走して降ろす。梱包費用がかからないメリットがある一方、オートバイに荷物は搭載できない。空のトップケースとパニアケースのバイク搭載が許される程度だ。
2018年7月に世界一周ツーリングの最終地であった米国ロサンジェルスから帰国した際には自動車運搬船でオートバイを日本へ送り返した。
梱包費用がかからず、到着した横浜港でも船から荷下ろし後、自らオートバイを運転して税関へ行き、通関後はオートバイで自宅まで帰ってきた。手間がかからなかった上、費用も混載貨物としてコンテナー輸送するより安かった。
しかし、ドバイから横浜港までの輸送費用は自動車運搬船での輸送の方が混載貨物でコンテナー輸送する場合より4割~5割高くなるとの見積もりだった。自動車運搬船での輸送は費用面で諦めざるを得なかった。
混載貨物で輸送する場合でも、輸送業者に木枠梱包から船積みまでの全ての業務を任すと1,100~1,200米ドル(約12~13万円)となる見積もりだった。
しかしながら、木枠梱包は専門業者と直接取引を行い、輸送会社には通関と船積(船賃の支払いも含む)のみ任せるとと費用が安くなった。
木枠梱包業者については、インターネットで探した業者を訪問して即刻梱包を依頼した。
Mega Stars Moversと言う設立後数年しか経ていない業者だったが、対応が早かったので気に入った。 やはりビジネスはスピードだろう。
(ドバイのAl Quotz Industrial地区に所在するMega Star Movers社の倉庫兼事務所)
(木製クレート=パレットの上に載せたオートバイと同梱荷物)
(オートバイの木枠梱包状態。 木枠上の小さな印刷文字は木材の燻蒸証明=虫を駆除した証明。この燻蒸証明マークだけで約8千円の料金)
他方歴史があるドバイの輸送会社2社(NYKの代理店であるGulf Agency Co)とInchcape社は梱包から船積みまでの全ての業務でない限り引き受けない言いと融通が利かなかった。
結局、通関から船積までの一部業務のみを引き受けてくれたAMI Middle Eastが融通が効き、対応も早いので同社に輸送手続きを進めてもらうことにした。 同社はドイツ系だ。対応が早く、融通が効いたのが同社と取引をする決め手だった。
(Jebel Ali Free Zone内にある輸送会社 AMI Middle Eastの受付。一般人のFree Zone内への立ち入りは制限されているため、同社を
訪れる度に事前に電子メールにて顔写真入りのFree Zone内への立ち入り許可証を発行してもらわなければならなかった。)
オートバイの輸送関係費用は以下の通り。
① 3.5立方メートルの木枠梱包製作と輸出倉庫までの輸送費用は約440米ドル(約4.7万円)
② 3.5立法メートルの貨物の通関から船賃を含む船積みまでは約450米ドル(約4.8万円)
①と②の合計890米ドル(約9.5万円)となった。
AMI Middle East社では海上保険の手続きが複雑ということで、加入手続きを断られた。
同社から紹介を受けた保険会社と直接コンタクトを取ったが、やはり加入手続きが複雑で直ぐに進められるような感じではなかった。
2018年7月に米国から自動車運搬船でオートバイを日本へ送り返した際にお世話になった日本のキャメル・ジャパン社に今度は海上保険の加入のみでお世話になることにした。 簡単な手続きで海上保険の手続きをしてもらう。ただし保険付保はオートバイのみ、保険金額が最低50万円ということで、保険料金は7,500円(保険金額の1.5%)
ドバイ滞在中は約270km走行した。 全て業者との打ち合わせのための移動だ。
ドバイと周辺エリアは高速道路でつながっているため、 オートバイでの移動が容易だった。
ただし、道を間違えると元に戻るのに、10km~20kmの距離を走ることになる。
ドバイ7泊目にオートバイを木枠梱包製作業者へ引き渡し、9泊目に木枠梱包済みのオートバイを輸送会社の倉庫へ引き渡した。 輸送会社の倉庫へ貨物をトラック輸送する途中で、通関手続きとは別のオートバイの税関検査のみを受けた。
業者の代理人が検査官へオートバイの説明するより、当方が直接検査官へ説明したほうが検査官が検査と書類手続きを早く済ませてくれた。 スマホでアフリカのツーリングルートを示すと、皆「おお!」と感嘆して、協力的だった。 ただし、業者へは高圧的な態度だった。
ドバイも約10年ぶりの訪問だったが、都市部が膨張している。 まだまだマンションやオフィース系の高層ビルの建設が目に留まる。 オートバイ関係の日系企業の駐在員の言葉をかりると、数年前に国際原油価格が下がって以来景気にブレーキがかかったままだと言う。 しかしこんな状況でも経済成長が低迷している先進国の外国人の目には好景気に映る。
(ドバイの高層ビル街。 写真中央の一番高いビルは高さ828mのBurj Khalifa)
アラブ首長国連邦の人口の約9割が外国人ゆえ、街ではアラブの伝統的は白衣をまとった現地人はほとんど見かけない。
インド人が「インドで一番好きな町はドバイ」と言うジョークがあるように、一見するとインド人を中心としたやパキスタン人、バングラディッシュ人等南アジア諸国の人の街だ。
欧州系の白人の姿も多いが、国籍が判らない。 よく見かけるアジア人はフィリピン人だ。
英語が堪能で勤勉かつ従順なフィリピン人は雇用先を探すのには困らないだろう。
ドバイのような英語がビジネス上の公用語化している都市では英語が必須だ。
お世話になった木枠梱包会社の一般従業員のパキスタン人は、「ドバイではアラビア語はいらない。英語だけで仕事をしている」との言葉が印象的だった。
帰国前日のドバイ10泊目にやっと全て手続きが終了して、少しドバイ観光をする時間ができた。 ドバイの高層ビル街である新興地区は近未来的な都市でもある。 中東湾岸諸国では珍しくメトロ、トラム、モノレールといった公共交通もあるので、外国人観光客がドバイ市内を移動するのが容易だ。
以前から気になっていたパーム・ジュベイラ(Palm Jubeira)と言いうヤシの木をイメージした人工島を訪れた。 ヤシの木の葉の形の複数の入江とその入り江に面した贅沢な造りの戸建て住居、そしてプライベートビーチが付きのリゾートホテルがある。全くアラブ的ではない人工的な場所だ。 歴史の重さや伝統文化を感じる場所では無い。
帰国2日前にスカイスキャナー(Skyscanner)のウェッブサイトで探した香港乗り換え羽田空港着のキャセイパシフィック航空の便を予約した。エコノミークラスの航空運賃は1,610ディラハム(約4.8万円)。
(地図上部左側のヤシの木の形の人工島がパーム・ジュベイラ=Palm Jubeira)
(Palm Jubeiraから見たドバイの新興ビジネス街Nahkeel地区)
(Palm Jubeira内の住宅)
(Palm Jubeira先端のリゾートホテルと内海側のプライベートビーチ)
(Palm Jubeiraの先端の外海側は遊歩道になっている)
(ドバイのメトロ。 ほとんどの区間は地上を走る)
(メトロの車両。終日女性専用車両がある)
(ドバイのショッピング・モールは洒落ている。実物大の象にのったマハラジャをイメージした置物=Ivn Batuta Mall)
以上