ミルウォーキー~ラピッドシティー(サウス・ダコタ州)6/9~6/14 1,705km | インベストメントライダーふるさんのブログ Investment rider Seiji Furuhashi travelling around the world by motorcycle

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オートバイで世界を駆け回るインベストメントライダーを目指す個人投資家。
オートバイでのユーラシア大陸横断と南北アメリカ大陸縦断、アフリカ大陸とアラビア半島横断、東南アジア・インド・中近東等走行後、2025年4月~9月欧州・中央アジアをツーリング中。

6/9() シカゴ~ミシガン州・ミルウオーキー(Milwaukee) 118km

 

未明に非常警戒を知らせるけたたましいスマホの警戒音でたたき起こされる。

当方の携帯電話にいつの間にか非常警戒を緊急連絡するソフトが組み入れられていた。

 

そういえば夜中にベットで横たわっていても外の豪雨の音と雷鳴は聞こえていた。朝になったらモーテルの駐車場の広い範囲で深さ10センチ程度に雨が溜まり、洪水があったかのような光景だった。

(モーテルの駐車場は洪水後のようだった)

 

午前10時頃まで小雨模様だった。雨が止むのを待ち、次の目的地のミシガン州・ミルウオーキーへと出発した。ミルウオーキーはシカゴの北100km程のミシガン湖西側に位置する。

 

全米第二位のビール会社であるミラー・クアーズ社の発祥の地でもある。

ミルウオーキーへは大手オートバイメーカーであるハーレーダビットソンとビール大手のミラー・クアーズ社の工場を見学するために訪れた。

 

早速ミラー・クアーズ社の工場へバイクで乗り付け工場見学ツアーに参加した。無料で年間数日の祭日を除き週7日間工場見学を受け付けている。一日に数回見学ツアーを行っている。 工場自体は年間ほぼ無休で稼働していると言う。

 

工場見学は醸造工程とパッケージング工程の一部を会社案内係の説明を聞きながら行なう。 工場設備はかなり使い込んでいるが自動化が進んでいるようだ。

作業工程では現場のオペレーターが少ない。 この工場では一日当たり50万ダース(600万本)のビールが作られていると言う。

 

見学最後に参加者の楽しみのビールの試飲会がある。工場のビアホールとテラスバーで2種類のビールの試飲が簡単なつまみと共に提供される。  更に、ミルウオーキー市内の直営店でのビールのタダ券も配られる。

そのため、ビール見学は人気があるようだ。 当方が参加した時間帯の見学会には25名ほどの見学者がいた。中国人56名のグループやインド人の家族連れも同じグループにいたが、ほとんどは米国人だったようだ。

 

当方はバイクで来ているためビールの試飲は遠慮した。 しかしながら、ビールを試飲をしていた米国人見学者が車を運転して帰るのではないか。後で知ったが、一定基準内のアルコールの飲酒なら自動車の運転は合法だと言う。

 

投宿はVillege Inn Milwaukee(一泊67ドル)

 

(ミラー・クアーズの本社ビール工場・工場内は写真撮影禁止)

 

(ビール試飲会)

 

6/10() ミルウオーキー2日目 雨天のため終日モーテルに籠る

 

朝から小雨模様で寒い。気温は12度程度。モーテルに暖房が無く南米のボゴタ以来着なかったフリーツのベストを出して部屋の中で着用。

 

晴れたらミルウオーキー市内のハーレーダビットソン博物館にでも出かけようと思っていたが、雨のためモーテルの部屋にこもりミルウオーキーからサウス・ダコタ州ラピッド・シティーまでの約1,500kmルートの再検討を行った。

 

ミルウオーキーからひたすら西方向へほぼ一直線にラピッド・シティーまで進むことにした。

 

先週までは日本から米国へサイドカーでツーリングに来ている知人夫婦に道中で遭うためミルウオーキーからインディアナポリス~セントルイス~カンザスシティー~オマハ~ラッピドシティーと迂回したルートを考えていた。

 

しかし、 当方と知人夫婦のスケジュールが合わないため迂回ルートを止めて、効率重視でしてラピッド・シティーまでの最短距離を選ぶことにした。

 

ラピッド・シティー郊外のマウント・ラシュモアには、ワシントン、リンカーン、ジェファーソン、ルーズベルトと歴代4名の大統領の巨大な顔を彫った岩山がある。また、未完成だが完成すれば世界最大となる高さ170mのクレージ・ホース(インディアンの英雄)の像も近くにある。

 

6/11(月)ハーレー・ダビットソン工場と博物館見学

 

待望の工場見学のため午前6時前に起床してミルウォーキー市内から約30km離れたメノモニー・フォールズ(Menomonee Falls)にあるハーレーのエンジン組み立て工場を訪れた。

 

ハーレーのホームページには工場見学には「人数制限があり。入場は早い者勝ちになるので早めに来訪されたし」とのことわり書きがあったので、午前9時のオープンの時間前から見学希望者の列があると想像していた。 

 

午前8半頃に工場に隣接するビジター・センターに到着したが、見学希望者らしい人は誰もいない。集合場所を間違えたと思うほどだった。見学は無料だ。

(ハーレー・ダビットソンのメノモニー・フォールズ市内のエンジン組み立て工場)

 

 

(ビジターセンター受付に展示されているハーレーダビットソンのV型エンジン)

 

(身長167cmの当方には手に余るサイズのハーレーのツーリングモデル)

 

結局朝一番のグループは当方を含め4名。アメリカンフットボールのコートが16面入るくらいの(約400m250m位の広さ)広いエンジン組み立て工場を案内係のスタッフが1時間ほどかけて丁寧に説明してくれる。 この工場で働く人は約千名、週53交代制で6種類のエンジンを年間26万基組み立てているいう主力工場だ。ハーレーは他の工場も含めエンジンを年間28万基製造しているという。

 

工場床にはごみが一つも落ちておらず整理整頓が行き届いている。現場で働く人たちの意見を取り入れた「作業改善」の表とグラフが壁に張り出されており、品質や生産性の向上役立っていると言う。日本の製造業と同じような方式を採っていた。

 

エンジン組み立て作業の一部にはABB(スイス・スウェーデン企業のアセア・ブラウンボベリー)のロボットが使用され、金属製部品を削ったりするマシーニング・センターにはMITSUI SEIKIと書かれていた。ここでも日本製の機械が使われている。 

 

工場見学の後はミルウォーキー市内のハーレー博物館を訪れた。ここには1903年に若きMr. Bill HarleyMr. Aruther Davidsonが小さなガレージで創業して以来のオートバイや1960年代のイージーラーダー及び1980年代のターミネイター等の映画に使われたモデルの複製やマニアが凝ったカスタムメイドしたオートバイが展示してある。

 

オートバイ好きなら見て飽きない博物館だ。入場料は大人20ドル。 ハーレーは今でいうベンチャー企業としてスタートし、創立4年目の1907年に資本金3.5万ドルで株式会社化していた。 

 

その後モータゼーションの波に乗り、社業は拡大した。1950年代には英国製の輸入オートバイとの競争を輸入関税で何とかくぐり抜けたが、1970年代~80年代の日本製オートバイとの競争では崖っぷちに立たされ、会社倒産の危機に瀕した。しかしながら、経営者と社員の努力により危機を乗り越えアメリカ唯一のオートバイメーカーとして生き残ったと言う。

(創業4年後株式会社化した1907年当時の社員。創業者も含め社員は20名弱だった。)

 

(1906年のハーレー2号機)

 

(エルビス・プレスリーが無名の時購入した1956年製 KHサイドバルブのVツイン。 当時903ドルの価格)

 

映画イージーライダーで使われた1960年チョッパーの複製

 

(無数の模造ダイヤをちりばめたカスタムメイド)

 

アメリカの直線道路にはハーレーがよく似合う。相撲取りの様に体重が200kg位ありそうな人でもライディングが可能な丈夫なオートバイだ。実際そのような巨漢のライダーを見る。日本製や欧州製のオートバイはほとんど見かけない。 ハーレーに乗っているライダーは年配の人たちが多い。企業が継続するためには若い人達にもハーレーに乗ってもらうことが課題だろう。

 

最後にハーレーの本社を訪れた。115年前に創業した場所と同じミルウオーキーの庶民が住む下町にあった。東京で言えば台東区とか荒川区だろう。当方が本社ビルの外で写真を撮っているとシニアの社員が声をかけてくれ会社建物内に招き入れてくれた。 大手の企業にも関わらず、ベンチャー企業のような社員と経営が一体した社風があるようだ。

(ハーレーの本社ビル)

 

6/12() ミルウォーキー~アイオア州・ウオーターロー(Waterloo)418km

 

次の目的地はサウス・ダコタ州のマウント・ラッシュモアの観光起点のラッピド・シティーだ。ミルウォーキーから西方約1,500kmの距離に位置する。余裕をもって3日かけて行くことにする。

初日はミルウォーキーから420km程西方のアイオワ州のウオーターロー(Waterloo)泊まりとする。 ミルウォーキーは今にも雨が降りそうな朝だった。行くと決めたら天候にお構いなく雨でも風でも出発する。

 

念のため、雨具を着用するが、雨具を着ると体が蒸れる。蒸れ対策として、足のももの部分がメッシュになっている夏用のライディングズボンをはいたり、ライディングジャケットの下はTシャツ一枚にしたり工夫する。

 

ミルウオーキーから200km程度西へ走ったら水量が豊富な川幅が1km以上はありそうな大きな川が見えてきた。 川にかかる長い橋を渡る時に「ミシシーピー川」との表示があった。 約3週間前に約千キロ下流でアーカソー州からミシシーピー州のメンフィスへ行く時に渡ったばかりの大河だった。

 

曇天が霧雨となり、宿泊地のウオーターローへ到着するころは気温が上昇して、天気は晴れていた。野菜や果物、中食も取り扱う日本の小型スーパーのようなコンビニがあった。 Kwik StarKwik Tripの名でガソリンスタンドに併設されている。 

 

イートイン(食べられる)コーナーがあるので軽食をとったり、コーヒーブレークの際には重宝する。アメリカのコンビニで初めて見た形態だった。この会社はアイオア州、ミネソタ州とウィスコン州の3州のみでしか事業と展開していないと言うが、日本のコンビニの様に気が利いた商品が置いてあった。

 

投宿はMotel 6 Crossroads Waterloo(157ドル)

(アメリカでは人気の大排気量エンジンのピックアップトラック)

 

6/13() ウオーターロー~サウス・ダコタ州・スーフォールズ (Sioux Falls) 494km

 

日本の秋晴れのような空が高い涼しい晴天の陽よりだ。今日は約500km弱の走行でサウス・ダコタ州のスー・スーフォールズまで行く。到着地も晴れの予想だった。

 

スーフォールズへ行くルートは2つあった。最短距離で時間優先でいくとインターステーツの高速道路になるが、交通量が少ないと思われるUS20の国道を選んだ。 国道を選んだのは正解だった。 広大なトウモロコシ畑が続く単調な一本道ながら交通量は少なかった。

(US20国道から外れた田舎道。ハーレーのオートバイが走っていた)

 

途中からUS20国道は道路補修のため全面閉鎖されていた。畑のど真ん中の迂回路を40km程進んだ。片側2車線の国道が上下線とも全面通行止めは初めてだった。 日本では見たことが無い超大型の道路補修用の機械を使って舗装面を剥がした後の土を削っていた。

(US20号国道で片側車線=写真左側を閉鎖して舗装の張り替え工事)

 

バイクで走行していると道路工事に合わない日が無い。道路インフラの補修が長年置き去りになり至る所でガタが来ているとは聞いていたが、これほど広範囲で全米至る所で道路補修をしているとは思わなかった。

 

ニューヨークから西へ進路を変えてから車に衝突して死んだ鹿の死骸を道路脇でよく見かける。ある区間で数キロ毎に鹿の死体が放置されていた。 夜間に衝突事故が発生するのだろう。オートバイでシカに衝突したらオートバイは転倒してライダーも大けがをするだろう。 インターステーツの高速道路も国道も100km以上の制限速度になっているのに道路沿いには柵が無いため、野生動物が簡単に道路へ進入出来ることが問題だろう。

 

投宿はRedRock Inn(一泊56ドル)

(スーフォールズの大型会員制店舗Sam's Clubで寿司を買いモーテルで夕食とした)

 

6/14()スー・フォールズ~サウスダコタ州・ラピッド・シティー(Rapid City) 675km

      (マウント・ラッシュモアとクレイジー・ホース見物)

 

アメリカに入って一日では一番長い距離を走行した。 前泊地のスー・フォールズから本日の投宿地のラピッド・シティーまでは約560kmの距離だった。 

(西へ向かうインターステート90号線)

 

しかし、時差が1時間広がり、晴天でもあったので翌日寄るつもりであった岩山に彫った歴代大統領4名の顔があるマウント・ラッシュモア(Mount Rushumore)と完成したら170mの大きさになるというインディアンの英雄だったクレージー・ホースの未完成彫像がある2カ所を訪れた。 この寄り道が翌日疲れを残すことになってしまった。

 

スー・フォールズからラピッド・シティーへは西へ一直線にインターステート90号線(I-90)を進む。地平線のかなたまで草原が広がる中の一本道だった。 緑の草原が風で波を打って美しかった。インターステートの高速道路の割には交通量が少なく、特に大型トラックは少なかった。サウス・ダコタ州は人口が少ないので交通量も少ないのだろう。

 

午後になると大草原中の道路上の気温は42度まで上昇していた。砂漠並みの暑さだった。 東海岸やシカゴあたりはせいぜい気温が上昇しても26度~27度だった。制限速度は時速80マイル(129km)と今まで通った高速道路では一番速い場所だ。気温上昇で、バイク走行中に受ける風が熱い。  

(スーフォールズ~ラピッドシティーのインターステート90号線と大草原)

 

マウント・ラッシュモアとクレージー・ホースの彫像には期待していたが、正直がっかりした。 リンカーン等の歴代大統領の顔が大きさが20m弱あり、さぞかし巨大だろうと思ったが、300m400m離れた場所かでしか見えないので小さくしか見えない。 入場料(駐車料金)は10ドル。 

(マウント・ラッシュモア 正面の岩場に歴代大統領4名の彫像が見える)

 

クレージー・ホーズの彫像に至っては顔の部分しか完成しておらず、 700~800m先の彫像の工事現場を遠くから眺めるという感じだ。それでも入場料は7ドルだ(ビジターセンターで展示物や説明映画の観賞可能)。

 

投宿はTown House Inn(一泊87ドル)

(遠くから眺める工事中のクレージーホースの騎馬像。写真右側が馬の頭になる予定)

 

(クレージーホースの頭部を望遠で撮影。肉眼ではこのように見えない)