今年も残すところ2週間とちょっと。
仕事用PCが変わったことで、どうにも慣れず、最近SNSのアップをサボりがち


・・・とはいえ、実は今年もこっそり(?)コソコソとルアーをイジっておりまして、今回はその中でも自分の中で一番のお気に入りをご紹介


ちょっとふざけて、アルファベットの〝A”の形に並べたスピンテールミノー



実はコレ、かの名作・ボーマーロングAのチューニングバージョン。

これは14Aという、現在、ボーマーの本国アメリカでは廃盤となっているサイズをスミス様が限定で発注したモデルで、かつてはアイがヒートンだったこともあり、これをイジって、スピンテールミノー化するチューンが流行りました。
流行ったって言っても、かれこれ40年くらい前のことですが・・・。
そんな古いルアーの話を引っ張り出して、何が言いたいんだとおっしゃる方は、どうぞ、今スグご退場ください


所詮、私のしょーもないブログなんて読んだところで、アホになるだけです


反対に、おおっ、面白そうじゃんって、興味を持ってくださった方は、以下、長文となりますが、最後までお付き合い頂けましたら幸いです。


今年、ひょんなことから、Wスイッシャーの威力を再確認したことがございまして、それをきっかけにスピンテールロングAを作ろうと思ったんです。


オイ、オイ、待てよ・・・、スピンテールミノーって、Wスイッシャーじゃなくて、シングルスイッシャーじゃんって、思った方もおられるかと思います。
まあまあ・・・そう仰らず、もう少しお付き合いください。


私は、仕事柄、普段から釣行時は、お客様と同行することが多いため、今年、自分的にはハマっているWスイッシャーで、お客様にも釣ってもらおうと自分手持ちの中から実績の高いものをお貸ししたのですが、ここである問題に気付かされました。
どうやら皆さん、ルアーの移動距離を抑えつつ、スイッシャーのペラで〝ジョボッ!ジョボッ!”とスイッシュ音を出して、首振りアクションをつける事が非常にムズいらしい・・・。
こうやるんだと目にお前で見せて、説明しても、なかなかそのアクションが出せない・・・
今年、私が結果を出していたWスイッシャーのアクションって、実は首振り。

私みたいなオッサン世代からすれば、出しどころを理解していれば、トップウォーターって釣れるのが当たり前のことだし、過去にトップで釣った想い出って一杯あると思います。
そりゃそうですよ。
全国的にバスが個体数が過渡期の傾向で、一日ウン十匹ってバスが釣れるのが当たり前だった琵琶湖をはじめとするかつての日本バスフィールドでは、いろんなことを試すだけの余裕がフィールドにもアングラー側にあったわけですからね。
いろんなルアーを使って釣ってみるうちに、このルアーのこういうアクションって、こうやれば簡単に出せて、こんな時に効くんだって、おのずと身に付いていたんですが、全国的にバスの個体数が減少傾向にある現代ではなかなかそうはいかない。
ぶっちゃけ、仮に持っていても、トップウォーターで釣ったことがないどころか、投げたことすらない人って、結構いると思うんです。
持っていても、投げたことないというより、まぁ~、釣れる気がしない、信用してないから投げないといった方が正しいかな・・・
どうやら、そういう方々にとって、トップウォーターの首振りアクションって、まぁまぁ難易度が高いテクニックであるということに気付かされました

コレには、驚かされると同時に、何とかせなアカンという危機感を感じずにはいられませんでした。
明らかにWスイッシャーの首振りであっさり結果が出るパターンを掴んでいる状況で、わざわざネコリグやダウンショット投げる必要なんて無くないですか
少なくとも私にはそう思え、普段、トップを投げることの少ない、ウチのお客様にもこの体験をしてもらおうと、自宅に大量にあるトップウォータープラグを引っ張り出し、あれこれ試行錯誤
をしているときにあるルアーが目に飛び込んできました

あっ、そうだ。コレなら簡単じゃん。そう閃いたルアー、それがコチラ・・・。

超名作です。
バグリーのスピンテールバングO


トレブルフックが3本ついているヤツの方が人気が高いと思いますが、私はこの2本のヤツとの相性が良く、かつて、かなり気に入って使っておりまして、相当な数の魚を私にもたらしてくれた思い出のルアーです。
かつて、これにドハマりしていた時期は、相当数を所有していたのですが、なぜか自宅の釣りルームから、まともな状態で発掘されたのはこの子たちを含めてたったの3体。
単純にロストするだけでなく、悲しいかな、良くも悪くもバルサボディーのバグリーは、ぶつけたり、水を吸ったりで使い物にならなくなり、廃棄して、どんどん減っていきました。

これはねぇ~、誰がやっても、もう、ホント、使うの簡単。

Wスイッシャーみたいに水平浮きではないものの、ほんの少しの尻下りでロッドでチョンとやれば、ジョボッとスイッシュ音をたてて、ダートし、大して移動せずに攻めることができる。
冷静に考えれば、ジャークゲイトのダートアクションって、余程大きなダートじゃなければ、水中でドッグウォークしているのと大差無くないですか
スピンテールミノーなら、上手くWスイッシャーの首振りアクションを出せない人でも、それに近いアクションとスイッシュ音を簡単に出せるって思ったワケ・・・。


ちょっと、脱線ですが、私所有のこのスピンテールバングOのお話、興味なければスルーしていただいてもOKです・・・。

実は、私のお気に入りがホイルフィニッシュのヤツとホットタイガーのヤツでしたが、写真のが大して使われていない状態で残っていたのは、単純にテネシーシャッドとの相性が悪かったのと、このホットタイガーが完全にハズレ個体で、二軍落ちだったからだと思われます。

このホットタイガーのどこがハズレ個体だったかというと、二つの顔を並べると良く解ります。
上のホットタイガーのリップの付け根にご注目下さい

コチラのテネシーシャッドは、通常のちゃんとした状態でリップが取り付けられているのに対し、ホットタイガーのひどいことと言ったら、ガーサスのアメリカンルアー

エポキシ樹脂がどっぷり垂れて、リップ付け根にまとわりつき、ミノーというより、もはや、ダーターの顔といっても過言ではありません。


実は、当時これには、面白いエピソードがあり、他のホットタイガーに比べて、あまりに釣れないこの個体を見た当時の仲間と実際に泳ぎ比べてみても、明らかにキレがないことに気づいてしまった私・・・。



じゃあ、なんでこんなに泳がんのかと他の個体と並べて見比べた結果、このダーター顔のハズレ個体を買っていたっちゅーワケ。
今思えば、それもいい想い出ですけどね。
そりゃあ、こんだけ顔が違えば、全く別のルアーでしょって話ですが、所詮、まだ高校生くらいの時にアメリカンルアーに当たりはずれがあるなんて知る由もなかった。
それからというもの、釣具屋さんに行っては、お目当てのルアーを見つけると、片っ端から全部見比べて納得したヤツを買うようになり、釣具屋さんにとっては、迷惑極まりない客になりましたゎ・・・


ちなみに、このスピンテールバングO、初めてその存在を知ったのは、この一冊の本からでして、これによりスピンテールミノーというものを知りました。
いまだに大切に所有しているこの本は、確か私が小学生の六年生か、中一の時に買った本で、現在では、ヘッドクォーターサポーターズクラブのメンバー様のみが見ることのできる店舗本棚に置いてあります。


この本には、シャローランニングのミノーのくくりで紹介されていたこともあり、ミノーに余分なペラが付いとるカッコ悪いルアーくらいな感覚で気にも止めてなかったのですが、当時行きつけだった釣具屋さんで、衝撃の事実を知ることとなります。

当時の釣具屋さんって、常連さんのお客さんがいつもいて、釣り談議に花を咲かせていたものでして、そのうちにお客さん同士が友達になるという図式が出来上がっていたものです。
当然、子供好きな面倒見のいい大人もいて、我々少年バサーのことを可愛がって下さりました。
中には釣りに連れて行ってくれたりとか、お古のルアーをくれたり、いろんな事を教えてくれたりとかして、私も随分可愛がってもらいました。
ある日、そんな方の中で、私的にはどうにもカッコいいと思えないスピンテールバングOがヤバいくらいに釣れるということを教えて下さった方がいたのです。
その使い方が本の情報を鵜呑みにしていた当時の私からは衝撃的でして、トップウォーターとして使うというものでして、それを聞いた時、私はにわかに信じられませんでした。

だって、リップが付いてるし、シャローランニングのミノーって本に紹介されているんだもん・・・。
今思えば、ビッグバドですら、リップが付いていることで、けったいなクランクベイトだと信じて疑わなかったチョロいクソガキだった当時の私からすれば、無理もない話です。
その方が言うには、キャストしたら、着水後、波紋が消えるのを待って、今で言うところのジャークをかました後、プカッと浮かすの繰り返しで、水面がガバッと割れるとのこと。
これが、本来の使い方なんですけどね・・・


完全に使い方を覚えた私は、その後、あんなにカッコ悪いと毛嫌いしていたスピンテールバングOを多投するようになり、それに伴い、釣果を得るようになったのですが、ここで、新たな問題が発生します。

当時の私にとって、このルアーの何がキツいって、これまた良くも悪くもバルサ製品のスピンテールバングO、悲しいことにミスキャストすると、よー壊れるんですゎ
しかも、このサイスのやつだと、私が使っていた当時のベイトリールだと大して飛ばない。
これは、お小遣いの限られた当時のがきんちょバサーの私には大問題・・・。
そんな時、また、行きつけの釣具店に集う大人たちから、悪魔の囁き・・・じゃなくて、ありがたい金の助言を聞くこととなります。
大人たちによると、ボーマーのロングAをスピンテール化すれば、ちょっとやそっとじゃブッ壊れず、しかも飛ぶぞとのこと・・・。
ようやく本題になりますが、それが、ボーマーロングAをチューンしたスピンテールロングAだったってワケ。



これが当時、いくつかチューンしたものの生き残り
プラスチックのロングAは、バグリーと違って、ミスキャストしてぶつけても、ほとんど壊れないし、そして何より当時のベイトリールでよく飛びました。
ホントは、小さいラウンド形状のペラのヤツの浮き姿勢がバングOみたいに良くて、コレより良く釣れたんですが、たぶん、ロストして自宅のボックスには残っていませんでした。
もしかしたら、実家のボックスからは発掘されるかもしれませんけどね

このデカいボス付きのペラだと立ち姿勢で浮くようになっちゃうんですが、それでもよく釣れましたよ。

ただそれだと、メガバス様のプロップダーターと大差無い浮き姿勢になっちゃうんで、わざわざチューンする意味が無くなるんですよ。
プロップダーターが出たのは、ずっと後のことだったんですが、そのころにはモデルチェンジでヒートン製のアイが付いたロングAがなくなり、ロストしても、定期的に入手しやすいこっちばかりを使うようになりました。
ただねぇ~、今回のようにWスイッシャーみたいなことをこれに要求すると、ちょっと違うんですよね~。
この浮き姿勢では、Wスイッシャーではなく、明らかにシングルスイッシャー。
ほぼ垂直にガッツリ、ボディーが沈み切った状態では、トップウォーターのWスイッシャーの浮き姿勢とは違うかな~って感じだよね~。
わずかながらではございますが、他社の国産メーカー様にもスピンテールミノーってあるんですが、いかんせん、最近の国内外のジャークベイト市場の傾向からか、11cm以上のサイズがデカいものしかない
8~9cmクラスのスピンテールミノーで、思いっきり立ち姿勢にならないものとなると皆無に等しく、これはもう、作るしかない・・・。



・・・で、マニアの方からすれば、何てもったいないことをなんて言われそうな限定生産モデルのロングA14Aをスピンテール化することにしました。


まずは、エイトリングになってしまったテールのアイを上手くブツコ抜き

想定しうるありとあらゆるヒートン、ペラ、カップ、フック、スプリットリングを組み合わせてベストバランスな設定を見つける。

いちいち取り付けると大変なんで、こうやって引っ掛けて調整すると効率がいいです。
これは今みたいに、大昔、まとまなサスペンドプラグが無かった時代にオリジナルでサスペンドチューンしていた時によくやっていた方法ですが、ルアーチューンをやってみたい方がおられま
したら、ご参考までに・・・。


・・・で、セッティングが決まったら、実際に取り付けて確認。

その後、またパーツを外して、ちょっと塗装に手を加えてカッコよく
個人的にダズラー好きなんで、魚から見えるベリー部分をダズラー処理してみました。


背中もちょっとだけ、ダズラー処理すると、ウグイの子みたいになって、カッコいい
個人的には、大好きなアメリカンなお顔も、最近の人には理解ができないそうですゎ。

ルアーの外見って、市販品のデフォルトの状態でリアルな塗装が当たり前になってしまっている今ドキな人にはとっても大事みたいです。
釣れそうだという思い込みって大事で、それによって投げてもらえる回数が増えて、そのルアーが水中に留まる時間が長くなるわけで、実際に魚に見てもらえる機会が増えることで、結果的に釣果につながる・・・。
つまり、言い方は悪いが、ヒットルアーってぇのは、口八丁手八丁で、売る側が作り出すものだと、ご商売のとってもお上手な、ミラクルな最近youtuber化している例の老害オジサン・・・おっと失礼。


例の大先生が、そのようなことをかつて言っておられましたが、確かにそれもそうで、結局は使ってもらわないと意味無いんでね。

つぅーことで、ルーターで容赦無く削って、今ドキっぽい目に変えました。

ホントは、立体のクリスタルドームタイプのアイにしようと思いましたが、多少でもバランスが狂うと嫌んなんで、シールタイプを採用。

そして、ようやく完成



光の当て方を変えるとこんな感じにロングA特有のセンタープレートが効いております。

さらに角度を変えて・・・。


2色展開

なかなかな出来に満足して、気合い入れて量産。
ヘッドクォーターサポーターズクラブのメンバー様限定で販売しましたが、おかげ様で、ソッコー完売。
ご購入いただいたメンバー様、有難うございました。

テストしまくって、間違いなく釣れるヤツなんで、使いまくって、釣りまくったって下さい

調子ブッこいて、ロングAで作った〝A”



まぁまぁ頑張ったぞ、オレ
・・・ということで、コレで終わらないのが、スピンテールミノー計画。
今回のネタはロングAでしたが、実は新たなモデルが完成しているんだな~コレが。
今年のヘッドクォーターの忘年会で発表&ビンゴゲームでプレゼントしちゃいますので、ご参加予定の皆様、是非ともゲットしてくださいね
それでは、最後までお読み頂いた皆様、かなりの長文となりましたが、最後までお付き合い頂き有難うございました

