前回の続きとなります。
所詮、私の書く文章など大して面白いことは書いていないと思いますが、お暇な方は最後までお付き合い頂けましたら幸いです
当選者のお二人が、受け取りにみえた、私が絶対的な自信を持って完成させた「ダークサイドシケーダー」。
ぶっちゃけ、今、コレを読んで頂いている方にとっては、どこの誰に当たろうと、他人の幸せなんぞど-でも良くて、知りたいのは、なぜコレが特別なムシルアーかってことだと思います
今回は、その秘密に迫りたいと思います
実は、このルアーをヘッドクォーターチューニングルアー部門の「散火竜龍」から発売する構想は2年前よりありました
補足として書かせて頂くと、この「散火竜龍」というのは、私自身が世のなかに存在する市販品のルアーのココが気に入らない、ココがこうだったらいいのに、みたいに感じたものを徹底的に身銭を削って、トライ&エラーを繰り返し、自分専用に作り上げ、いい想いをしたルアーを店頭のみで販売するために立ち上げた当店のオリジナルブランドのルアーとなります
つまり、ヘッドクォーターで普通に売っているルアーと扱いが別になるわけで、良くも悪くも万人ウケするように作られてはおりませんし、大人の事情で、まぁ~ここまででOKかといったような妥協も一切しません。
それ故に材料費と開発費にとんでもなくお金を掛け過ぎて、なかなかな金額になってしまうモノもあり、せっかく苦労して作ったのにお蔵入りになるものも少なくありません
解って頂けて買って下さる方と、製作者の私のみが、いい想いが出来れば良いというスタンスでやらさせて頂いております
ちなみにブランド名となっている「散火竜龍」は「さんぴりょうろん」と読みます。
そう、あの「賛否両論」・・・
辰年にオープンしたヘッドクォーターに御来店なさる御客様に私がイジリ倒して、世に放ったルアーが良いかどうか決めてもらって、その「良い評価」も「悪い評価」も人それぞれあって然るべきではあるものの、私にとっては「最良」になるように作ったんだから、人の評価なんて、全く気にしませんよ・・・という、クソ生意気な意味が込められております
中には、元々のコンセプト完全無視で、原型から大きく変わってしまうモノもあり、そのメーカーのデザイナー様が見たら、怒るだろうなぁ~なんていう問題作もありますよ
・・・で、今回の「ダークサイドシケーダー」
このルアーは、過去に当ブログでも何度か登場したコチラのルアー・・・。
ポーラベアシケーダーの派生型として、以前より欲しいと考えておりました
このルアーは、2022年ヘッドクォーターのオープン10周年を記念し、当店のサポーターズクラブメンバー様にプレゼントさせて頂いた特別なルアーで、私が2年の歳月をかけて、サイズも数も満足いくルアーに完成させた絶対的に自信のある一品です。
中には、悲しいことにボックスの肥やしにしちゃっている方もおられるようですが()、ちゃんと実戦投入して頂いた方には、おかげ様で、画像の魚含め、多くのモンスタークラスのスモールマウスバスを手にして頂くことができました
このルアーが目指したコンセプトは「ワーム素材、エラストマー素材のムシルアーよりもフッキング性能をアップさせ、なおかつ、ルアーとフライの融合を目指した、どこのメーカーにも無いハイブリッドムシルアー」
コストと手間は相当かかりましたが、そこの部分は、達成出来たと自負致しております
しかしながら、使っていくうちにこういうモデルが欲しいなぁ~とか急に思い立って、いつもの悪いクセが発動して・・・
そこから、派生型の「ポーラベアシケーダーマグナムコンバイン」が出来たり・・・。
マイナーチェンジの改良版「ポーラベアシケーダーフェイズⅡ」になったりで現在に至ります。
これらは全て羽に使われているのは、本物のホッキョクグマの体毛。
2017年5月6日の当ブログ内に「秘密のフェザーフック」という題名でその特徴について詳しく書かせて頂いているので、ご興味がおありの方は、改めてそちらをご覧ください
ザックリとだけ書かせて頂くと、その光り方もさることながら、ムシルアーの羽に採用するにあたり、非常に都合が良かったのは、この細い毛が中空である点
この特徴のおかげでご覧のような浮力が得られるわけです
ところで、この浮き方、ムシパターンに造詣の深い方だったり、ガチなフライフィッシングのご経験のおありの方なら、惚れ惚れするような理想的な浮方だと思います
だから、ホットケで爆発的に釣れるんですよ
SNSとかで、キモを書いちゃうとメーカー様によっては、御迷惑をお掛けする危険もあるので、あえて書きませんが、所詮、ほぼ全くと言っていいほど、世間一般アングラー様にとっては、無名で影響力の無い私が書くことですからね。
シークレット中のシークレットの部分が知りたい方は、ヘッドクォーターで直接お聞きください
このホッキョクグマの体毛は、もちろんのこと白。
ホッキョクグマは別名シロクマとも言われますから、当たり前のように白。
厳密には透明なんですけどね。
そりゃあ~ポーラベアシケーダーシリーズの羽は、みんな白になりますわな
ところがです
コレはコレで、確かにメチャ釣れで、非常に良かったんですが、私としては、ある疑問を抱いたことをきっかけに白以外の羽も欲しくなりました。
ムシの羽って、白だけでは無いし、そして何より、魚の目線に立って考えた場合、逆光の場合、羽の光が太陽の光に溶け込んで、羽として認識しずらいんじゃないかっていう疑問を感じ始めたのがそのきっかけです
どうやら、魚から見て、ポーラベアの毛は、相当魅力的に光っているらしく、魚の出方を観察していると、ルアーのボディーに直接アタックする時の他に、そこそこの頻度で羽を咥えようとするヤツがいることに気が付きました
それ故にフッキングがきまらないというケースがあり、これではフッキング率を下げることになるわけで、それでは本末転倒となってしまいます
更に疑念を抱いたのが、逆光の時で、陽の光を透過させることで、白く光る構造色を持つポーラベアの体毛って、晴れた日に太陽光に溶け込んだら、もしかしたら、魚から見てボディーの部分しかしっかりと見えないんじゃないか、そうなると、ただの楕円形の塊が浮いているに過ぎないので、魚にとったら、魅力的な喰えそうなムシに見えないんじゃないか、そう思い始めました
そうなると、居ても立っても居られなくなり、まずは、フライフィッシングの考え方という原点に戻り、シルエットのくっきりする色のマテリアルをいろいろ探して、試したもののどれもしっくり来るものが見つからない
なぜなら、その特徴である浮力が得られず、ルアーを浮かした感じがしっくり来ない。
ポーラベアを黒く染めたものもありましたが、所詮、人間の手によって染めたものに過ぎず、何ともわざとらしい
しっかりとした浮力を持ちつつ、魚から見て逆光の際、その存在をハッキリとしたシルエットで魚に見つけてもらえるベストなマテリアルってないものか・・・・・
そんなこんなで、悶々と時は過ぎたのですが、ある時、運命的なマテリアルがあるのを偶然知ることとなり、事態は急展開を見せ、そのプロジェクトは急速に進みます
それが、この「ヒグマヘアー」
「ヒグマ」そう、あの恐ろしい「グリズリーベア」の体毛です。
実はこの「ヒグマ」、つまり「グリズリーベア」と「ポーラベア」は、極めて近い種類のクマらしく、地球温暖化が進んでいる現在では、「グリズリーベア」と「ポーラベア」の生息域の境界線が曖昧になり「ハイブリッドベア」なる双方の交雑種が誕生して問題になっています
生物保護、地球環境保全の観点からすれば、確かに「ハイブリッドベア」の問題は非常に厄介なのですが、この極めて近い種類というのが、フライマテリアル的には好都合
何も隠そう、この「ヒグマヘアー」、実は「ポーラベア」と同じ中空構造を持つ獣毛でして、それ故に浮力が得られ、尚且つ部位や個体差によって「黒」「こげ茶」「金色」と色んなバリエーションを持つ、フライフィッシング業界では、近年、注目のフライマテリアルだったりします。
・・・・・とまぁ~エラそうに書いていますが、いつもお世話になっている某フライショップ様に教えて頂いたことの受け売りですけどね
しかしながら、そうとなれば、話が早い
「ポーラベア」ほどでは無いにせよ、流通量的には決して多いわけでなく、価格的にも高価な「ヒグマヘアー」のしかもルアーの羽に使えそうな部位の黒い色というベストな部分をギョーカイのコネを使って何とか手に入れ、取りあえず、テールフックとルアーの羽になる部分をタイイング
おぉぉぉ~、なかなかいい感じ
ただやってみて解ったのは、いくら近い種類のクマとはいえ、体毛の生え方が絶妙に違うこと。
イヤラシイ話、1枚のシートから羽なり、テールフックなり、作ろうとすると「ヒグマ」の方が量的に沢山いるし、使いにくい縮れた部分が多くて、タイイングしにくくて、メンドクサイ
このご時世、こんなことを書くと多方面から怒られるかもしれないが、若い女の子のアンダーヘアーなら許せるけど、なんか、ジジィの陰毛みたいで気持ち悪いという気がしないでもない
ただ、ヒグマの毛自体のこの感じとこの張りならば、絶対にイケるという確信をもって、シルエット的に自己主張の強そうなカラーのボディーに組み込んでみる・・・。
間違いない 釣れる
更には魚から直接見えるベリーの部分もより明暗の「暗」の部分が強調され、逆光時にもシルエットが際立つようにリペイント。
ぶっちゃけ、コレがまぁまぁメンドクサイ
こんな感じ
ウン、コレ、間違いなく、絶対釣れるヤツ
表側は、人間が釣れるヤツだったりするかも・・・
この子の裏面は・・・
このカラーパターンで・・・
この子の裏面は・・・
このカラーパターン
どっちも下から見上げれば、その存在感抜群のクッキリシルエット
オリジナルの「ポーラベアシケーダー」と並べると一目瞭然
光を纏った「ポーラベア」の羽を持つ「ポーラベアシケーダー」とシルエットを強調した黒い「ヒグマ」の羽を持つ「ダークサイドシケーダー」。
光の「ポーラベア」に対し、影の「ヒグマ」。
ヘッドクォーターチューニングルアー部門「散火竜龍」のシケイダーシリーズにおいて「ブライトサイド」が「ポーラベアシケーダーシリーズ」だとするならば、新作は文字通りシケイダーシリーズの「ダークサイド」。
だから「ダークサイドシケーダー」
ご覧のように、とんでもなく理想的な浮姿勢で、もはや、釣れる気しか無い
実釣テストも予想された通りの上々の結果にしてやったり
実際に釣ってみて解ったのは、「ポーラベアシケーダー」に比べ、アタックの数は少ないものの、ミスバイトが少なく、小さい魚の横からデカい魚がすっ飛んで来て横取りすることがあったりと既存モデルとは異なる釣れ方に狙い通りに仕上がったことを確信致しました
また、ベリーフックに掛かる率が非常に高く、バラシがほぼ無いのも特徴で、シルエットがハッキリしてることにより、魚から見て目標物を定めやすく、その出方からしても、完璧にルアーをガッツリ喰いに来ているという印象を受けましたね
単刀直入に言えば、狙い通りのムシルアーが完成したということです
とは言え、じゃあコレばっかり投げてればよいのかと言うとそういうことではない
シルエットがクッキリして目立つということは、その分スレやすいということにも繋がるわけだし、逆にややローライトの時にはかえって見つけてもらいにくいという面も忘れてはいけないとおもうんです
良い面があれば、悪い面があるし、表に光が差す面があれば、日陰になる面もある、物事はすべて表裏一体で、ムシルアーも「ブライトサイド」と「ダークサイド」があって、それを使い分けてこそ、フォース・・・じゃなくて、釣果にバランスをもたらすということですな
当選者のお二人も、仮に1投目にデカいの釣れちゃったりしたら、そればっか投げちゃうって、釣人あるあるなんですけど、そんなバカの一つ覚えみたいなことやってると結果的に釣れるものも釣れなくなるという「散火竜龍シケイダーシリーズ」のダークサイドに足元掬われますので注意が必要ですよ
手に入れた新たなる武器「ダークサイドシケーダー」を自在に操るフォースを駆使し、その暗黒面にとらわれることなく、バスとの知恵比べに勝利をもたらして下さいね・・・
さぁ~て、こんな超大作を最後までお読み下さったアナタにとっておきの情報
ここまで読んで「ダークサイドシケーダー」欲しくなっちゃった方って、絶対におられると思うんですよね。
そんでもって、コレ、当然のごとく、ヘッドクォーターでしか買えないルアーです。
そこで、ここだけの情報なんですが「ダークサイドシケーダーには2色あって、それぞれ各2体の計4体が存在しており、うち2体は私の専用機で、残りはお二人にプレゼントしたもの。
・・・と言うことに表向きはなっているのですが、ユニコーンガンダムに「ユニコーン」「バンシィ」に続いて、実は「フェネクス」が存在したように、どうやら3号機が存在するらしいんですよ
で、その3号機、この1号機、2号機以上に完璧な仕上がりを持つ個体らしく、今週末の土日のどちらかで、コッソリ店頭に並ぶらしい
独自に入手したコレがその3号機の画像
人間からの視認性をアップさせるべく、インジケーターがデフォルトの状態で装着されていて、更に一手間かかっているのが特徴で、視力の悪い方にもどこに浮いているのか一発で見つけられるよう改良されております
土曜日、日曜日のどちらの何時に店頭に並ぶのかは、その時の運次第です
上手く見つけた方、その一期一会のルアーとの出会いを大切にして頂いて、お気に召したら、連れて帰ってあげてくださいね。
そうしたら「ダークサイドシケーダー」が、きっとあなたにもデッカイ、スモールマウスを連れてきてくれると思いますよ
大変、長文となりましたが、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
~フォースと共にあらんことを。~