『カメレオン』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『カメレオン』


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【出演】
藤原竜也、水川あさみ、塩谷瞬、豊原功補、波岡一喜、柄本佑、菅田俊、萩原聖人、平泉成、谷啓、犬塚弘、加藤治子、岸部一徳


【監督】
阪本順治




“いたずらに時間だけが過ぎていく……”




カメレオンのようにいくつもの顔を持つ野田伍郎は、何の疑いも持たれず安い詐欺を繰り返し、金を奪ってきた。


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そんな色のない世界に紛れるように生きる伍郎。


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ある日、仲間たちといつものように結婚詐欺に成功した帰り道で……偶然、政府要人の拉致現場を目撃してしまう。

それが原因で命を狙われるようになり、仲間たちが次々と殺されていく。

消えていく仲間たちと伍郎の居場所。


伍郎が街で知り合った占い師の小池佳子も事件に巻き込まれてしまい……。


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ゆっくり危険な色を身に纏い、怒りに震えた伍郎の復讐がいま始まる!


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「右手一本で、待ってる」


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若きアウトロー・伍郎とその仲間が、国を揺るがす大事件の重要参考人の拉致現場を目撃したため、闇の組織に狙われる姿を描くクライム・アクション。



元々は、松田優作の‘遊戯シリーズ’第2弾『カメレオン座の男』のタイトルで、丸山昇一が脚本を書き下ろして企画されたもの。
(藤原竜也が演じた役を優作が演じていたかもしれないのだ)



前半はちょっとかったるい展開だが、中盤以降は一気に加速する。

ド派手なアクション、カーチェイス、逃走劇、逃避行、悲劇、アジトへの突入、銃撃戦、そして最後は国会での報復と、息つく隙を与えない。


ラストでは伍郎が国会に乗り込んで証拠写真を議員たちにばらまくシーンで、左手が義手だったことが判明する。
ん?伍郎は一体いつ左腕を失ったのか???
それに関しては一切の説明はされないままなのだが、銃撃を浴びて崖下に転落した際、左腕に致命的ダメージを負い切断?!

そういえばその前の敵のアジトに殴り込むシーンでは、右腕一本で戦っていたような?



ハードボイルドというよりも主人公の伍郎と仲間たちによる青春群像劇の要素の方が強いかも。
優作の映画で例えるなら『あばよダチ公』的な感じでしょうか。



藤原竜也は激しいアクションも自らこなし、かなり様になっている。

しかし、この作品が優作の主演が前提として書かれたと考えると、どうしても‘あぁ、これが優作だったらな……’と想像しながら観てしまうのは、藤原竜也に失礼か?!

ドレッドヘアーにサングラス、ヒゲに黒ずくめの衣装とワイルドな雰囲気を醸し出してはいるものの……あのベビーフェイス故にちょっとした違和感は拭えない。
だが、さすが演技派。見せるところは、しっかりと見せてくれます。

桂子が銃弾に倒れ、自分も撃たれて転落した後の怒りに燃える表情と目の演技は、凄いの一言。