『おろち』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『おろち』


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【出演】
木村佳乃、中越典子、谷村美月、山本太郎、嶋田久作、大島蓉子、エド山口


【監督】
鶴田法男




“美の崩壊は、女の最期。29歳を過ぎると、姉妹は壊れ、狂い始める……”




人の世を彷徨い、人間の心の闇を見つめてきたおろちが家政婦として潜り込んだ名門一族の門前家。


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門前家には、一草、理沙という幼い姉妹がいた。

その母親である門前家の女主人・門前葵は自信に溢れた銀幕の大女優で、いつも自宅の試写室に篭り自分が出演した場面を繰り返し見ては満足そうに笑っていた。


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しかしある日、葵は試写室のスクリーンに映る自分の顔を見て青ざめる。

そして、階上にある‘決して開けてはいけない部屋’に駆け込んだ。


代々、門前家の女は29歳になると美しい顔が醜く崩れ落ちる運命にあるのだ。


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そんな美しい女の悲しい運命を、おろちが見つめていた……。


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そして20年後、一草と理沙が間もなく29歳を迎えようとしていたとき、理紗は死にゆく母親の口から、もう一つの門前家の重大な秘密を打ち明けられて……。


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人の心の闇に潜む心理的恐怖を描いた怪奇ミステリー。


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おろちはあくまでも狂言回し的キャラクターで、物語の軸になるのは、美への凄まじいまでの執着心が、美しい姉妹を悲劇へと導く……哀しくも残酷な運命。


門前家の血を引く女は、29歳になるとまずは額に醜い鱗のような痣ができ、次には指先に……やがてそれが徐々に全身に広がってゆき、まるで化け物の姿となって醜く死んでしまう。



木村佳乃が清楚なイメージをかなぐり捨てて傲慢で怖い女を熱演。(かなり強烈!)

ところがある意味でそれよりも怖いのが中越典子。

この美人姉妹の壊れっぷりは凄すぎでした。


そんな姉妹の運命を残酷に傍観するおろちをクールに演じる谷村美月がとても魅力的。


ただ、女優陣の鬼気迫る演技以外は、さほど観るべきところはなし……の内容でした。