『悪夢のエレベーター』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『悪夢のエレベーター』


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【出演】
内野聖陽、佐津川愛美、モト冬樹、斎藤工、小西遼生、池田鉄洋、長澤つぐみ、芦名星、本上まなみ


【監督】
堀部圭亮




“ワケあり4人がエレベーター。でもこの状況、なんかヘンだ?”


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「いってぇ……」

小川順が鈍いアタマの痛みに気が付いたら、緊急停止したエレベーターに閉じ込められていた!


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非常ボタンは通じないし、携帯電話は電池切れ、泣けど喚けど助けは来ない……。


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しかも偶然乗り合わせた3人は、街で出会っても絶対に友達にはなれなさそうな胡散クサイ奴らばかりだ。

柄モノのシャツにゴールドのアクセサリーという‘如何にも’な恰好をした男は、刑務所帰りらしい……でも実は。

バッタみたいな全身黄緑色のジャージに身を包んだ男は相手の過去が見えるという超能力の持ち主らしい……でも実は。

そして、黒ずくめで無表情なゴスロリ少女は、イジメを苦にして今から飛降り自殺を図るのだそうだ……でも実は。


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小川はとても焦っていた。
家では妊娠中の妻が、今にも子どもが生まれてきそうなお腹を抱えて、俺の帰りを待っている。

‘こんなところで、こんな……浮気相手のマンションのエレベーターの中で止まっている訳には……’


そんな小川を尻目に、ゴスロリ少女が、
「生まれてくる子どもがかわいそう」


もしも、万が一、エレベーターから出られなかったときのことを考えて、小川は妻への気持ちを少女が所持していたボイスレコーダーに遺すことにしたが……。


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「でも……あれ、ちょっと待てよ。何かおかしくないか?俺たち、何でこのエレベーターに乗り合わせたんだろう?」

3人の顔を交互に見つめながら、小川は‘或る事’を思い出し……。

「ヘンだ!絶対ヘンだよ!だって、あんたは……」




予測不可能な展開に、笑って怯えて騙されるサスペンスコメディ。



エレベーターに閉じ込められてしまった何だかワケあり気な男女4人。

目を覚ました小川の前には……関西弁のヤクザ風な男・安井、ジョギングに出るところだったという気の弱そうな男・牧原、寡黙で不気味な雰囲気のゴスロリ少女・薫。

助けを呼ぶ手段のない非常事態!
しかし、なぜかお互いの秘密を暴露しあっていくことに!?

やがてわかってくるそれぞれのワケ。

そして、閉ざされた空間の中、ある謎に気が付いたとき、遂に悪夢のような事件が起きる!

ところが、扉の外では更なる悪夢が待ち受けていたのだ!


男女4人が繰り広げる笑いと恐怖の人間模様をスリリングに描いていて、シチュエーション、4者4様のキャラ設定も絶妙。

嘘と本音、虚構と真実が入り乱れる予測不可能な展開に騙されることは必至です。



エレベーターの中での展開が終わると、一気に謎解きへと話は進む。
前半の密室での重要なことを一人一人告白し、「なるほど」と思わせておきながら、後半のあっと驚く展開と謎解きには、完全に騙された!


はじめはエレベーターに閉じ込められた人たちのアタフタする姿を描いたシチュエーションコメディなんでしょ……と思って観てました。

このエレベーター内のシーンは演劇チックで何となくグダグダしてて、ちょっと退屈。
これが延々続くのか、ちょっとキツいなぁ……ところが、その予想は見事に裏切られた。

後半は一気に加速!
あれよあれよと思いもよらぬ展開へと突入していきます。

観終えた後の騙された感が妙に心地良い佳作。