
【出演】
草剪剛、新垣結衣、大沢たかお、武井証、筒井道隆、夏川結衣、香川京子、中村敦夫、吹越満、波岡一喜、菅田俊、織本順吉、小澤征悦
【監督・脚本】
山崎貴
“守ることが愛することだった。
祈ることが愛することだった”

現代の春日市。
ある日、小学生の川上真一は‘川上’という名前が付けられている大きな木の下の土の中に埋まっていた古い手紙を発見する。
すると突然、意識を失い……。
一方、戦国時代の天正二年、春日の国という小国での話。

無敵を誇り‘鬼の井尻’という異名をとる武将・井尻又兵衛は、ある日の戦の中で一瞬の隙から命を落としそうになるが、ひとりの少年が突如として現われたことで、からくも救われる。

それは……タイムスリップしてきた真一であった。
ずっと先の未来から時間を越えてやってきたという真一の話を信じることができない又兵衛だが、とりあえず真一を城に連れて帰る。

城主・康綱の命令により、真一の面倒を見ることになった又兵衛。
最初は疎ましがっていたものの、素直な真一と過ごすうちに又兵衛も心を許していき、いつしか真一と又兵衛の間には奇妙な絆が生まれていった。


そんな中、北関東の大名・大倉井高虎が、康綱の一人娘・廉姫に婚儀を申し込んできた。

廉姫が大国の大名である高虎のもとに嫁ぎ、後ろ盾ができれば春日の国は安泰となる。
幼い頃から共に育ってきた又兵衛と廉姫は互いに想いあっていたが、それは身分違いの叶わぬ恋……ふたりは互いの想いを胸にしまいこむのであった。
その頃、姿を消した真一を探していた父親の暁と母親の美佐子も戦国時代にタイムスリップしてきて、真一たち家族は再会を果たす。

だが、真一たち家族の出現は、思わぬ結果をもたらすことになった。
高虎は春日の国に大軍を送り込み、戦となる。

又兵衛は春日の国を、そして廉姫を守るために出陣するが……。

戦国の世、身分が違いながらも想いあう武将と姫。現代からやってきた少年との出会いが、ふたりの運命を変えていく姿を描くハートフルファンタジー。

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ戦国大合戦』の実写版リメイクということですが、オリジナル版を知らないので、先入観なしで楽しめました。
真一は‘しんのすけ’みたいなおちゃらけキャラなのかな~と思っていたら、ちょっと気が弱いけれど純粋無垢な少年にキャラ変更されています。
この真一の成長物語を軸に、又兵衛と廉姫の悲恋物語や時代の違う人間同士のふれあいが、時にコミカルに、時に切なく綴られていく。
戦に勝ち、又兵衛と廉姫が遂に結ばれるかと思いきや……そこには哀しい結末が待っています。
ラスト、現代に戻ってきた親子が山の上にある城跡で見つける古びた石碑。
そこには廉姫からのメッセージがこう彫られてあった。
‘ありがとう’
そして感動のエンドロールへ!
勇猛な武将ながら女性にはウブな又兵衛を草剪剛好演。
美しく凛とした雰囲気の廉姫の新垣結衣は、とても魅力的で超可愛い。
また傲慢な敵将・高虎役の大沢たかおの凄みある演技もよかった。
ちなみに真一がタイムスリップをして鎧姿の武士を目にした瞬間に発する一言は……
「お祭り?」
この台詞は『戦国自衛隊』へのオマージュ?……てことはないか


『戦国自衛隊』では、初めて武士を目にした自衛隊員の三浦洋一が立ちションをしながら、「お祭りやってんのかな?」というシーンがありましたが(笑)。
それから未来から来たことを証明するために真一が取り出すのは~~ケータイ。
このあたりは『時かけ』と重なります(^^;