
【出演アーティスト】
ジミ・ヘンドリックス、ザ・フー、ジャニス・ジョプリン、サンタナ、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、ジョー・コッカー、ジョーン・バエズ、アーロ・ガスリー、リッチー・ヘブンス、カントリー・ジョー・マクドナルド、ジョン・セバスチャン、ジョーン・バエズ、ジェファーソン・エアプレイン、カントリー・ジョー・アンド・ザ・フィッシュ、クロスビー、スティルス&ナッシュ、ポール・バターフィールド・ブルース・バンド、シャ・ナ・ナ 他
【監督】
マイケル・ウォドレー
“1969年8月15日から3日間、NY郊外ベセルの丘は、全米から押し寄せた40万人を超える若者により文字通りの〈解放区〉となった!
愛と平和と音楽の祭典……ウッドストック”

1969年の8月15日~17日にかけて、NYにほど近いベセルの丘で開催された伝説の一大ロックコンサート‘ウッドストック’。

これは単なるコンサート・イベントなどではなく、愛と平和と音楽の祭典、激動の時代の若い魂の解放の宴だった!
各アーティストのステージを活写すると同時に、全米から押し寄せた40万人以上もの若者たちの会場で自由を求める姿をも収めたドキュメント。

マルチ画面を多用し、ウッドストックの全貌を約4時間に渡って映し出します。
とにかく人、人、人……。
当初は2~3万人と予想していた観客は、徐々に膨れ上がり最終的には40万人強に!
しかもチケットを持たずに来た奴らがほとんどで、急遽無料コンサートに変更するというドタバタ劇。
死者3人、負傷者5000人、なんと出産も2件を記録!
映画は何もないだだっ広い農場にステージを設営するところから始まる。
その会場に続々と集結してくる若い男女たち。(時代を反映しておりヒッピー風の連中が多い)
道路は大渋滞で、参加ミュージシャンはヘリに乗っての会場入り。
ステージ・パフォーマンスの合間合間に、客の表情とインタビュー、近隣住民の声、スタッフが動き回る様子、更には警察官や簡易トイレを清掃する業者のオジサンの姿など、様々な人間模様を丁寧に描写。
地元住民は、
「彼らはあんな格好をしてるけど、みんないい連中だよ。不快な思いはしていない」
しかし会場内では……犯罪は起こらないものの、酒をあおり、マリファナを回し吸いしてラリる輩が続出!
その他にも全裸で歩き回るヤローや水浴びをする男女、草むらでセックスをするカップル(ほとんど盗撮?)……と、そこは正に‘自由な空間’。(でも、面白いことに一定の秩序は保たれてもいる)
食料は不足し、公衆電話には長蛇の列。
「ここは楽園だよ。サイコーだ」
と超エンジョイしている男に対して、
「もうこんなところは嫌!早く帰りたい」
と号泣する女の子。
このシーンは、かなり笑えました。
一方、主催者側は、
「無料にしちまったから、大赤字だよ。でも金なんか問題じゃないな。見ろよ、この熱気!スゲーだろ」
途中に豪雨に見舞われるなどのハプニングの中、各ミュージシャンは熱いステージを披露。
ジョー・コッカーは若い時から壊れたロボットみたいにギクシャクした動きをしながら歌っていた!

サンタナはまだ無名時代だったらしい。

ザ・フー、最高!
(「シー・ミー・フィール・ミー」と「サマータイム・ブルース」を収録)
ロジャー・ダルトリーが超カッコイイ!
ピート・タウンゼンドは~お馴染みのウィンドミル奏法、最後にギターを叩き壊すパフォーマンスも、もちろん見せてくれます。

ジャニス・ジョプリンの歌声には痺れた!

そして……トリを飾るは~~ジミヘンだ!(なんと夜明けに登場)

「星条旗よ永遠なれ」~「パープル・ヘイズ」へと続く流れは興奮もの!


ただ……3日目の最後の最後とあってか、寝不足と疲労でグッタリしている観客が目立ちましたが?(笑)。
ラストは、もの凄いゴミの山を片付けるスタッフの姿。
驚いたのはエンドロールに撮影担当で、まだ有名になる前のマーティン・スコセッシの名前があったこと。
これが後に、ザ・バンドの『ラスト・ワルツ』やストーンズの『シャイン・ア・ライト』に繋がっていくワケですね。
ロック好きなら一度は観ておきたい究極のライヴ映画でした!