
【出演】
綾瀬はるか、青木崇高、仲村トオル、石田卓也、大後寿々花、福士誠治、光石研、田口浩正、市毛良枝
【監督】
羽住英一郎
“試合に勝ったら、先生がおっぱいを見せてくれる!?”
舞台は1979年、北九州。
23歳の寺嶋美香子は、戸畑第三中学校に赴任してきた新任教師。
彼女は中学生の時に1人の教師に出会ったことがきっかけで国語の教師になったものの……。
前の学校でのある事件で生徒の信頼を失い……「嘘つき!」とまで言われ、教師という仕事に絶望していた。
‘新天地での再スタート!’
朝礼での新任挨拶で全校生徒を前に……
「私が好きな本は‘道程’です。‘道程’が大好きです!」
その言葉に敏感に反応したオバカ生徒5人がいた……。
「童貞!?童貞が好き!?おおおーーー!」
彼らは‘バカ部’呼ばわりされている男子バレーボール部員。
そんな男子バレーボール部の顧問を任されてしまう美香子。

バレーの経験はないものの意気込んで部室に入ると……そこにいたのは、例の5人。
彼らはやる気もなければ、バレーボールすらまともに触ったことのない、まさに廃部寸前状態だったのだ。
しかも頭の中は女の子のことばかり。
「本物のおっぱいを見てみたい、触ってみたい」
常にエッチな妄想にふけっているオバカ集団だった。
美香子は彼らのやる気を出すために、
「試合に勝ったら何でもするから!」
と宣言。
「何でもするよ。何がいい?」
すると……なんと、
「じゃあ、先生のおっぱいを見せてください!」
「………………え?」
「試合に勝ったら、先生のおっぱいが見たいです!」
成り行きで、あり得ない約束をさせられてしまった!
夢のような約束を手に入れた部員たちは‘おっぱい’のために、今までとは別人のようにバレーの練習に打ち込んでいく。

「みんな一生懸命だし、もうおっぱいなんかどうでもよくなったでしょ?」
「全然!」
「………………」
とても守れるはずもない約束をあてにして頑張る部員たち。
その一方で、美香子は「おっぱいは見せたくない」が、部員たちに「勝つ喜びを教えたい」という気持ちは日増しに強くなる。

矛盾する想いに悩みながらも、美香子は目標に向かって一生懸命頑張る部員たちと向き合い、信頼関係を築いていく中で次第に教師としての自信を取り戻してゆく。

そして遂に大会の日。
戸畑三中の初戦は……相手が棄権したために、なんと‘不戦勝’に!
先生のおっぱいが見れると大喜びの部員らは早速……
「じゃ、お願いします!」
「え?」
「勝ったから~おっぱい!」
「不戦勝じゃない!」
「でも勝ちは勝ちでしょ」
「そんな……」
美香子先生、大ピンチ!
ところが、ひとりの部員が、
「やっぱり本当に勝たないと意味がないよ。すっきり勝たないと先生だっておっぱいを見せれないよね?そうですよね?」
「え?……そ、そうよ」
「よーし、今度こそおっぱい見るぞー!」
部員たちの士気はますます上がってしまった。
だが、2回戦を間近に控えたある日、‘おっぱいの約束’が学校に知られ大問題に。
「一人前の教師になって恩師に報告したい」
という想いとは裏腹に、取り戻しつつあった自信をまたもや失った美香子。
しかし、亡き恩師の墓前で夫人から思いもよらなかったある事実を聞かされて……。

果たして、生徒たちは試合に勝って、先生のおっぱいを見ることができるのか?
そして美香子は、教師として生徒たちに何をしてあげられるのか?
‘おっぱいの約束’から始まった青春物語は、それぞれの目標に向かって一生懸命な美香子とバレー部員たちの想像もつかない成長物語に変わっていく!
「私のおっぱいを見るために頑張りなさい!」
‘ありがとう!おっぱい先生’

思春期ど真ん中の弱小バレーボール部員たちが「おっぱいを見る!」という、ただ1つの目標に向かって、笑いあり、友情あり、涙ありで成長していく姿を描いたフィクションのような実話の映画化。
一度は教師という職業に自信を失いかけながらも、必死に頑張る生徒たちと向き合うことで、ともに成長していく美香子先生。
一方、ただのオバカな連中かと思いきや、実はちゃんと将来のことを真剣に考えている生徒たち。
ラスト……彼らは、学校を去る美香子に手紙を送ります。
その内容が何とも愛らしくて微笑ましい?
密かにあんな練習をしていたなんて……。
合宿中、夜中にこっそりテレビで「11PM」を見る部員たちのシーンが可笑しい。
「俺、初めて見るよ~!」
と、みんなワクワクしていると……画面には‘大人のマル秘スポット特集’のスーパーが!
「おーーー!スゲーー!大人のマル秘スポットだってよ!」
ところが無情にも……
「本日は釣り場のマル秘スポットの特集です」
「…………釣り特集?…………」
70年代後半が舞台とあり、当時のヒット曲が挿入歌として多数使用されています。
オープニングでは、ピンクレディーの「渚のシンドバッド」が。
その他には~チューリップ「夢中さ君に」、ユーミン「ルージュの伝言」「卒業写真」、杏里「オリビアを聴きながら」、矢沢永吉「ウイスキー・コーク」、浜田省吾「風を感じて」、甲斐バンド「ヒーロー」、ツイスト「燃えろ!いい女」。
そしてエンディングでは、キャンディーズの「微笑みがえし」に、フィンガー5の「個人授業」。
また、なにげなく架空の映画のポスターが(タイトルは『エビ星人の逆襲』)貼ってあったりなど小道具にも凝っている。
笑えて、ホロリともさせられて、爽やかな後味が残る青春映画でした。
※綾瀬はるかのおっぱいを見るためなら、死に物狂いで頑張るよなぁ……男子なら(笑)。