
【出演】
前田航基、前田旺志郎、オダギリジョー、夏川結衣、阿部寛、長澤まさみ、原田芳雄、大塚寧々、樹木希林、橋爪功、内田伽羅、田山涼成、入江雅人、リリィ、高橋長英
【監督・脚本】
是枝裕和
“家族が一緒に暮らすこと。
そんた当たり前が、ぼくたちには奇跡だった”

離婚した両親が仲直りし、ふたたび家族4人で暮らす日を夢みる航一。
大阪を離れ二つに別れた家族。
航一は母親、祖父母と鹿児島で、弟の龍之介は父親と福岡で暮らしている。
航一は龍之介と頻繁に連絡をとっては、家族を元通りにする方法に頭を悩ませていた。
「また4人で暮らしたいんや」

そんな中、鹿児島や博多は九州新幹線全線開通で沸きに沸いていた。
開業式の日、博多から南下する‘つばめ’と鹿児島から北上する‘さくら’、二つの新幹線の一番列車が行き交う瞬間に奇跡が起きて願いが叶う。
そんな噂を聞きつけた航一と龍之介は、まさに「奇跡」を起こすための壮大で無謀な計画を立て始める。
その計画は、航一、龍之介とその友達だけでなく、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんから、おじいちゃんの友達、友達のお母さん、学校の先生、見ず知らずの老夫婦までをも巻き込み……様々な人々に思いもよらない「奇跡」を起こしていくのだった!
もう一度、幸福な家族を取り戻すため、奇跡を信じた幼い兄弟。
航一と龍之介に果たして「奇跡」は起きるのだろうか?

離れて暮らす家族の絆を取り戻すため、奇跡を信じた子供たちと、彼らを見守り、翻弄され、癒されてゆく大人たちの想いを描いた人間ドラマ。

両親の離婚を経験し、離れ離れに暮す兄弟が、小さな反逆を企てながら、成長するまでの物語。
福岡と鹿児島は、幼い兄弟にとっては遥か遠い町。
鹿児島に引っ越してきた兄・航一は、火山灰が降り注いでも全く気にしない街の人々が不思議で仕方ない。
「意味、わからん」
唯一の理解者である筈の弟も少しずつ自分から離れていくように感じている。
そんな航一が、最後には、ベランダで風向きを調べて……
「今日は灰は積もらんな」
今ある世界を受け入れて生活していこうという決意が見て取れるエンディングです。
子供たちの視点から家族のあり方を鋭く問いつつ、少年少女7人が一泊の旅に出る『スタンド・バイ・ミー』的冒険が綴られていく。
タイトルはストレートに『奇跡』。
果たしてどんな奇跡が起こるのかと思いきや、いかにも映画っぽい非日常的な‘奇跡’など何も起こりません。
しかし、ささやかだけれど愛おしい‘小さな奇跡’が、たくさん詰まっている映画です。
新幹線がすれ違う時に願いを唱えれば、それが叶う……子供たちはその瞬間、必死にそれぞれの願いを叫ぶ。
航一と龍之介兄弟の願いは勿論、「また家族4人で暮らすこと」なのに……実は全く違う願いをしていたことが後で分かります。
この世界は、何でも思い通りに願いが叶う訳ではない。
ふたりは冒険をキッカケにそのことに気付いてしまう。
それが大人の第一歩へと踏み出す成長となり、今いる自分の世界を守るために現実的な願いをするのです。
ある意味、初めて知った挫折とも言えるかもしれない。
でも、兄弟はたとえ離れ離れでも力強く生きていくであろうことを示唆する清々しいラストシーンになっています。
7人の子供たちのやり取りが非常にリアル。
これは脚本を渡さず、当日にシーンの説明と台詞を是枝監督が口頭で伝えたため。
その結果、虚構とドキュメンタリーの境目が曖昧となり、独特の世界観が出来上がっています。
『てっぱん』でも好演していた前田航基が、自然で素晴らしい演技を披露。(この子、メチャメチャ上手い!)
ちょっと小太りのオッサン臭い体型が、妙に可愛い?(笑)
弟役の(ていうか、リアルに弟だけど)前田旺志郎の天真爛漫さも好感がもてる。
ただこのふたりの父親がオダギリジョーって……イケメンすぎて違和感が


それと出演シーンは僅かながら、優しい先生役の長澤まさみもよかった!
笑っちゃったのが、ショートバンツ姿の先生を眺めていた航一たちが……
「先生、裸足だ」
「あれは‘生足’って言うんだよ」
「‘生足’かぁ……」
そして、ウットリしながらおもいっきりガン見(笑)。
あと女優を目指す女の子役で出ていた美少女。
誰なのかと思ったら……なんとモックンの娘(内田伽羅)だったんですね。(道理で美形なワケだ)
ということは~‘おばあちゃん’と共演していたことになる!
