『スクールデイズ』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『スクールデイズ』


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-es~07.jpg


【出演】
森山未來、田辺誠一、山本太郎、鶴見辰吾、いとうまい子、田口トモロヲ、松尾スズキ、小林且弥、金井勇太、忍成修吾、水川あさみ、市川由衣、上地雄輔、寺島進、下條アトム、小池栄子、愛川ゆず季、新田恵利、塚本高史、虎南有香、鈴木清順、石坂浩二、夏木陽介


【監督・脚本】
守屋健太郎




“青春ってイタイことだらけ”




「普通の子供に戻りたい」

それが8歳の相沢晴生が下した決断だった。

0歳で芸能界デビューし、天才子役の名をほしいままにしてきた。

CM出演、大河と月9の掛け持ち……など大人気の日々。

しかし、3歳でノイローゼになるような異常な環境に加え、ステージママの母親と学業を優先させたい父親が、晴生の教育方針をめぐって激しく対立。

晴生は世間に惜しまれながら電撃引退した。


それから8年。

普通の子供に戻った晴生だったが、生活はサイアクだった。


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-es~09.jpg


家族は以前にも増して崩壊しており、豆腐健康法にのめり込む母親や、浮気に忙しい父親との間に会話はない。


高校では、同じクラスの間山のパシリとしてこき使われる毎日。

友達といえるのは、カメラ小僧の佐治ひとりだけ。


晴生は、そんな冴えない毎日と決別し再起をかけて、赤ん坊の頃に出演した人気学園ドラマシリーズの最新作『はみだし!スクール★デイズ』のオーディションを受ける!

経歴を面白がられた晴生は合格し、本名と同じ役名を与えられる。


晴生が演じるのはクラスのイジメられっ子役、晴生。

撮影開始早々、晴生はいきなり“飛び降り自殺”のシーンを演じることに。

学校の屋上からジャンプした晴生の腕を、ジャージ姿の男が間一髪で掴む。
男の名は鴻ノ池幸一。
16年続いている国民的人気ドラマシリーズの主役にしてカリスマ的な熱血教師である。

時代に合わせてジャージとヘアスタイルを変えながら鴻ノ池先生役を演じてきた俳優の赤井豪は、生徒役の若者たちの憧れの存在だった。

本番以外では一言も喋らず、役に集中している赤井には、「台本が透けて台詞が見えている」という噂まであった。

29歳で高校生役の共演者である高井戸からそんな赤井の伝説的なエピソードを聞かされた晴生は、ますます役にのめりこんでいく。


エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて-es~08.jpg


一方、現実の学校生活は相変わらずサイアクだった。

担任の俵はドラマの鴻ノ池先生とは正反対の無気力教師で、晴生が間山たちにいじめられていても見て見ぬふり。

現実でもドラマでもいじめられて自嘲気味になっていた晴生だったが、ドラマで人気者になれば片思いの夏美が振り向いてくれるという佐治の言葉に、かすかな希望を抱くが……。


ドラマの中の熱血教師・鴻ノ池先生の教えに感銘を受け、彼の言葉を心のよりどころに生活しているうちに、なんと現実世界にも鴻ノ池先生が登場するようになってしまい……。




1970~80年代の懐かしの学園ドラマをモチーフにした、とびっきりシニカルで痛快な青春映画。



単なるコメディかと思いきや、後半からかなりシリアスな展開に。

あまりにも役にのめり込みすぎてゆく晴生は、徐々に現実とドラマの世界との境界線があやふやになって精神のバランスを崩してしまい……やがて、とんでもない事件を引き起こしてしまうのです。


現実と虚構の見分けがつかなくなってしまったひとりの若者を通して、メディアの持つ力(功罪)をユーモラス且つ、皮肉に描写。



モチーフになっているのは『金八先生』をはじめ、『飛び出せ!青春』『われら青春』『ゆうひが丘の総理大臣』『高校聖夫婦』などで、青春モノの元祖・夏木陽介もカメオ出演。



それから市川由衣と水川あさみの制服姿が見れるのも、今となっては貴重かも!?