
【出演】
清水美那、奥田恵梨華、大政絢、坂本爽、河合龍之介、葉子、小林沙世子
【監督・脚本】
内田英治
“女の子が大好きな女の子のラブストーリー”

大の“女好き”を自認し、自由気ままに生きる女子大生の夏子は、ある日……10年付き合ってきた“恋人”の朋美から別れを切り出され、失恋してしまう。

「ホントに別れんの?」
「夏子のことは好きだよ。好きだけど、しょうがないじゃない。だって女同士なんだもん」
夏子はその寂しさを紛らわすため、手当たり次第に“ナンパ”を始めたり、所属している“レズビアン・サークル”顔を出したりするが……どうしても朋美のことが忘れられない。
一方、朋美は生まれて初めて男の恋人を作り、夏子に報告する。
「私、彼氏ができたから」
「形だけで男と付き合ってどうすんの?」
「形だけなんかじゃない」
「もうしたの?」
「当たり前でしょ、付き合ってんだから」
「嘘!朋美が男とできるワケないもん」
「ホントにしたって」
「じゃあ、キモチよかった?」
「……キモチいいワケないじゃない……キモチよくなんかないよ」
自由奔放な夏子と違い、保守的で繊細な朋美は、傷つかずに生きていく手段として……やがて“結婚”という道を選ぶ。
そんな中、夏子の前に一人の女子高生・カナが現れる。

16歳のカナは、幼い頃に恋人と駆け落ちして蒸発した母親を探すため、単身地方から上京してきたのだ。
そんなカナの母親はレズビアン……彼女はレズビアンを憎んでいた。
「私、レズビアンは嫌いです。でも夏子さんは好きです」
レズビアンであることを隠し通す朋美。
レズビアンであることを受け止めて生きる夏子。
それぞれ傷つきながらも、漠然とした未来へと前進していく……。

「私にも幸せはきますか?私にも幸せが分かる日はきますか?」
“女の子が大好きな女の子の物語”をリアルなタッチで描いた青春ガールズムービー。
レズビアンでありながら自由奔放に生きる夏子をエキセントリックに演じた清水美那。
その恋人・朋美役の奥田恵梨華は、傷つき苦悩しつつも未来に向かって歩く繊細な役柄を見事に表現。
そしてちょっと陰のある女子高生・カナ役の大政絢が抜群の存在感。
この3人の共演が見所のひとつです。
「恋に“性別”なんてあるの?」のキャッチコピーが物語るように、侮蔑や笑いの対象ではないレズビアンたちの恋愛を独特の感性で綴った内容となっている。
等身大の視点で描写される女の子同士の恋物語は、とても切なく哀しい。
ファーストシーンがかなり衝撃的!
いきなり夏子と朋美の濃厚な絡みから始まります。
大政絢の映画デビュー作というのに引かれて観てみましたが、予想を遥かに上回る面白さ!
上質の青春映画でした。
また特典映像の未公開シーンもかなり良い。(本編でカットしちゃったのが勿体ないくらい)