
【出演】
西田尚美、利重剛、加藤貴子、田中規子、松岡俊介、伊集院光、徳井優、西牟田恵、濱田マリ、鶴田忍、角替和枝、内藤武敏、田中要次、木村多江
【監督】
矢口史靖
“誰もワタシを止められない”
鈴木咲子は、幼少の頃からお金を貯めるのも見せびらかすのも大好きで、とにかく金、金、金……異常なくらいの執着心の持ち主。
そして、高校時代には、
「奢ってくれるんなら、その分、お金ちょーだい!」
この一言で彼氏にフラれて以来、男っ気ゼロの人生だった。
「そんなにお金が好きならさ、いっそのこと銀行員にでもなれば?」
「あ!そっかぁ!」
そして面接では……
「趣味はお金を数えることです!」
「採用!」

こうして念願の銀行員となり、はじめはウキウキ気分だったが……。

やがて激しく後悔!
「他人のお金を数えても虚しいだけだ……つまんない」
そんなある日のこと。
突然、銀行強盗に巻き込まれてしまい、人質となって拉致されてしまう!
ところが、咲子が乗せられた銀行強盗の車は富士の樹海で横転事故を起こし、爆発炎上!
咲子は五億円札束の入ったスーツケースと共に激流に転落し、樹海へと流されるが……大怪我をしたものの幸いにも九死に一生を得る。
ゴロゴロしてのリハビリの毎日のなか、樹海の奥の‘ぽっかり池’の底へ沈んだ五億円のことが、どうしても忘れられない咲子。

「五億円は間違いなくあそこに沈んでいる。よし!」
‘私は生きる目標を見つけた’
あっさりと銀行を辞めて、なんとまず大学に入学!
地質学を学び、次に車の免許取得、それからロッククライミング、スキューバダイビング、水泳など次々とマスターしていく。
その合間には、ランジェリーパブでバイトをしてせっせと資金稼ぎ。
「お金いいし、どうせ裸になるわけじゃないしね」
「いつか五億円を樹海から拾い上げてやる」
という、ただそれだけのモチベーション赴くままに咲子はひたすらゴーイングマイウェイに前進!
そして、遂に五億円を手にした咲子が取った有り得ない行動とは……。

お金が大好きな娘が、銀行強盗事件に巻き込まれた際に失われた五億円入りのスーツケースを求めて奔走する姿を描いたジェットコースター・コメディ。
咲子は五億円を奪取するためにあらゆる努力をし、周りの人間を振り回し続けつつ、ひたすら疾走、疾走、また疾走!
その姿はエキセントリック、パワフル、エネルギッシュ!
しかも自分勝手で超ワガママで自由奔放……寝癖頭にノーメイクで外見には無頓着……と内面も外面もいいところは皆無。
それなのにどこか憎めないキャラで、両親も妹も大学で知り合った教授や助手も、文句をブータレながらも何かと世話を焼いてしまうのです。
咲子役の西田尚美が、‘そこまでやるか~!’と思わずツッコミを入れたくなるくらいの怪演!
凄いの一言です。
それから、まだ無名時代の木村多江がスイミングクラブのコーチ役で出演していて、現在となっては貴重な(?)水着姿を披露しています。(ていうか、登場シーンは全て水着


15年前の作品なのに、顔が今とほとんど同じ。
(若い時からアダルトな雰囲気だったんですね)
矢口監督といえば、『裸足のピクニック』『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』の大傑作がありますが、この『ひみつの花園』も大傑作でした



とにかく文句なしの面白さです。