
【キャスト】
ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー、トム・サイズモア、エリック・バナ、ウィリアム・フィクナー、ユエン・ブレンナー、サム・シェパード、ジェイソン・アイザックス、オーランド・ブルーム
【監督】
リドリー・スコット
“これは実話である”
1993年10月3日。
ババルギディル族の指導者アイティード将軍による略奪と虐殺の行為が、絶え間なく続くソマリア。
国際世論におされた米軍は、内戦を終結させるため民族紛争の続くソマリアへ派兵。
米タスク・フォース・レンジャーの司令官を務めるガリソン少将は、ババルギディル族の幹部集会が行われるビルの周囲に空から降下し、アイディードの副官2名を捕らえる作戦にゴー・サインを出した。
ソマリ族民兵の強い抵抗が予測される市内に乗り込んで行くのは、レンジャー部隊とデルタ部隊で構成された100名の精鋭たち。

そのひとりのエヴァーズマン軍曹は、自身の胸の内に緊張が膨れ上がっていくのを感じていた。
というのも、今回の任務で、彼は初めて第4班(チョーク4)の指揮を執ることになったからだ。
「部下を必ず生きて連れて帰れ」
デルタ隊員のフートからそんな励ましの言葉をかけられた彼は、基地にやって来たばかりの新兵・ブラックバーン、ケガをした同僚の代役に立てられたデスクワーク専門の士官グライムズら班のメンバーと共に、ブラックホーク・ヘリに乗り込む。
当初、作戦は1時間足らずで終わるはずだった……。
午後3時32分。
出発の合図を受けて基地を飛び立った12機のヘリは、目的地に到着。

標的ビル北側の街路の制圧にあたるエヴァーズマンたちは空中からロープで降下を始めるが……その最中、民兵の発射したRPGがヘリの機体をかすめ、バランスを失ったブラックバーンが18メートルの高さから地上へ転落する事故が起きる!
後を追って降下したエヴァーズマンは、意識不明のブラックバーンを担架に乗せ、衛生兵とグライムズに車輌隊のもとまで運ぶように命じた。

その間、捕獲の任務を帯びたデルタ隊員たちは、標的ビルに侵入して迅速に任務を遂行。
捕虜たちを、マクナイト中佐率いる車輻隊に引き渡す。
マクナイトは、そこへ運ばれて来たブラックバーンをジープに乗せると、ストルーカー軍曹を責任者にした3台のジープを基地への帰途につかせた。
事態が急展開を見せたのは、その18分後のことだ。
標的ビルから北東へ5ブロック離れた地点で、プロペラにRPGを受けたブラックホークが墜落したのだ!
チョーク1を指揮するスティール大尉から無線で知らせを受けたエヴァーズマンは、ネルソンたち数名の部下に現場の保守を命じ、自分は残りの部下を連れて墜落地点へと移動。
一方、標的ビルの前にいたサンダーソン軍曹、スティール、マクナイトたちも墜落地点へ向けて出発するが、ブラックホーク撃墜によって勢いづいた民兵の攻撃は激化の一途をたどり、歩部隊は路上で釘付けに!
かたやマクナイトの車輌隊もバリケードと砲撃に行く手を阻まれ、市内を迷走する羽目に陥る。
その頃、墜落地点に到着したエヴァーズマンは、現況を司令部に報告。
しかし、そこで民兵の集中攻撃にさらされた彼らには、付近の建物に陣取って応戦する以外、できることは何もなくなってしまう。
午後4時40分。
デュラント准尉が操縦する2機目のブラックホークが、標的ビルから南西1マイルの地点に墜落。
司令部で崩壊していく作戦の一部始終を見守っていたガリソン少将は、基地に帰還していたストルーカーとフートを中心に緊急救援車輌隊を編成し、第2の墜落地点へ向かわせる……が、彼らも砲火とバリケードで前進できず、デルタ隊員たちは徒歩で現場への道を急ぐ。
その第2墜落地点には、上空に待機していたヘリからふたりのデルタ隊員が降り立ち、群がる暴徒を相手に必死の応戦を試みていた。

それ以上の援軍がすぐにやって来ないことを知り、自身の運命ももはやこれまでと覚悟を決めるデュラント。
その思いは、激戦が続く市内に取り残取り残された99名の兵士たちも同じだった。
第1墜落地点の付近には、エヴァーズマンの班に加え、サンダーソン、グライムズ、ネルソンたちが集結していたが、いまや乗員の半数以上が負傷者と死者で占められたマクナイトの車輌隊は、そこまでたどり着くことができなかった。
体制を立て直すべくマクナイトたちが基地へ引き返したのを知り、不満と絶望の声を漏らす部下たち。
そんな彼らを諌める立場にあるエヴァーズマンもまた、重傷を負ったスミスを搬送する救護ヘリの出動要請が受け入れられない事態に、苛立ちと歯がゆさをつのらせる。

必死でスミスの看病にあたりながら、「部下を全員生きて連れ帰る」という当初の誓いを守れそうもない自分の無力夜が深まりゆくなか、断続的な攻撃を浴びる彼らの前にようやく脱出の道が開けたのは、それからさらに12時間後のことだった……。
壮絶な市街戦の模様を、生々しい体感映像で再現した衝撃の戦争スペクタクル。
ほぼ冒頭から延々と続く戦闘シーン。
徐々に追い込まれていく米軍兵士たちは、死傷者が続出……その描写が凄まじいの一言。
とにかく全編、圧倒されまくりでした。
増え続ける死傷者の数……自分の命を投げ出して仲間の救出に向かう兵士たちのヒロイックな行動、それによって犠牲者が雪だるま式にふくれあがっていくブラックな現実。
そんな地上戦の真実を戦場の兵士たちの視点から見つめたドラマは、15時間に及ぶ戦闘の間に、彼らが何を見て、何を感じ、何を得て何を失ったかを余すことなく描ききります。
現場の再現に徹しきった画面に、感傷など入り込む余地は全くなく、わずか18年前に起きた実話をリアルに綴っていくのです。
この台詞が印象的。
「なぜ戦うかだって?決まってるだろ。俺は仲間のために戦うんだ」