『ザ・ファイター』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

某シネコンにて『ザ・ファイター』を鑑賞。


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【キャスト】
マーク・ウォールバーグ、クリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、メリッサ・レオ


【監督】
デヴィッド・O・ラッセル


“これは実話に基づいた物語である”

“どん底からしか見えない頂点がある……”




1980年代、マサチューセッツ州ローウェルに住むプロボクサーの兄弟。

兄のディッキーは街の期待を一身に背負う名ボクサーだったが、その短気で怠惰な性格からすさんだ毎日を送っていた。


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唯一の自慢は、
「俺はあのシュガー・レイ・レナードからダウンを奪ったんだぜ」

しかし‘街の英雄’だったのは過去の話……戦いに敗れたことから麻薬に手を染めてしまい、今では自堕落な人間に成り下がっていた。


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一方、異父弟のミッキーは、兄とは真逆の地道な性格。

その兄からボクシングのコーチを受け、チャンピオンになる日を夢を見てトレーニングを続けているも……ヤク中のディッキーは肝心な時に頼りにならず。


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マネージャーを務める母親のアリスは、息子たちの成功による一発逆転を狙うばかりで、傲慢な態度を取り続け……決して現実を見ようとはしない。


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小心者の父親はあまり役に立たず、7人の姉妹たちはただ口うるさいだけの存在だ。


彼の自立を阻む兄と母に言われるがままに試合を重ねるが……それが重荷となり、どうにも勝つことが出来ないでいるミッキー。


そんなある日、ディッキーの薬物使用が遂に発覚し逮捕されてしまい……それを境にミッキーはリングから遠ざかっていく。


どん底まで落ちた兄、その兄と断絶することに決めた弟。
二人が目標としていた世界チャンピオンなど、夢のまた夢となる。


しかし、ディッキーは監獄からも弟にエールを送り続ける。


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そして恋人・シャーリーンの支えもあり、もう一度リングに上がる決意をする!


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が、将来を有望された若手が対戦相手となり、ミッキーは‘かませ犬’として扱われてしまった。

いざ試合が始まっても防戦一方で、成すすべなし。

「史上最低の試合です。全く勝負になりません!」

ところが……ディッキーが授けた‘ヘッド ボディ’作戦が見事に当たり、大逆転KO勝利!


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勢いに乗ったミッキーは連戦連勝、破竹の快進撃を続ける。


そんな時に兄が出所してきた。

ミッキーは、ディッキーを再度トレーナーに迎え、二人三脚で世界の頂点を目指し始める!


そしてミッキーは、遂に世界タイトルマッチのリングに立つ!
セコンドにディッキーを従えて……。


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果たして兄弟は、栄光を掴むことが出来るのか!?


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実在する伝説のプロボクサー、ミッキー・ウォードとその異父兄、ディッキー・エクランドが挫折を経て栄光へ至るまでの過程を描く実録人間ドラマ。


タイトルの『ザ・ファイター』。
ボクサーとして戦うという意味の‘ファイター’は勿論ながら、クスリ、貧しさ、差別や偏見、そして人生との戦い……の意味も込められた上での『ザ・ファイター』となっています。


決して裕福ではない労働者階級出身の兄弟の絆をリアルに描写していく。


ハードなボクシングシーンは見応え満点ですが、意外とあっさりめ。

何故ならこの作品の核となっているのは、壊れかけた家族と兄弟の複雑な愛憎、そして挫折と再生の物語がメインなのです。



役者陣が皆、素晴らしい!

製作も兼ねながら、何年もトレーニングを重ねて見事な身体を作り上げ、迫真のボクシングシーンを披露したマーク・ウォールバーグ。

アカデミー賞助演男優賞受賞のクリスチャン・ベールは大幅に減量し、髪を抜き、歯並びを変えるといった徹底的な役作りで怪演。
『マシニスト』でも大減量をしていましたが、またもや役者魂を見せ付けてくれます。
 

それから、気が強くてとても傲慢だけれど……家族のことを心から愛し、心配している母親役を演じたアカデミー賞助演女優賞受賞のメリッサ・レオが熱演!

ヘビースモーカーで口も悪く、ミッキーの恋人のシャーリーンを毛嫌いしていて、
「あんたみたいなのを‘MTV女’って言うのよ」
「どういう意味よ!?」
「アバズレ!」

このやり取りは最高でした。



ボクシングファンに嬉しいのが~スーパースター、シュガー・レイ・レナードがカメオ出演していること。
(昔のファイトシーンも見れます!)



そしてそして、エンドロールにも注目を!
なんと本物のディッキー&ミッキー兄弟が登場。

ディッキーの声や口調が、劇中のまんま!
クリスチャン・ベールは、完璧に真似ていたんだということが分かります。



兄弟は証明してくれます。
すべての人間に栄光を手にするチャンスがあると!

魂が揺さ振られるような素晴らしい作品でした。


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