『川の底からこんにちは』【1】 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『川の底からこんにちは』


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【出演】
満島ひかり、遠藤雅、相原綺羅、志賀廣太郎、岩松了、並樹史朗


【監督】
石井裕也



‘人生もう頑張るしかない!’

‘仕事も恋も妥協した生活……「どうせ私なんて中の下の女ですから」 




上京してから5年目。5つ目の仕事。5人目の彼氏。

ダラダラと‘妥協’した日常を送りながら、玩具メーカーで働く派遣OLの木村佐和子。


今日もダラダラと仕事をし、同僚らとダラダラと油を売っている。


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「あんた、夢とかないわけ?」
「別に夢とかないですし、ホント夢とか全くないんですよ……あ、私ミジメなこと言いましたね、ごめんなさい」
「いいよ、みんなそうだから」
「何かオシッコ臭いよ」
「臭いね」
「あ、それ私です」
「…………」


そんな佐和子は会社の課長・‘バツイチ子持ち’の新井健一と付き合っている。


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新井の娘・加代子を連れての動物園でのデートで……
「お父さん、ゴリラのワキの下って臭いの?」
「佐和子ちゃん、教えてあげて」
「え、私が!?えぇ……多分、くちゃいです」


同僚らは、
「新井課長なんかとは早く別れた方がいいよ。うだつの上がらない男だし」
「それは分かってるんですけどね。いいんです、どうせ私って‘中の下’くらいの女なんですよ。いつも男に捨てられるのは、スイカみたいなオッパイじゃないからなんですね。スイカみたいなオッパイしてたら、もうモテモテのはずなんですよね」
「そういう考え方、キモいよ」
「えっ!」


そんな彼女の唯一の趣味(?)は、腸内洗浄をしてもらうこと。

「木村さん、お尻の力を抜くの上手になりましたね~」
「ありがとうございます」
「汚いモノ、全部吸い取っちゃいますね。ついでにストレスも吸い取っちゃいましょうか~」
「あ、じゃあ、昔の男の4人の思い出も綺麗さっぱり吸い取ってください。お願いします」
「そういうのは吸い取れません!いま言ったの冗談ですから」
「……すいません……」
「じゃあ、入れますよ~」
「ハウッ!」


家に帰ればビールを手放さず、寝る時は横着さ丸出しで足で蛍光灯の紐を引っ張り……
「イテテテッ、足攣った!しかも二カ所も攣った!


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そんなある日……突然、父親の正樹が病に倒れ、余命わずかだとの知らせが叔父の信夫から入る。


「どうってことないよ。それほど父親に思い入れないし」
と健一には言ったものの……
「あれ?泣いてる?」
「泣いてないけど」
「いや、泣いてるでしょ?」
「あ、ホントだ。何で?何で?何で?」


健一が会社を辞めた(クビ?)になったこともあり、佐和子、健一、加代子は水辺の町にある実家へ帰郷。

母親はすでになく、ひとり娘である佐和子は正樹が社長の‘しじみ工場・木村水産’の後継ぎをすることを余儀なくされる羽目に。


迎えに出た信夫は、
「え?男と子供連れで帰ってくるなんて聞いてないよ」
「あれ?言わなかったでしたっけね?」
「あの子、誰?」
「えぇと……あの子は……ああ、説明すんのめんどくさい!私の子です、すいません!」
「えー!ま、いいけどさ」
「え、いいの!?」


その夜、佐和子が帰ってきたと知り、高校時代からの友人であり木村水産の社員でもある友美がやって来て、
「お帰り。どうだった?駆け落ち」
「え、駆け落ち?何それ?え?え?」
と詰め寄る健一に、
「知らない、知らない、全然知らないから」
おもいっきり、すっ惚ける佐和子であった。


翌朝、朝礼での恒例「木村水産・社歌」の後、佐和子は挨拶を。

「父の代わりに会社を手伝うことになりました。え~しじみをパックに詰める仕事をやらせて頂きます」

しかし、その工場で働くオバちゃん達はくせ者ばかりで、
「駆け落ちした女が偉そうに言ってんじゃないよ!」
佐和子は総スカン!

しかも工場は倒産寸前だった!


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健一は、どうしても駆け落ちの件が気になり、
「ねえ、駆け落ちって何?」
「あ、聞く?」
「聞くよ、聞くでしょ、普通」
「うん、しちゃった、テニス部のキャプテンと。ゴメン!青春だったからってことで。それから次の男にもフラれて、その次もフラれて、でその次も」
「そこまで聞いてないから」
「私、バカだからさ~あんたみたいなバツイチと付き合ってんでしょ。だから、あんたとこれからもやってくから」
「開き直りすぎだよ。俺のこと好きなの?」
「う~~~ん……」
「もういい、寝る」
「……あぁぁ~私、悪い女だぁ……すいません」


そして次の日、友美が突然、
「佐和子、今夜健一さんと飲みに行くからね」
「は?」
「大丈夫。なんもしないから」
「なんもって何?」
「言わせんの?」


ところが、飲みに行ったきり健一は帰ってこず……佐和子は加代子に、
「今日は一緒に寝よ?」
「殺さない?」
「殺さないよ」
「あんた、先にお風呂出てな。私、20分くらい考えてここでちょっと泣いてくわ」


結局、健一は友美のアパートに居着いてしまうのだった。


そんな時、正樹が退院してくるも……彼はもう自分が長くないことを悟っており、
「俺が死んだら骨は川に撒いてくれ。川の底のしじみの栄養になる」


一方の健一は、
「佐和子は俺のこと好きじゃなかったのかなぁ?」
「そりゃそうでしょ、そういう女だもん」

実は佐和子は、友美の彼氏を奪い駆け落ちしていた!


そして健一は、佐和子と加代子を置いて友美と東京に駆け落ち(?)してしまう。


「あんな男とは別れてやり直せ」
と諭す正樹に佐和子は、
「私さ、あの人と結婚するわ、逆に。私なんてたいした人間じゃないからさ、頑張るよ。決めたから。しょうがないから」

加代子には、
「あんたもたいした子供じゃないんだからね、頑張らないといけないんだからね」


ここから佐和子の一発逆転を狙う逆襲(?)が始まる!!


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