『パビリオン山椒魚』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『パビリオン山椒魚』


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【出演】
オダギリジョー、香椎由宇、高田純次、麻生祐未、光石研、KIKI、キタキマユ、斉藤陽一郎、津田寛治


【脚本・監督】
冨永昌敬



‘本物とか、偽者とか、どっちでもいいの’



伝説の動物国宝・オオサンショウウオが、レントゲン技師(オダギリジョー)と女子高生(香椎由宇)をキューピッドする!?


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世間では美人四姉妹と名高い、アキノ、みはり、日々子、あづきがいる二宮家は……代々‘サラマンドル・キンジロー財団’を運営していた。

15代将軍慶喜公いによって1867年のパリ万博に出品された‘動物国宝’のオオサンショウウオ・キンジローを管理することで、国から何十億もの助成金をもらっているらしい。


ある日、自称‘21世紀の天才レントゲン技師’こと飛鳥芳一は、第二農響・会長の香川守弘から、
「キンジローにニセモノ疑惑が浮上中だ。本物なら、パリ万博で骨折した際の治療の跡が背骨に残っているはず。それを調べてほしい」
と、山椒魚のレントゲン撮影を依頼される。

香川は経済的に逼迫したキンジロー財団の買収を目論んでいた。
妹の結婚資金を調達するため依頼を受けた飛島だったが……。


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一方、財団を追い出されたパパ・四郎は、あづきに、
「悪い奴らに狙われないように、キンジローを安全な場所へ移して、お前がまだ見ぬママに会いに行こう」
と持ちかける。


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どうやらあづきは、みはりや日々子とは腹違いのようだ。
そして母親は誰!?


キンジローの150歳のお誕生パーティが、二宮家のジャポネスクな豪邸で盛大に開かれた夜、芳一とあづきは運命的に出逢い……。


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レントゲン博士に憧れ、‘21世紀の天才レントゲン技師’と豪語する青年が、財団の美人令嬢と出会い、やがて奇想天外な事件が巻き起こっていく様を描いた‘浅草・花やしき仕様のジェットコースター・ムービー’。


観ていて……脳内に「なぜ???」の嵐を巻き起こしながら暴走していく物語。
結果、民家の間を擦り抜け、ガタガタと揺れる危なげなコースターの座席にふんばりながら、目と耳をフルスロットルにさせねばならない……まさに‘浅草・花やしき’のコースターに乗っているような感覚に陥る!?



キンジロー誘拐事件を機に明らかになっていく二宮財団の真実……そして突然、愛に目覚め変貌していく飛鳥の運命。

とにかく次から次へと想像もしない出来事が飛び出し、最後の最後までキテレツで謎に満ちた物語が展開します。


『ワイルド・アット・ハート』風な(?)不条理劇……シュール過ぎて付いていくのに一苦労するものの、一度この世界観にハマると癖になるような……そんな作品。


冨永監督の劇場映画デビュー作ですが、やはりこの人、只者ではない!

監督曰く、
「映画の前半でベルナルド・ベルトリッチの『暗殺の森』に、後半でサモ・ハン・キンポーの『五福星』に通じる映画的快楽を盛り込んだ」
とのことらしいけど……真意のほどは???



『時かけ』の市瀬ナツコ役でお馴染みのキタキマユが怪演しています。

ちなみに、この作品も『時かけ』と同じくスタイルジャム配給だ……。