『ゴールデンスランバー』 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『ゴールデンスランバー』


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【出演】
堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆、劇団ひとり、貫地谷しほり、相武紗季、ソニン、大森南朋、柄本明、香川照之、永島敏行、濱田岳、伊東四朗、木内みどり、ベンガル、上田耕一、山口良一、岩松了、でんでん、石丸謙二郎、竜雷太


【監督】
中村義洋




舞台は仙台。
首相の凱旋パレードが行われているそのすぐ近くで青柳雅春は、大学時代の友人・森田と久しぶりに再会していた。

しかし、どこか様子がおかしい森田。

とそこに爆発音!
首相を狙った爆弾テロが行われたのだ!

「逃げろ!オズワルドにされるぞ!」
「え?」
「逃げろ……どんな不様な姿になっても逃げろ!そして生きろ!人間、生きていてナンボだ」

銃を構えた警官たちから、反射的に逃げ出す青柳。

と……森田の乗っている車がいきなり大爆発!

「何だよ、何だよ……これ?何なんだよ……」

本人の知らない“証拠映像”が次々に現れ……青柳は自分を犯人に仕立てる巧妙な計画が立てられていた事を知る。


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青柳は大学時代の友人たちに助けを求めるが……。


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首相暗殺、無実の罪を着せられた主人公の逃亡、そして逃亡先になぜか先回りしている警察。

冒頭からたたみかけるようなスリリングな展開。

仕組まれた巨大犯罪から、無力な人間がいかに逃亡するかというサスペンスを軸に、かつての友情物語が切なく語られます。


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青柳を罠に誘い込んだ原因を作ったのは……この女!
ダウン
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その青柳の無実を信じる人たちの手助けにより、彼は逃げて逃げて逃げまくる!


元恋人の樋口晴子。
「どうしちゃったのよ、青柳君……」
様々な作戦を敢行し、八面六臂の大活躍。

後輩の小野。
「青柳‘先輩’」
を電話で連発し、秘かに危機を知らせる。

宅配会社の先輩・岩崎。
「お前、やってねえんだろ。ロックだぜ!」
警察に囲まれた際、人質になったフリをして青柳を逃がす。

花火会社の轟親子。
「ウチの花火が使用されなくなったら、仙台の花火大会は寂しくなるよ」
その花火が重要な鍵を握り……。

入院患者の極道(?)保土ヶ谷。
「マンホールの蓋は重いよ~」
下水道を伝って逃げるよう指示し、詳細なルートを渡す。

昔、青柳に窮地を救ってもらった元アイドルの凛香。
「整形してないから!」
彼女の整形疑惑が……後に青柳を……。

青柳に拉致されつつも、無実だと確信した初老の警官。
「居場所が分かるから、携帯は5分以内で切れよ……あ、独り言だけど」

通り魔殺人犯のキルオ。
「俺、殺人犯なのに、何であんたを助けちゃったのかなぁ」
青柳にアドバイスを送り続けるも……。

父親の平一。
「雅春は犯人じゃない!あんたらに何がわかるんだ!おい、雅春、聞いてるか?まあ、チャチャっと逃げろ」


そして……決してハッピーエンドではないけれど、納得のラストでした。

冒頭の謎のシーンがラストに再び登場し……。

エレベーターで帽子を深く被った怪しい男に遭遇する晴子と娘。

階数のボタンを‘親指’で押す男。

それを見た晴子は……。

エレベーターを降りた男がフロアを歩いていると、晴子の娘が寄ってきて、
「ママがおじちゃんにこれを上げろって!手を出して」
と、男の手にスタンプを。

‘たいへんよくできました’


なにげない台詞やシーンに伏線が散りばめられていて、それが解明した時の爽快感がたまらない!



尚、タイトルの『ゴールデンスランバー』は、ビートルズの曲。
当時バラバラだったメンバーを繋ぎとめようというポールの思いが、この作品ではかつての友人達との絆を象徴する存在として使われています。


人間が生きていく上で一番重要なのは、人との繋がりや、信頼なのではないか……。


「俺にとって残された武器は、人を信頼することだけだ」(by青柳雅春)