【出演】
勝地涼、仲里依紗、玉山鉄二、加藤清史郎、東てる美、石原良純、斎藤工、草笛光子、小栗旬、萬田久子、中村獅童、小泉孝太郎、池内博之、やべきょうすけ、劇団ひとり、大滝秀治
昭和17年。
動物好きの学生・朝比奈太一はアルマという名のシェパードを預かることになる。
飼い主の健太と千津という子どもたちを引率していた教師・高橋史子に一目惚れしたからだ。
そして、アルマの優秀さの虜になり、アルマを軍犬として育てあげる。
そのアルマに軍から招集がかかる。
涙を流して別れを拒む子どもたち。
太一は自らの判断を悔やみ悩む。
アルマが戦地に行ってから1年後……太一は軍犬の訓練士としてアルマのいる満州へ渡る決意を。
そこで待っていたものは、太一の想像を超えた苛酷すぎる現実だった……。
戦時中、出兵した多くの犬たちがいた。
動物は人間次第で友だちにもなり、兵器にもなる……穏やかな子どもたちとの生活を引き裂かれ、戦争という運命に翻弄された"無言の兵士・アルマ"。
「戦争の犠牲者は人間ばかりではない……」
激動の時代、ともに命を賭けて戦った犬と兵士の友情物語。

‘この写真は、一頭の犬が軍犬として戦地に旅立つ時に撮られたものだ。述べ十万頭の犬が戦地に送られた。終戦後、故国に戻ってきた犬は一頭もいない。あの日、私達は一頭の犬に運命を託した……アルマという犬に……’

街中を逃げ回る一頭の犬。
その犬が太一に遅い掛かろうかという寸前に、
「アルマ、駄目!待て!すいません、大丈夫ですか?」
「あなたこそ、大丈夫ですか?」

こうして太一と史子は出会い……。

新しい飼い主から逃げ出したアルマを……別れを悲しむ子供達のために、そして一目惚れした史子にまた会いたいという思いから、
「その犬、僕が貰うこと出来ませんか?お願いします!」
「……!?」

子供達と遊ぶアルマ。

「アルマはこの歌が大好きなんです。ほら、一緒に歌っているように見えませんか?」
「ホントだ」
「もうすっかりアルマの虜ですね」

「また、いらしてください。子供達も喜びます」
「はい!」
太一はアルマを軍犬として育てることを決意。
健太は、
「父は軍人ですから、アルマが軍犬になることを喜ぶと思います」
それを聞いていた史子は……。


アルマの訓練を複雑な心境で見守る史子。

そして……。

「検査をどうしても受けなければ、いけないんですか?」
「え?」

「アルマは子供達と遊ぶのが大好きなんです。それだけでは、いけませんか?」
「今はこれしかないんです」
「……」

アルマの検査当日、史子は……。

「お姉ちゃん」
「何でもないわ」
「有川さんのこと、心配よね?」
「……そうじゃないの……」

アルマは優秀な成績で検査に合格。
その五ヶ月後……アルマに赤紙が!

「アルマの出征、おめでとうございます!」
「……ありがとうございます」

とうとう出征の日。
「アルマ改め、金剛号!バンザーイ!」

「アルマは死んじゃうの?」
「千津ちゃん……」


太一や史子らに見送られ、アルマは戦場へと旅立って行った……。
