
職員室に一本の電話が!
「もしもし、ハルコ先生!?」
渋谷と鹿取は教室に駆け込み、
「ハルコ先生も今からみんなと一緒にテストを受けます!」
「みんなで卒業しようって言ってたぞ!」
遂に卒業試験開始!
ハルコが……。
ボブが……。

ダイアナが……。
マリーが……。

ルカが……。
王が……。

エレーンが……。
ポールが……。

ジャックが……。
金麗が……。

ハルコと生徒たちの思いがひとつになって試験に挑む!


その夜、ハルコは学校へ。

渋谷が、
「ハルコ先生、卒業試験は無事に終わったよ」
「……あ……荷物取りに来ただけだから……すぐ帰るから……」
とハルコが姿を消すと、
「生徒たちの言った通りになりましたね」
ハルコは教室に明かりが灯っていることに気付き、
「ん?」
教室に入ると……。

「お帰り!」
「なんで?」
ハルコが来ることを信じて待っていた生徒たち。
「……わたしもね、みんながここにいるような気がして来たの。そうだ!まだみんなにわたしの好きな日本語教えてなかったよね」
「わたしの好きな日本語は……」

「‘ありがとう’……わたしが高校生の時ね、退学になりそうになったの。その時に担任だった秋元先生が助けてくれたの。そのお礼として、子供たちにボランティアで本を読んであげたのね。その時にありがとうって言われたの……スッゴク嬉しかった。こんなわたしでも誰かの役に立てるんだって、初めてそう思ったの」
「教師を続けて!」
「夢を諦めないでよ!」
生徒たちから励ましの声が上がる。
「わたしね、たった3ヶ月だけど、みんなに‘ありがとう’って言われて……スッゴク嬉しかったよ……でもそれで分かったの。生徒に感謝されるより……もっと素敵なことがあるって気付いたの。それはね……あなたたち生徒に出会えたこと。みんながわたしの生徒で本当によかった……みんながわたしの初めての生徒で本当によかった。一緒に勉強できて本当によかった……」
「教師ってこんなに楽しいんだよ!」

「諦めるなんて、やっぱ無理だよ。わたしも夢を諦めない。いつかきっと、ちゃんとした教師になってみせるから!それを気付かせてくれたのは……みんなだよ。だから卒業試験の結果が出る前に、みんなに言わせてほしい……みんな……わたしの生徒になってくれて本当にありがとう!」
そして……後期入学式。


新任教師の赴任に大喜びの鷹栖。
「今度こそ本命ですね~~」
「大穴に賭けた方が面白くない!?」
と、どこかで聞いたような声!
「何を言っ……!!」
「どうも!大穴です!」
「どういうことですか!?校長先生!」
「法務省の許可が取れたのよ」
「じゃ、授業行ってきま~~す!」
「お、俺は許可してないからな!


」「指切りしたじゃないですか?」
「指切り……???」
「クラス全員を卒業させられなかったら、高校教師は諦めますんで!」
「約束だからな、カリスマ先生!」
「は!!!グア~~~!」
ハルコは教室へ!

「おはよう~!」
「ハルコ!」
「何だよ、またハルコかよ!」
「ていうか、ジャック以外全員不合格ってどういうことよ!?」
「ハルコの教え方が悪かったんじゃないの?」
「ていうか、ハルコも不合格でしょ?」
「名前、書き忘れちゃってさ~~」
と、そこになぜかジャックが!
「ジャック?!あんた合格したんじゃないの?」
「水臭いこと言わないでくださいよ。みんなで卒業しましょうよ。ね!」
「よーーし!今度こそ全員揃って合格よ!」
「どっからでも、かかってきなさい!!」

ハルコ先生の授業は、まだまだ続く…………のか!?