『ニホシラ』-最終話- 【1】 | エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

エルドラド 「時をかける言魂」 『時かけ』と仲里依紗に魅せられて

ただの戯れ言?!またはエッセイのようなもの。
そしてボクは時をかける。

『日本人の知らない日本語』
-第12話・最終回-

~忘れないさよなら涙の卒業式……最後の約束~




金麗を救おうとして、公務執行妨害により逮捕されてしまったハルコ。
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鷹栖が身許引受人となり釈放されたものの……。




学校に鷹栖の旧友でもある入国管理局の職員が訪ねてくる。
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金麗はお咎めなし。
しかしハルコが逮捕されたことが大問題に。
「留学生のビザ発給停止も有り得る」
「ビザの停止?」
「最悪ここが潰れるってことだ」
「……」




「わたしが辞めたら、この学校は潰れずに済むの?」
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「なにバカなこと言ってんだよ!」
「そうなんでしょ!?わたしが辞めたら、生徒たちはこの学校で勉強が出来るんでしょ?……辞めます!もうこれ以上、迷惑かけたくないし……わたし、日本語教師辞めます!」
ハルコは決意を胸に教室へ。




心配する生徒たちに。
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「安心して!金麗の無実は証明されたから」
「ハルコは大丈夫だった?」
「……大丈夫に決まってんじゃん!」
「良かった~~!」




「じゃあ今日の授業は、みんなの好きな日本語を教えて!」
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ジャック「私は一期一会です。美しい日本語です」
王「僕はお帰り!あったか~い日本語だよ」
ダイアナ「私は勿体ない。モノを大切にする日本、素敵です」
エレーン「私、お疲れ様が好き!優しい日本語!」
金麗「私は……指切り」
「ハルコの好きな日本語は何ですか?」




ハルコは……。
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「それより今日は……みんなに言っておきたいことがあんの……実は今日で学校を辞めることになりました!」
「辞める?なんで?」
「高校教師の仕事が見つかったのよ。一日も早く来てくれってお願いされちゃってさ!」
「それって冷たくない?」
「しょうがないでしょ!これがわたしの夢なんだから!……それじゃ!」

教室を出て行くハルコに生徒たちは非難の嵐。

ハルコは鷹栖、渋谷、鹿取に、
「みんなのこと、よろしくお願いします」




ハルコのいない職員室は火の消えたような静けさ。
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「職員室ってこんなに静かだったっけ?」
「……」

生徒たちは鷹栖に詰め寄る。
「みんな一緒に卒業しようって約束したのに!ハルコは帰ってこないのかよ!」

一方、ハルコは退院する秋元の病室を訪れ……。
「教師はもういい。わたしに人を教える資格なんてないよ」
「やっと親らしくなってきたんだけどなぁ」
「親らしく?」
「ね、あの時のこと覚えてる?」

秋元からの助言、そして子供から言われた「ありがとう!先生」の言葉を思い出すハルコ。

「教師にとって必要なのは、資格よりも思いよ。生徒に対する思い」




ボブの働くラーメン屋へ足を運ぶと、鷹栖が待ち構えていた。
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「何か用?」
「学校に戻ってこい!」
「……!?」
「なぁんてことは、死んでも言わねえぞ!」
「分かってるわよ!てか、何なの?」
「お前のクラスは変だ!あんだけ結束力のあるクラスを見たのは初めてだ。みんなお前と一緒に卒業したがってんだよ」
「わたしと?」




何も出来なかったボブが今では店を任されるほどになった姿を見て。
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「あいつを成長させたのはお前だ。ま、競馬で言うビギナーズラックだと思いますけどねぇー」
「わたしにどうしろって言うのよ!?」
「自分で考えろ!」
「……」
「これは残りの給料だ。あ、それで払っとけ。じゃ!」
「は?ちょっ、ちょっと!これ、わたしのお金!もう~~!……ん!?」

給料袋の中に入っていた一枚の紙に気付いたハルコは……。




公園で、道を尋ねてきた老夫婦に優しく応対するハルコ。
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婦人は感心して、
「見かけによらず綺麗な言葉を使うのね。親御さんに教わったの?」
「違います。わたしに日本語を教えてくれたのは外国人です……わたしの初めての生徒たちです」