Bobby Watsonの強烈にDriveするAlto Saxでこの蒸し暑さを忘れてしまおう。70年代後半から80年代初頭までArt Blakey & The Jazz Messengersに在籍しMusic Directorとして屋台骨を支えた凄腕のAlto Sax奏者、優れたComposer/Arrangerとしても知られるWatosonであるが、その代名詞でもある循環呼吸を駆使して息継ぎすることなく圧巻のAlto Soloを披露するなど、Wynton Marsalisの人気で再び人気となるMessengers復活前の地盤を築いたといってもいいMusician。80年代初頭にはWyntonとも一緒に演奏しているが、Messengersが人気再燃する前に脱退してSession Musicianとして活動し、Bassist Curtis LundyやDrummer Victor LewisとHorizonというGroupを結成している。実はWatsonがいた時代のMessengersも中々素晴らしい作品を残していてWatsonが加入したばかりの77年リリースの『Gypsy Folk Tales』など、個人的にかなり気に入っているのだ。その高い演奏技術もさることながらComposerとしてのWatsonも、もっと評価されてもいいだろう。Bobby WatsonはKansas州Lawrenceで生まれ、Kansas Cityで育った。Miami大学に通い同時期にPat MethenyやJaco Pastorius、Bruce Hornsbyらも在学していたという。さて、そんなBossy Watsonが85年にEnja Recrdsから唯一リリースしたアルバムを本日はご紹介。84年8月4日にドイツのTübingenにあるTMS Studioで行われたThe 2nd International Jazz Workshopの模様を収録したStudio Live盤。メンツはピアノにStan GetzやTed Cursonと仕事をしているJim McNeely、ベースにSax奏者Jamey AebersoldとやっているTodd Coolman、ドラムスには John ScofieldやDavid Liebmanとの仕事で知られるAdam NussbaumというOne Horn Quartet。
『Advance』はBobby Watsonが85年にEnja Recrdsからリリースしたアルバム。
アルバム1発目は大好きなGershwinの“But Not For Me”。いきなりWatsonの循環呼吸を駆使したAlto Saxが炸裂。この辺は掴みもバッチリ。そして、この名Standardのお馴染みのフレーズを吹くと観客も盛り上がり、WatsonもキレキレでBlowしまくり。すると、Jim McNeelyのピアノ・ソロも颯爽とキメ、いきなり全員が全開モードでぶつかり合っているのが素晴らしい。Adam Nussbaumのドラムスも切れ味抜群でカッコイイっすなあ。観客もノリノリで盛り上がっている様子が伝わってくる。
WatsonとCurtis Lundyの83年のアルバム『Beatitudes』からWatson自作の“Karita”。WatosonのAltoが遊び心タップリにBlowされ、流れ出すThemeの流麗なフレーズが心地良いが、ありきたりのFusionにならないところがWatsonの才能。Bossa風のRhythmにのってAlto Saxが歌いまくり。McNeelyの小洒落たピアノ・ソロもご機嫌である。
Thelonious Monkの“Round Midnight”。これは沁みますなあ。Watsonも余裕のPlayながら時折、速いPassageで切れ込むフレージングが良き。
ピアニストEubie Blake作の“You're Lucky To Me”はBirger "Krølle" Sulsbrückが叩くCongasも加わって実に心地良い。これは思わず指パッチン。
アルバム最後をシメるのはArt Blakey And The Jazz Messengersが81年にリリースしたアルバム『Straight Ahead』から“E.T.A.”。ここではもうWatsonの独壇場。Speed感溢れるフレーズが実に小気味良い。次から次に淀みなく流れ出すフレージングに圧倒されてしまう。観客も歓声を上げる。Adam Nussbaumのドラム・ソロもイイ感じ。
◎E.T.A./Bobby Watson Andrea Pozza
(Hit-C Fiore)
