Eric Delaunayの名を初めて知ったのはFranceのParis郊外から80年代後半に登場した3人組のTiemkoというProgressiveなInstruental Groupのアルバムであった。 鍵盤奏者Jean Jacques Toussaint、ギタリストのRemy Chauvidanと共にDrummer/PercussionistのEric DelaunayはMuseaから88年にDebut Album『Espace Fini』をリリースしている。自分は後追いでこのGroupのアルバムを聴いたのだが、変拍子を取り入れたりSpacyで浮遊感に満ちた部分もあり、80年代後半らしいDigitalで少々仰々しいところが気になるものの、Aggresiveに自分たちの音楽を追求していくところは好感が持てた。Eric Delaunayはこのバンドを結成する前は以前ご紹介したAsia Minorの初期のメンバーであったという。Recording前にAsia Minorを脱退したDelaunayはTiemkoを結成する前に本作を録音していたのだった。アルバムはギターのPhilippe Banbuck、鍵盤奏者のJean-Marc Thiébaud、ベースのPaul Amar、そしてDelaunayのドラムスという布陣で80年にVogueからリリースされている。楽曲は6曲全てDelaunayのペンによるもの。4人編成で全曲Instrumental Numberで、複雑な構成を持ちながらも独特の雰囲気を醸し出していて、ソロやImprovisationよりもEnsembleを重視しているようだ。聴いてみると、Tiemkoの構想は、この時すでにDelaunayの頭の中にあったように思われる。King CrimsonやArt Zoyd、Frank Zappa、Gentle Giantに加えてStravinsky、Bartok、Shostakovich、そしてCharles Yvesといった作曲家から影響を受けたというDelaunayらしさが既に本作からも伝わってくる。残念ながらTiemkoは解散し、Delaunayもこの世を去ってしまったが、不遇の80年代初頭に、このようなCreativityの高い作品を残してくれたことに感謝したい。
『Antagonisme!』はEric Delaunayが80年にVogueからリリースしたアルバム。
アルバム1曲目はタイトル曲“Antagonisme”。出だしは少々仰々しいものの変拍子をうまく組み合わせて、鍵盤とギターがスリリングに迫ってくる。ガンガンに攻めたてるでもなく、引き締まったドラミングもイイ感じ。
“Histoire De Monsieur K.”は不穏な響きの鍵盤のサウンドが続き、まるでサスペンス映画のSoundtrackのようである。ある種、現代音楽的な無機的で少々Darkな香りが漂う。次はどんな展開になるのだろうか?とワクワクしたところで終わってしまう。
“Ballade”もSyntjesizerが摩訶不思議な旋律を奏でると、歪んだギターが変拍子のフレーズを弾き始める。途中からYesのようになったかと思ったら、怠情にならずにCoolに淡々とフレーズをキメてギターと鍵盤がスリリングに掛け合いを演じる。中間部で静かにギターがVolume奏法などで鍵盤と共に抒情的な風景を描き出し、若干泣きを感じさせるところも面白い。
“Amuse-Gueule”はギターが哀感溢れる旋律を奏でていく。これがベタにならずに中々イイ感じ。Avant-Gardeなだけでなく、こういう曲もかけるところがEric Delaunayである。この曲も途中で展開せずに最後まで行くところが良い。
7拍子の妖しいギターのフレーズで始まる“Celui Par Qui Tout Arrive”。Synthesizerとベースも一体となり浮遊感に満ちた心地良い変拍子にTripさせられるが不穏なパートが始まり闇に連れ込まれるかと思いきや軽やかに躍動する変拍子が始またのも束の間、緊張感のあるJazz Rockに展開、そしてまた変拍子。そして最後にDarkな空間へ。
アルバム最後をシメるのはその名も“Final”。現代音楽風のピアノで始まりClassicalな演奏に展開していく。
◎Celui Par Qui Tout Arrive/Eric Delaunay
(Hit-C Fiore)
