For Fox Sake/The Fox | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Foxという名前のバンドは世界でどれくらい存在していたのであろうか?英国のバンドではWodden Horseにいた女性SingerのSusan TraynorNoosha Foxという名前で、The Driftersのヒット曲“Under the Boardwalk”を書いたことで知られる米国のSongwriter Kenny Youngと、かつてVan Morrisonとバンドを組んでいたHerbie Armstrongという、後にYellow Dogでご機嫌なアルバムをリリースする名コンビと結成したFoxというBandのアルバムを持っていたが、今回ご紹介するのは、同じ英国でもTheが付いたFoxの方。Gary FarrのThe T-BonesのギタリストWinston WeatherillOctopusのDrummer Tim Reevesと鍵盤奏者Alex Lane、ベーシストのDave Windross、ギタリストでSingerのSteve Brayneというメンツで、Fontanaからアルバム『For Fox Sake』をリリースしている。この彼ら唯一のアルバムは最近、手に入れたのであるが、これが自分のツボにバッチリの中々ご機嫌な作品なのであった。引き締まったリズム隊にのってPsychedelicなギターHammond、そして何よりSteve BrayneとAlex Laneの英国の香り漂うVocalが素晴らしい。そして、楽曲はすべて、この2人の単独作と共作2曲でアルバムが構成されているのであるが、これが全曲ご機嫌なQualityの高さなのが驚きなのである。Engineerは若きRoy Thomas Baker、惜しむらくは、この素晴らしいBritish Psychedelic Popなアルバムが世に出たのが70年であったこと。おそらく、あと数年前に世に出ていたならば、Trafficの『Mr. Fantasy』やManfred Mannの『Mighty Garvey!』、The Zombiesの『Odessey And Oracle』、Status Quoの『Picturesque Matchstickable Messages From The Status Quo』、Blossom Toesの『We Are Ever So Clean』、Pretty Thingsの『S.F. Sorrow』、The Moody Blues の『In Search Of The Lost Chord』、Skip Biffertyの『Skip Bifferty』、Kaleidoscopeの『Tangerine Dream』、Julyの『July』、といったBritish Psychedelicな名作と並び称されてもおかしくない傑作である。そういう意味では69年にリリースされたThe Endの『Introspection』同様に実に惜しい作品である。

 

 『For Fox Sake』はThe Fox70年Fontanaからリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“Secondhand Love”。イントロのOrganとギターから英国の香りムンムンで作者のAlex LaneSoulfulなVocalもイイ感じ。サビのChorusも良き。

Lovely Day”も作者のSteve BrayneのVocalが良い。PsychedelicなギターやOrganもバッチリだし、タメのきいたリズム隊もChorusも実に心地良い。

Alex Lane作の“As She Walks Away”はPsycheなギターが炸裂する前半部から気怠いVocalが雰囲気のタップリ後半がグッとくる。

Steve Brayne作の“Glad I Could”。イントロのPsycheなギターのRiffが最高。Organも大サビのピアノもご機嫌である。

哀感漂うギターのArpeggioから始まる“Butterfly”。これまた作者のBrayneのVocalが良い

ClassicalなOrganから始まる“Look In The Sky”はBrayneとLaneの共作であるが2人のVocalもギターもOrganも最高。

イントロのAlex Laneのピアノが絶品の“Goodtime Music”はModな感じがご機嫌な大好きな曲。ピアノとギターもご機嫌。

Mr. Blank”は哀感漂うLondon CallingなギターとBrayneのVocalがイイ感じで大サビもいかにもなBritish Psychedelic Popドラミングも最高

Brayne作の“Man In A Fast Car”はギターのRiffOrganVocalChorusPsychedelic風味のModな感じで最高。ギター・ソロも良き。

Birthday Card”は哀愁のPsychedelic Pop。Brayneに負けじとLaneも良い曲を書くなあ。

アルバム最後をシメるのは遊園地か何かのSEで始まるBrayneとLane共作の“Madame Magical”。Funkyなリズム隊とVocalが最高。

(Hit-C Fiore)