Ptooff!/The Deviants | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 The Deviantsは最高である。特に本日ご紹介する68年にリリースされた彼らのDebut Album名作中の名作で大好きなアルバムである。今でも時々引っ張り出して聴いているし、おそらく、ずっと聴き続けるであろう。自分はPunk上がりで、当然後追いでNotting Hill Gate界隈60年代から暗躍していたThe Deviants の存在を知ったわけであるが、このアルバムを聴いた時の衝撃といったらなかった。10代の頃からPistolsやThe Clash、The Damned、The Jamに夢中になってPunkを追いかけていたのだが、最初こそ荒々しさや攻撃性を重視していた自分に本当のAnarchismの姿を教えてくれたのはDeviantsに他ならない。丁度、ZappaやThe Velvet Underground、MC5、Can、Amon Düül、Neu!、Faust辺りを聴くようになっていた当時の自分には、やたら破壊衝動に満ち攻撃的なだけでないPunkな精神を彼らから感じ取っていたのだった。The Deviantsは60年代後半にLondon Countercultureの顔役で『Give The Anarchist A Cigarette』の著者であるJournalist/Singer-SongwriterMick Farrenが結成したRock Groupである。あのRobert WyattにProto-Punkと言わしめたThe Deviantsを率いたFarrenは2013年のLondonはBorderline ClubのGig中に倒れて人生の幕を閉じた。The Deviantsは66年から69年まで活動し、北米Tour中にバンドとFarrenは決別し、残りのバンドのメンバーは北米にとどまりFarren抜きでDeviantsを名乗ってLiveを続けた後にLondonに帰国してPink Fairiesを結成している。一方、Londonに戻りJournalistに専念したFarrenはThe Deviantsという名を自身の音楽活動時に使用しており、倒れた時もDiviantsとしてのGigの最中であった。本作はMick FarrenのVocalにSid Bishopのギター、M J McDonnellのベース、 Russ Hunterのドラムスという4人組で織り成すPsychedelicで奇妙に捻じくれまくった混沌とした世界が最高。

 

 『Ptooff!』はThe Deviants68年にリリースしたアルバム。

The DeviantsのAlbumだぜと宣言し、聞こえてくるまばらな拍手が脱力きわまりない“Opening”に続いて“I'm Coming Home”。最初はBritish Beat Groupのような始まり方であるが、途中から時空を捻じ曲げるように唸りを上げるPsychedelicなギターが最高。

Acoustic Guitarの弾き語り風“Child Of The Sky”ではFarrenの力の抜けたVocalが沁みる大好きな曲

Charlie”もFarrenの腑抜けた脱力Vocalがイイ感じのBritish Beat Bandなナンバー。

Nothing Man”はEchoを効かせた音響でPercussionが鳴り響く中、宗教的なChorus隊の歌声がうっすらバックで響き意味深なつぶやき会話RadioをTuningする効果音、アホみたいなタイトルを連呼するヤクザなChorus、素晴らしい。

Garbage”も脱力Chorusがイイ感じで、Psychedelicで酩酊感漂うギターと土着的なドラミングにBlues Harpが心地良い。Bo Diddley Beatにのって脱力Vocal、そして今度はBluesyなBritish Beatな雰囲気で最後をシメるかと思いきや、気の抜けたVocal歪ませた激しいギターが登場し混沌の中、幕切れとなる。

一転して優美且つClassicalなAcoustic Guitrの調べに酔いしれるインスト曲Bun”。

アルバム最後をシメるのは“Deviation Street”。ギターのRiffに続いてFarrenの語り効果音もはさみ独壇場。混沌としか言いようがない、さまざまなCollage歪みまくったギターが飛び交い、RagaBo Diddleyでハチャメチャな世界が面白い

(Hit-C Fiore)