Correct Use Of Soap/Magazine | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

  Magazineを意識して聴くようになったのは、正直に告白すれば大好きなギタリストJohn McGeoch目当てであった。実はMagazineに関していえば、最初は自分にとってはそれほど触手が伸びる存在ではなかったのは事実である。かのManchesterで生まれた数々の名バンド、60~70年代、そしてPost-Punk以降も個性的で魅力的な数々のバンドが登場してきた。Punk以降となれば、やっぱり自分にとってはBuzzcocksの存在は大きく、そんなBuzzcocksの元FrontmanであったHoward Devotoが、もっとPogressiveで伝統的でないバンドを結成するためにMagazineは誕生したと言われていた。そうなると期待度は否が応でも高まりまくってしまうわけで、最初にMagazineの音を聴いた時の拍子抜け感残念感が、ずっと尾を引いていたのであった。肉体的で破壊的なPunkに熱中していた自分にとって、インテリ臭の漂うつかみどころのない曲調のMagazineの楽曲は歌詞を良く読まないと理解するのに時間を要するのであった。そういった自分の勝手な思い込みもあるが、Vocalのチョイとクセの強いHoward Devotoの歌い方が当時の自分にとっては苦手なところであったのかもしれない。John McGeochのギターにBarry Adamsonのベース、Dave Formulaの鍵盤に後にSwing Out Sisterを結成するMartin Jacksonのドラムス、そしてDevotoのVocalというメンツで78年にリリースされたDebut Album『Real Life』、そしてドラムスがJohn Doyleに交代して翌79年にリリースされた『Secondhand Daylight』、ギターの出番が少ないという理由で脱退してしまうJohn McGeoch最後の参加作品となった本作。決して悪い出来ではない。Post-Punkの時代に登場してきたAndy PartridgeThe EdgeKeith LeveneVini ReillyJohnny MarrSteve New、彼らに比較してもJohn McGeochは決して引けをとらない才能を感じさせる。女性ChorusSaxを導入してSly and the Family StoneのCoverなどFunkyな要素も感じさせる本作はPost-Punkの時代の混迷と混沌の80年代の幕開けを飾る早すぎた作品であったのかもしれない。

 

 『Correct Use Of Soap』はMagazine80年にVirginからリリースしたアルバム。ProduceはあのMartin Hannettである。

アルバム1発目は、これだよこれなPunkishな疾走感に満ちたリズムにのってギターが炸裂する“Because You're Frightened”。

Model Worker”も印象的なピアノのRiffに続いてギターのカッティングが絡み、突っ走るリズム隊がガンガン攻めるところが激カッコイイ。

I'm A Party”は60年代的というかMotown的なリズムに怪しいSynthesizerと女性Chorusが不思議な感じで途中でSaxをFeatureしたフォービートを挟んだりするのが面白い。

You Never Knew Me”もドッシリ腰を落としたBeatにのってピアノSynthesizerChorusになんといってもウネるベースがイイ感じ

Philadelphia”は、大好きなSiouxsie and the Bansheesの“Happy Houseじゃん!なJohn McGeochのギターと曲調が良き。

I Want to Burn Again”はこれぞHoward Devoto的な世界が繰り広げられるSynthe Popで、John McGeochのギター・ソロがカッコイイが短すぎ。

なんとSly and the Family Stoneの“Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)”はBarry Adamsonの重たく沈み込むSlapとJohn McGeochのExperimentalなギターがカッコイイっす。

Sweetheart Contract”もSynthesizerが前面に出た彼ららしい屈折したPop感が楽しめる。

Stuck”はBarry AdamsonのベースがウネるFunkyなナンバー。欲を言えば、カッティングを含め激カッコイイJohn McGeochのギターをもっと前面に出して欲しかった。

アルバム最後をシメるのは“A Song From Under The Floorboards”。いあかにも80年代的な装いを既に纏いつつDevoteらしい歌詞と世界観が提示された派手ではないが重要な曲

Model Worker/Magazine

Hit-C Fiore)