Spark Of Love/Lenny Williams  | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Lenny Williamsは、やっぱりTower of Power(以下TOP)のVocalistとしての認知度の方が高いのだろうか?確かに73年の『Tower of Power』から始まり『Back to Oakland』、『Urban Renewal 』と毎年リリースされていったTOPの怒涛の傑作アルバムで、Lenny WilliamsはSoulfulでEmotionalに盛り上げる素晴らしいVocalを披露していた。73年初頭から始まりWilliamsが脱退する74年末までの、この時期こそが商業的にも大成功を収めたTOPの絶頂期であったことは疑いの余地はないだろう。ベースのFrancis Rocco PrestiaとドラムスのDavid GaribaldiというAfrican-AmericanではないBay Area屈指のFunkyで躍動感に満ちたリズム隊を有した彼らが、Sax奏者Emilio Castillo率いるキレキレのHorn隊とLenny WilliamsをFrontに立て、一躍Bay Area Funkの雄として全国区の人気を集めた頃である。そんなTOPを脱退してソロ活動を開始したLenny Williams。全盛期のTOPの派手さこそないものの、ソロ・アルバムのQualityは、決して低いものではないArkansas州Little Rockに生まれたLenny Williamsは、幼少時に家族でCalifornia州Oaklandに移り住んでいる。Trumpetを学び音楽に興味を持ち始めたWilliamsはBay AreaGospel Choirで歌い始めると、やがてAndraé CrouchやEdwin、WalterのTramaine兄弟Tramaine HawkinsSly StoneBilly Prestonらと仕事をし、地元のいくつかのTalent Contestで優勝を勝ち取るとFantasy RecordsGalaxyAtcoからSingleをリリースしている。そしてTOPに3代目Vocalistとして加入するのであった。再びソロに戻り74年1st AlbumPray For The LionEugene McDanielsをProducerに迎えWarnerからリリースしている。75年にMotownから『Rise Sleeping Beauty』をリリース、本作はTOPのHorn隊も参加した77年リリースの『Choosing You』に続くABC第二弾のアルバムとなる。

 

 『Spark Of Love』はLenny Williams80年にリリースしたアルバム。

ベースに Abraham LaborielNathan Watts、そしてFunkadelicのWilliam "Billy Bass" Nelsonが参加しているのが嬉しい。ドラムスにはJames GadsonOllie BrownRaymond Poundsに大好きなEd Green、ギターには"Wah Wah" WatsonPaul M. Jackson Jr.Lee RitenourClarence DraytonにDebut AlbumからWilliamsの片腕ともいえるDavid Stallings。鍵盤はGregory PhillinganesLeonard CastonReginald Burke、PercussionにPaulinho da Costaという腕利き集結の豪華な演奏陣

アルバム1発目は“I Still Reach Out”。Stringsが駆け巡り女性Chorusが盛り上げるDiscotiqueFunkyなClavinetもイイ感じ。

You Got Me Running”はSringsは過剰であるが、重たいベースエレピ・ソロがイイ感じ。

Daryl Hall & John Oatesを思わせるPopでMellow、そしてSoulfulな“Midnight Girl”。FalsettoをまじえたWilliamsの歌いっぷりが良い。

Think What We Have”は必殺のBallad。この人はBalladも最高なのだ。後半の入魂のShoutは圧巻である。

Songwriterとしても定評のあるWilliamsがMichael Bennettと共作した、込み上げ系Ballad'Cause I Love You”。ここでもEmoltionalにDeepに歌い上げるWilliamsに脱帽。後半の盛り上がりはグッとくるものがある。

René & Angela作の“Changes”は軽快なギターのカッティングで始まる高揚感に満ちたナンバー。Angela WinbushはChorusでも参加しCuteなScatで魅了してくれる。

イナタくもドッシリと地に足をつけ生命感に満ちたHalf Past Love”。

アルバム最後をシメるのは哀感漂うBalladLove Came And Rescued Me”。“天国の階段”みたいな感じが漂うもお涙頂戴に終わらない。

(Hit-C Fiore)