Syl Johnsonの男くさくてStreetを感じさせる黒々とした歌声はやっぱり最高だ。Syl JohnsonことSylvester ThompsonはMississippi州に生まれ10代の頃に家族と共にChicagoのSouth Sideに移り住んだ。50年代には、Magic SamやBilly Boy Arnold、Junior Wells、 Howlin' WolfといったBluesの大物たちと共演し、59年にはJimmy ReedのVee-Jay盤のRecordingに参加している。そして、CincinnatiのKing Records傘下のFederal RecordsからDebut Single“Teardrops”をリリースしている。なんと、そこでFreddie Kingがギターを弾いているのが興味深い。しかし成功には程遠く日雇いのトラック運転手としての仕事も続けていたという。それでも地元のMinor LabelでのRecordingを数年続けClubでも定期的に演奏するなど叩き上げのMusician魂を発揮し、60年代半ばになると、ChicagoのSoul Label Twilight/TwinightでRecordingを開始するようになる。67年に初のヒット曲となった“Come On Sock It to Me”を皮切りに、ヒットを連発、武骨でStreet感覚に満ちた魅力あるSingerとしてのみならず、Songwriter、Producerとしても、その才能を発揮していくようになる。何よりAfrican-AmericanとしてのIdentityや社会問題に真っ向から取り組んだ曲を書き、公民権運動にも影響を与えたという69年にBillboard R&B Chartで11位を獲得した“Is It Because I'm Black”は名曲中の名曲である。71年にはWillie MitchellによってSyl JohnsonはHi Recordsに移籍して、ここでも素晴らしい作品を残すことになる。さて、本日ご紹介するSylのDebut AlbumはTwilight/Twinightでの初期Singleを中心にまとめたアルバムで、30代前半のBluesyかつFunkな魅力を併せ持つSylの歌声を楽しむことが出来る。男気溢れ、生命感に満ち溢れたSylのVocalを思う存分に楽しめる名盤である。
『Dresses Too Short』はSyl Johnsonが68年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目はタイトル曲“Dresses Too Short”。Willie Mitchellの制作によるHiでの録音で、ドッシリガッツリ深みのある歌声が映える。
“I Can Take Care Of Business”はゆったりしたBeatにのってSylの黒々としたVocalが愁いを帯びながら歌い上げる南部風味のBallad。
“Different Strokes”はSylの本領発揮のFunkyにキメるナンバー。イントロのかけ声から気合が入っている。Horn隊との掛け合いも最高。
“Soul Drippin'”もイントロのHorn隊から心が躍るFunky Soul。女性Chorusを従えてSoulfulに歌い上げるSylがカッコイイ。
女性Chorusを従えマッタリしつつも黒さを湛えたSylの男気あふれる歌いっぷりが光るSuffle“Fox Hunting On The Weekend”。
これまたイントロから思わず腰が動くFunkyに弾けまくる“Ode To Soul Man”。
“Come On Sock It To Me”もイナタいギターとHorn隊をバックにSylの黒々としたShoutが炸裂するFunky Soul。
Joe TexへのAnswer Song“I'll Take Those Skinny Legs”。
Organと女性Chorusがイイ味出している“Try Me”。ぶっといベースもご機嫌で無骨で黒々としたSylのVocalがカッコ良すぎ。
“Same Kind Of Thing”もHorn隊と共にSoulfulにキメまくるSylが最高。Deepなのにキレキレっすなあ。
“I've Got The Real Thing”はイントロのギターとSaxから最高なFunky Soul。
最後をシメるのは“Sorry 'Bout Dat!”。これまたイントロのギターがご機嫌。Horn隊とぶっといベースが心地良すぎるFunky Shuffle。
(Hit-C Fiore)