Sharon RidleyといえばMs. (Sharon) Ridley名義で78年にTabu Recordsからリリースされた幻想的で美麗なジャケットが印象的なアルバム『Full Moon』がご機嫌であるが、本日ご紹介するのは、Van McCoyがProduceして71年に西海岸の名門Label SussexからリリースされたDebut Album。艶やか且つ伸びやかなVocalが印象的なSharonであるが、元々は鍵盤奏者としてもSongwriterとしても才能がある人だったようだ。上述の2nd Album『Full Moon』でもそうだが、77年にABC RecordsからリリースされたFour TopsのDiscotiqueで大好きなアルバム『The Show Must Go On』でもSharonは鍵盤を弾き、Rhythm Arrangementsも担当して、“See The Real Me”という楽曲を提供している。本作では Van McCoyにArrangementsと楽曲も委ね、SharonはVocalに徹している。McCoyは相棒Joe Cobbと共にアルバム全6曲すべてを書いている。演奏陣も中々充実している。ベースにGordon Edwards、ギターにはSoul/Jazz系で名手ぶりを発揮しているBilly Butler、ドラムスには50~60年代前半にDuke Ellington And His Orchestra、70年代にはThe Sun Ra Arkestraで叩いていた名手Jimmy Johnson、鍵盤にはBroadway方面でも活躍していたGeorge Butcherといった腕利きのメンバーが揃い、いぶし銀の演奏で支えている。しかし、Sharonはアルバム2枚と10枚ほどのSingleを残してSceneから姿を消してしまったのだった。実に残念である。本作では初々しくもJazzyなTasteを仄かに感じさせるSharon独特のVocalが楽しめる。個人的にはSharon Ridley & Van McCoy名義で73年にSilver Blue Recordsからリリースされた7", 45 RPM, Singleの“I'm In Your Corner / To Make A Long Story Short”も結構お気に入りだっただけに、この路線での作品をもっと聴いてみたかったところである。
『Stay A While With Me』はSharon Ridleyが71年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目は“Stay A While With Me”。じっくり歌い上げていく、こういう曲を1曲目に持ってくるあたり、SharonのSingerとしても自信が伺える。伸びのある艶やかな歌声であえて抑え気味で歌っている。
ピアノとHarpsichordのイントロがご機嫌な“Where Did You Learn To Make Love The Way You Do”。女性Chorusも加わるり雰囲気タップリ。 Billy Butlerのギターがご機嫌で、Sharonの小粋なVocalがイイ感じにキマっている。
“When A Woman Falls In Love”は気合の入りまくったStringsをバックにSharonが丁寧に歌い上げていく渾身のBallad。あえて大仰に歌い上げず、抑え気味のSharonの表情豊かなVocalが良い。
“Where Does That Leave Me”は1分近い長いイントロに続いてSharonのVocalが登場するところは何回聴いても素晴らしい。哀感漂うBalladではあるが、Sharonの抑えたCoolな歌い方が良い。Stringsが頑張っちゃっているが、もう少しChicにキメてくれたら最高だったのに。B面3曲は全てBalladである。
カッコイイBreakbeatで始まる“You Sold Me A One Way Ticket”はタメのきいた懐の深いリズム隊にのってSharonがSoulfulな歌唱で本領発揮。個人的にはやっぱり、ここでもStrngsが少々煩すぎる気がするけれど、Sharonの伸びやかなVocalを盛り上げてはいる。
アルバム最後をシメるのはなんともSentimentalなイントロから始まるScaleの大きいBallad“I Found Him, I Loved Him, I Lost Him”。Stringsがこれでもかと盛り上げ、Sharonも堂々と歌い上げている。ここでも少々Stringsが目立ちすぎるきらいはあるものの、艶のあるSharonのVocalは、こういう路線でもバッチリである。
(Hit-C Fiore)