Starry Eyed And Laughingというバンドは、70年代に活動期間はわずか3年ほどの短い間ではあったけれど、CBSにアルバム2枚と5枚ほどのシングルを残している。Bob Dylanが64年にリリースしたアルバム『Another Side of Bob Dylan』に収録されている“Chimes of Freedom”の1節から、そのバンド名を付けて活動を開始した彼らは、元々はTony Pooleが幼馴染のRoss McGeeneyとBedfordにある学校で結成したバンドが解散した後、Londonで再会した時に組んだAcoustic Duoから始まっている。彼らは初期の所謂Pub RockのCircuitで活動していたバンドで、74年4月にThe Roundhouseで行われた音楽雑誌ZigZagの5周年記念のCocertに出演している。同年にCBSと契約してSingle“Money Is No Friend Of Mine”とDebut Album『Starry Eyed And Laughing』をリリースしている。Rickenbackerの12String Guitarを弾くTony Poole、Clarence WhiteばりにFender Telecasterを弾くRoss McGeeneyに加えてベースのIain Whitmore、ドラムスのMichael Wackfordという4人組に、Guestで名手B. J. ColeがPedal Steel Guitarを弾いている他、HarpsichordでPeter Wood、MandolinでLindisfarneのRay Jacksonが参加している。本作は翌75年にリリースされた彼らの2nd Alubum。残念ながら本作は彼らの最後のアルバムとなってしまった。OrganでJeff Bannister、VibraphoneでFrank Riccottiが参加している。Bob Dylanの影響を受けた字余りVocalのTony PooleとPaul McCartneyの影響を受けた英国らしいPopな楽曲をGentleなVocalで歌うRoss McGeeneyの2人の個性がこのバンドの魅力である。1st Albumはこの2人の楽曲で占められていたが、本作では他のメンバーも作曲に加わっている。
『Thought Talk』はStarry Eyed And Laughing が75年にリリースしたアルバム。
アルバム1発目は“Good Love”。前作の印象からすると、幾分Hardなギターに導かれて始まり驚くが、Popで親しみやすいMelodyに爽やかなChorusがイイ感じ。メンバー全員の共作。
“One Foot In The Boat”は疾走感に満ちたリズム隊にのって奏でられるイントロの12String GuitarのArpeggioやChorusがご機嫌である。ツイン・ギターのソロも良き。このバンドは息の合ったChorusが絶品である。Tony Poole単独作。
ベースのIain Whitmore作の“Since I Lost You”。頼りないけれどGentleVocalもWhitmoreか。
ギターのRoss McGeeney作の“Down The Street”。Pub Rock Circuit叩き上げのバンドだけに演奏が上手い。70年代半ばの英国のバンドらしさに満ちている。
Michael GoreがCelloのArrangementを担当した“Fool's Gold”はVibraphoneも加わったAcousticなBallad。
McGeeney作の“Believe”。爽やかでチョッと甘く切ないChorusとGentleなVocalがイイ感じ。ギター・ソロもChorusも気持良い。Vibraphoneもイイ味を出している。
ノリノリのRock & Roll“Keep It To Yourself”。こういう曲でもChorusがバッチリ。
McGeeney作の“Don't Give Me A Hard Time”。BeatlesやWingsを思わせるPopで軽快な曲。Chorusが最高。
HardなギターのRiffから始まるFunky Rock“Flames In The Rain”。バックの演奏に反してVocalとChorusはFolk Rokなのが面白い。
アルバム最後をシメるのはタイトル曲“Thought Talk”。ベースが
ウネる5拍子のリズムにのってScat Chorusが炸裂する激カッコイイ渾身のインスト曲。ギター・ソロも良き。PooleとMcGeeneyの共作。
(Hit-C Fiore)