Going Up/RAH Band | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 RAH Bandの“Perfumed Garden (With Scented Strings)”という大好きな曲があるのだが、上手くいかなくてモヤモヤしていた物事が一転してバッチリいい結果を出せそうな、上昇気流にのった時に、突如Melodyが頭の中で鳴り響いたりする。また“Riding On A Fantasy”はHappyな気分の時に思わず口ずさんでいたりする。そんな風にRAH Bandの音楽には何気に影響を受けて自分の生活の中に知らぬ間に根深く入り込んでいたりするのだ。所謂アゲの気分というかUpperで絶好調という時に、そう、今でいうとNewJeansな感じで音楽が流れ出す。高揚感に満ちた欧州的な香り漂いつつも、どこか無国籍なRetro Futureな感じ。RAH Bandは英国出身のProducerArrangerConductor、そしてMulti-InstrumentalistであるRichard A. HewsonによるStudio Project Group60年代にArrangerとして活動を開始し、BeatlesやBee GeesJames Taylor、 Mary Hopkin らと仕事をしてきたMaestroである。名門Guildhall School of Music and DramaGeorge Martin後輩であったHewsonはPhil SpectorのProduceで糖分過多のWall of Soundに仕上げられPaul McCartneyの怒りを買ったBeatlesの悪名高い“The Long and Winding Road”のOrchestraのScoreを書き指揮した人物でもあるのだが、後にPaulとは和解し、Paulも仕事を依頼しているのは興味深い。さて、本作はRAH Bandの3作目となるアルバム。Hewsonが作詞作曲、Produce、Arrangementに演奏も手掛け、ドラムスにはBarry De Souzaというのは78年にリリースされたDebut AbumThe Crunch & Beyond』以来変わらない。本作ではドラムスにBarry MorganとPeter Boitaも参加している。前作に続いて名手Ray WarleighがSaxで参加している。そして本作からHewsonのPartnerのLizことElizabeth Hewsonが参加してCuteなVocalを披露している。冒頭に書いたお気に入りの2曲が収録されたアルバムである。Brit Funkが盛り上がっていた頃にリリースされ、その流れで人気を集めるが、今聴くと、打ち込み生ドラムSaxのバランスが素晴らしいSpacyなElectro Funkが、これまた新鮮で面白かったりする。全曲ご機嫌な名盤である。

 

 『Going Up』はRAH Band83年TMT Recordsからリリースしたアルバム。

アルバム1曲目は“Messages From The Stars”。昨年リリースされた初期3作とRemixやVer違いを収録した5CD BOXのタイトルでもある。CoolでCuteなLizVocalがご機嫌なSpacyなElectro Funkが最高。

祝祭感に満ちたRoll Me Down To Rio”はイントロからアゲアゲBrazilian Vocoder Boogie

上述の“Perfumed Garden (With Scented Strings)”も高揚感に満ち溢れたサウンドCuteなLizのVocal夢見心地にさせてくれる。

Hunger For Your Love”はTechnoなイントロからUpperなDiscotiqueへ展開するがVocoderウネるSynthesizerソロCuteな女性Choorusがたまりまへん。

Spacyでキラキラしたイントロから惹きこまれてしまうSam The Samba Man”。囁くように歌うLizのVocalもたまらんすなあ。

イントロからアゲアゲのUpperな“Winter Love”も魅力的なMelodyを持ったナンバー。Saxソロもご機嫌。

イントロのSequencerが心地良いTears And Rain”は日本人好みの哀感を感じさせるナンバー。キラキラしたSynthesizer80年代を感じさせてくれて今聴くと新鮮でイイ感じ。

パンチの効いたVocalPercussion心地良く鳴り響くTwo Bodies”。これまた80年代Brit Funkな香りがイイ感じ。

何か楽しいことが始まりそうなイントロから夢見心地の“Party Games”は高揚感に満ち溢れたナンバー。盛り上がっていく後半のSynthesizerソロも最高。

アルバム最後を飾るのは上述の“Riding On A Fantasy”。幻想的なイントロで始まりCuteなLizのVocalが炸裂Saxが朗々と鳴り響き気分は最高

 

Perfumed Garden (With Scented Strings)/RAH Band

(Hit-C Fiore)