O'Bryanは80年代に活躍したR&B Singer、Songwriter、 Multi-Iinstrumentalist、Producerである。O'Bryanといえば、83年から87年にかけて「Soul Train」のTheme Songとなった“Soul Train's A 'Comin'”である。自分が最もBlack Musicにのめり込んでいた時期だけに思い入れが強い。O'BryanことO'Bryan McCoy Burnette IIは6歳の時にピアノを弾き始め、教会で歌い、地元のTalant Showでも、その歌声を披露するようになった。74年に家族でCalifornia州のSanta Anaに引っ越すと、聖歌隊で歌っているところを見いだされ、Norman Harrisの友人で、Sigma Sound StudiosのStudio Musicianとして活躍しThe Trammpsの鍵盤奏者で、MFSBとSalsoul Orchestraのメンバーとしても知られるProducerのRon Kerseyに紹介される。Kerseyは自分のバンドにO'Bryanを参加させたが、バンドは残念ながら解散、O'BryanはKersyによって「Soul Train」の司会者/Producerで、創設者でもあったDon Corneliusに紹介されることになった。こうしてO'BryanはCorneliusの力添えもありCaptol Recordsと契約を結ぶことになるのである。本作は82年4月にCaptolからリリースされたO'BryanのDebut Album。80年代にCapitolから4枚のアルバムをリリースすることになるが、4枚すべてが素晴らしい出来である。ところが、この才能に満ち溢れたO'Bryanは、86年にリリースされた4枚目のアルバム『Surrender』を最後に突如としてSceneから姿を消してしまうのであった。一体何があったのか真実はわからないが、契約上でゴタゴタがあったらしい話が伝わっている。そして突然、2007年に復活作『F1rst』をリリースするのであった。本作はDebutまもないO'Bryanの勢いのある溌剌としたVocalと優れたSongwritingが光るご機嫌な作品に仕上がっている。ProduceはDon Cornelius、Ron Kersey、Melvin Davis、そしてO'Bryan自身。Melvin DavisのベースにBloodstoneのMelvin Webbのドラムス、 L.T.D.のギターJohnny McGheeも最高だ。他にはGreg PhillinganesやWilton Felder、Terry Harrington、Paulinho Da Costa、The Waters、Jeffrey Osborne、Sam Deeらが参加してイイ仕事をしている。楽曲の出来も演奏も素晴らしいが何よりBalladeerとしてのO'Bryanの魅力は格別である。
『Doin' Alright』はO'Bryanが82年にリリースしたアルバム。
アルバム1曲目は“Right From The Start”。いきなりンペンペぶっといSlap Bassが炸裂し、華麗なStringsが舞い、優男風のVocalが実にハマっている。引き締まったリズム隊にのってHoorn隊もStringsもビシバシとツボにくるご機嫌なFunk。
イントロのエレピから夢見心地になってしまう必殺のBallad“Love Has Found Its Way”。寄り添うStringsとChorusも素晴らしい。何より楽曲もO'Bryanの歌いっぷりも最高としか言いようがない。曲良し歌良し演奏良しの極楽気分。
“The Gigolo”は当時のPrinceを彷彿とさせる性急なRock BeatにのせてFalsettoで迫るO'Bryan。Greg PhillinganesがSynthesizerがFunkyにウネっている。まあ、これはご愛嬌か。
“It's Over”はHornが高らかに鳴らされて始まり、タメのきいたリズム隊にのってO'Bryanの溌剌とした歌い方も最高。Wilton FelderのTenor SaxやJeffrey OsborneやSam DeesのChorusもご機嫌である。
タイトル曲“Doin' Alright”はMelvin DavisのBassとRhythm Arrangementが冴えわたる心地良くMellowなFunk。Horn隊やStringsもイイ感じ。
“Can't Live Without Your Love”もThe WatersのChorusがイイ感じの素晴らしいSoul Ballad。Greg PhillinganesのアコピとRon Kerseyのエレピもイイ感じ。
“Mother Nature's Callin'”はウネるSynthesizerとキレのカッティング・ギターと、ぶっといSynthesizer Bassがご機嫌なFunk。Terry HarringtonのToner Saxソロもカッコイイ。
アルバム最後をシメるのはThe Four Topsの“Still Water (Love)”。Smokey RobinsonとFrank Wilson共作の70年のヒット曲。これまたもJeffrey Osborne、Sam Dees、The WatersらによるChorusを従えて雰囲気タップリに歌い上げるO'Bryanは最高である。
◎Love Has Found Its Way/O'Bryan
(Hit-C Fiore)