Mandré/Mandré | BLACK CHERRY

BLACK CHERRY

JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 SpacyなDisco/Funkモノに一時どっぷりハマッたことがあった。欧州系、特にItaly産に結構面白いものがあって、結構つぎ込んでしまったものだ。Disco/Funkの本場ともいえる米国でも70年代後半に、中々興味深い連中が続々と参入してきたようだ。本日ご紹介するのはMandréが残した唯一のアルバム。MandréというのはMaxaynというFunk BandのLeaderだったAndre Lewisという鍵盤奏者によるUnitというかProjectで、実質はAndre一人でGuestと共に制作しているようだ。Buddy MilesやFrank ZappaJohnny Guitar WatsonLaBelleと演奏していたことでも知られるAndreはCrackin'の才人Lester Abramsともバンドを組んでいたこともあったそうだ。ZappaとはThe Mothers Of InventionからGeorge Dukeが脱退した後任として76年作の『Zoot Allures』で鍵盤とBacking Vocal、『Sheik Yerbouti』でBacking Vocal、『Shut Up 'N Play Yer Guitar』で鍵盤での参加が確認できる。Johnny Guitar WatsonとはAbdreがBand Leaderとして重要な役割を担っていたようだ。興味深いことにRoky Ericksonなんかとも演奏している。AndreがMaxayn解散後にMotownと契約してElectronic Funk/Discoを追求したのがMandré名義でのアルバムである。SapcyなSynthesizerが前面に出てきてはいるものの、ありがちな無機質のElectronic Funkではなく、Horn隊Chorus隊もまじえつつ、Andre自身の魅力的なVocalもあってFunkyかつBluesyな人間味あふれる仕上がりとなっているのが特筆すべきところ。この辺はDaft Punkどころか、あのZappの先をいっていたのではと思ってしまう。本作ではFrank ZappaやJohnny Guitar Watson作の楽曲も演奏しており、Andreの出自が伝わってくるところも個人的にはツボである。

 

 『Mandré』はMandré77年Motownからリリースしたアルバム。

アルバム1発目は“Keep Tryin'”。イントロからSpacyなSynthesizerをバックに高らかにHorn隊が鳴らされて、Gentleだけど適度な粘着度が黒さを感じさせるVocalChorusを伴ってご機嫌なCosmic Funkに仕上がっている。SpacyなSynthseizerソロがキマっている。

これまたイントロから幻想的なSynthesizerによるCosmic Worldが展開される“Solar Flight (Opus I)”。しかしMelodyは哀感漂うベタな歌謡曲風。このギャップもまた面白い。ここでもSynthseizerソロがイイ感じ。

Electric PianoHarmonica郷愁を誘うInterlude”。こういう人間味あふれるRomanticなナンバーが挟まれているバランス感覚もAndreの才能である。

Johnny Guitar Watson作の“Masked Music Man”はSlap BassがビシバシのEarthyでCosmicなFunkSpacyなSynthesizerが唸りを上げる中、BluesyなChorusとVocalがイイ感じ。

BeatlesもCoverしたBarrett Strongの“Money (That's What I Want)”もChorus隊とHorn隊がイナタさ全開で人間味あふれる仕上がりになっている。

Wonder What I'd Do”はRomanticMellowなナンバー。Vocalもイイ感じで、これはこれで実に心地良くてお気に入りである。

Frank Zappa73年の名作『Over-Nite Sensation』収録曲“Dirty Love”。女性Chorusを従えてDiscotiqueな仕上がりだが、AndreのVocalやSynthesizerが実に素晴らしい。Synthhesizerソロも黒光りしていてBluesyなフレージングがご機嫌だ。

アルバム最後をシメるのはJohnny Guitar Watson作の“Masked Marauder”。

(Hit-C Fiore)