本年もよろしくお願い致します。
英国のWest LondonはUxbridge生まれの職人タイプのSession Guitarist Big Jim SullivanことJames George Thompkins。彼が10代であった50年代後半に始まるそのCareerは、Session Musicianとして60~70年代の英国において、さまざまなStyleのギターを弾ける名手と重宝され、引く手もあまたの売れっ子ギタリストで大活躍という立派なものであった。何しろ、その生涯において、54のUK Number One Hitを含む約750のCahrat InしたSingleで演奏していたというのだから驚かされる。とにかく英国で膨大なSession Workで名作に関係してきたFirst Callの偉大なギタリストなのであった。なんといってもGeorgie Fameの大名盤『Rhythm And Blues At The Flamingo』や全英Chartで65年にNo.1を獲得した“Yeh, Yeh”でギターを弾いているのだから気にならないわけはないのである。他にもBrian Bennett、Rolling StonesやBilly Fury、Cilla Black、そしてTom JonesやShirley Bassey、Dusty Springfieldの作品に参加、The Whoの『Tommy』のOrchestral VersionのArrangementsを担当するわ、英国以外でもSerge Gainsbourgの『Histoire de Melody Nelson』でギターを弾いたりFrank Zappaの『200 Motels』に参加したり大活躍。英国で最初にRecordingでWah-Wahを使ったりSitarの名手としても有名である。何より、近所に住んでいたという、あのRitchie Blackmore先生のお師匠様であったり、また、弟子筋のJimmy Page先生が、Big Jimに対してLittle Jimと呼ばれてしまう位なんだからしてスゴイ人なのである。そんなBig Jimが70年代後半に結成したTigerというProject。ベースに名手Phil Curtis、ドラムスにはBrinsley SchwarzのBilly Rankin、鍵盤奏者はDave McCraeとあるが、New Zealand出身でMatching MoleやIan CarrのNucleus、Mike Westbrook Orchestraで素晴らしい才能を発揮し、奥方のJoy Yatesと2枚の大傑作アルバムを残した名Group Pacific Eardrumを結成したDave MaCraeであろうか。
『Tiger』はTigerが76年にリリースした1stアルバム。
アルバム1発目は“Lay Me”。Big Jim Sullivanの速弾きがここぞとばかりに炸裂する。
幻想的なArpeggioで始まる“Ordinary Girl”は途中からHardに展開して英国らしい重たいRhythm Sectionをバックに泣きのギターも披露される。Dave McCraeのSynthesizerが存在感を発揮する。
続いてもSynthesizerとギターのArpeggioが独特の雰囲気を作り出す“Lay Back Stay Back”。しかし歌メロとVocal、Chorusはありふれた、いかにも時代を感じさせるものである。Synthesizerのソロは中々カッコイイし、Big Jimのギター・ソロはSlideも炸裂したりして、これまた聴きモノではあるが。
Mellotronも飛び出す“Prayer”は何とも大仰なイントロと歌い上げてしまう熱唱型のVocalにゲンナリさせられてはしまうがBig JimのAcoustic Gutarと泣きも入ったギターはイイ味を出している。
ギターの激カッコイイRiffで始まる“I'm Not Crying”は男気に満ちたHard Boogie。ザクザクしたギターが刻む熱いShuffleに思わずヘドバンかましたりして。
SpacyなSynthesizerのイントロで始まる“Long Time”。Big Jimの泣けと言わんばかりのギターがイイ感じ。泣きとは言っても決してシミったれた感じならないのが良い。Vocalも少しはSoulfulな部分も感じせてくれてはいる。
Phil Curtisのベースが頑張るFunkyな“Suzy Slicker”。最初はベースとギターのカッティングがせっかくFunkyにキメているのだが曲調は大仰なBメロが残念な感じ。Big Jimの怒涛のギター・ソロで持ち直す。
アルバム最後を飾るのは“Tyger, Tyger”。気怠げなVocalがイイ感じの幻想的でScaleの大きなBallad。
(Hit-C Fiore)