杉並から新しい風が吹いた。太郎の応援は大きかったけれど、けっしてそれだけではない。党派を越えて地元の人々のために頑張ってきた、親しみやすく、老若男女、誰からも愛される人間性、地元の人間はわかっているのだ。ゼロ打ちに何の不思議はない。自転車に乗って街の行き交う人々に爽やかな笑顔をみせる。会って話せば誰でも彼女のファンになってしまうだろう。市井の人々に寄り添い、懸命に話を聞いて相談にのってきた彼女が選ばれて本当に嬉しい。なんと東京8区の投票率は東京25選挙区1位の61%。当選した彼女の事務所には、彼女に投票したというれいわや共産党の支持者の方や、維新支持のオジサンや今まで自民に入れていたというオカアサンまでやって来た。『立憲も、れいわも大嫌いだけど、頑張ってきたはるみちゃんだから投票したんだ』オジサンはそういった。彼女以外の人間が出馬したら、決してこうはならなかっただろう。商店街の連中もみんな、気軽にはるみちゃん!と呼ぶ吉田はるみ。映像でも、まず深く頭を下げ、共産党とれいわ新選組に心からの敬意と感謝の意を伝えるところが彼女らしい。
ファンの方には大変申し訳ないけれど、Electric Light Orchestra(以下ELO)は自分にとって苦手というか、中々積極的に手が伸ばせないバンドであった。彼らの有名な70年代のアルバムを一通り聴いてみたけれど、縁遠い存在となってしまった。ELOの母体となったThe Moveについては、デビュー・アルバムは勿論、次作の『Shazam』まで、もう大好きで仕方ないわけで、これはあくまでも個人的な好みの問題なのであろう。英国のバンドというと、どうしても自分は楽曲に洒落っ気とか一捻りしたりという部分を求めてしまうけれど、Roy Woodの場合は好き嫌いが分かれるにしても、その激し過ぎる振れ幅や時に過剰になってしまう部分も含めて自分のツボなのであった。そんなRoy Woodが結成したELOだけれど、1stアルバム『The Electric Light Orchestra』は大きくFeatureされるCelloやOboe、Bassoon、Clarinet、Bass Clarinet、RecorderにClassical Guitarやベース、ドラムスまで演奏してしまうRoyの才気走った感覚が、Roy特有のお腹一杯感で迫ってきて、彼らのSymbolである電球が写っているジャケットともども正にバンド名そのものといった感じではあった。The MoveのRoy、Jeff Lynne、Bev Bevanと共にFrench HornとViolin奏者が正式メンバーとしてCreditされていて、意気込みは伝わってくるがBeatles直系とはいえ、なんとも甘ったるいMelodyが出てくるとチョッと厳しい感はあった。そして案の定、次作『ELO 2』の録音中にRoyは脱退してしまうのである。しかし、Chuck Berryの“Roll Over Beethoven”をCoverしてBeethovenの“運命”として知られる“Symphony No. 5”の、あの有名なMelodyを冒頭からぶち込む余りにもベタな感覚は、彼らが米国で大成功を収めるのが良くわかるところではある。本作はそんな初期ELOの米国での演奏を収録したLive盤である。これが結構イイ感じで、ELOのアルバムで一番好きなのであった。
『The Night the Light Went On in Long Beach』はElectric Light Orchestraが74年にリリースしたLive Album。74年5月12日の米国California州のLong Beach Auditoriumでの演奏を収録している。Jeff LynneのギターとVocalに、Bev Bevanのドラムス、鍵盤にRichard Tandy、ベースにはMike de Albuquerque、そしてHugh McDowellとMike EdwardsのCelloにMik KaminskiのViolinというメンツ。
アルバム1発目は“Daybreaker”。冒頭のバンド紹介に続いて不穏なOrchestraの響きがテンションを上げる、そしてギターがかき鳴らされバンドの演奏が始まると、Moog SynthesizerのRiffに導かれてノリノリのShuffleが始まる。
“Showdown”はJeffのFalsettoもまじえた歌いっぷりやギター・ソロがイイ感じ。後半のインスト部分もカッコイイ。個人的には、この路線でいってくれればELOをもっと好きになったのだが。
The Beatlesの“Daytripper”はベタな選曲ではあるが、管弦楽の響きが意外にマッチしている。
“10538 Overture”はELOのDebut Single曲。Popではあるが後の彼らにはない熱く燃えたぎるRock魂が無骨なリズム隊と共に感じられる。
Mik KaminskiのViolinソロをFeatureした“Mik's Solo / Orange Blossom Special”。
Griegの“Peer Gynt Suite No.1 Op.23-4”にJerry Lee Lewisという“In The Hall Of The Mountain King / Great Balls Of Fire”のMedleyは流石にベタな選曲っすなあ。しかし、この分かり易さが米国ではウケるのである。
最後をシメるのは、やっぱりお約束の“Roll Over Beethoven”。これで盛り上がらなくてどうするのノリノリの演奏。Tandyのロッケンで激しいピアノ・ソロやJeff LunneのChuck Berry愛に満ちたギター・ソロがイイ感じ。
(Hit-C Fiore)