Aralume/Quinteto Armorial | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

 Quinteto Armorialは70年代にBrasilはPernambuco州の州都である港湾都市のRecifeで結成されたInstrumental Music Group73年Marcus PereiraによってBrasilで設立されたIndependent LabelDiscos Marcus PereiraからDebut Albumとなる『Do Romance Ao Galope Nordesti』をリリースしている。Discos Marcus Pereiraは15年間ほど存続して140枚を超えるアルバムをリリースしているが、最も良く知られているのはCartolaのアルバムであろう。ViolinistaやCantor、Dançarino、Actorとしても名を知られ、Nordesteと呼ばれるBrasil北東部伝統音楽文化を研究/継承し探求を続け、表現してきたAntônio NóbregaことAntonio Carlos Nóbregaも在籍していたQuinteto Armorial。彼らは80年にリリースされた『Sete Flechas』まで全部で4枚のアルバムをリリースしているが、すべてこのLabelから世に出たものである。Nordesteの音楽や文学、映画、演劇、舞踏、建築といったあらゆる芸術的表現を伝え、尊重し継承し再構築していことするMovimento Armorialという動きの中からQuinteto Armorialは生まれた。素朴なillustrationが印象的なジャケットの1st Albumの『Do Romance Ao Galope Nordestino』ではClassical Guitar(Violão)のEdison Eulálio Cabral、Piccolo Flute(Pífano)、Flute を演奏するEgildo Vieira、Steel Guitar(Viola Sertaneja)のAntonio José Madureira、Violin, Rabecaを演奏するAntonio Carlos Nóbrega de Almeida、Berimbau(Marimbau Nordestino)を演奏するFernando Torres Barbosaという5人によって制作された。古楽、伝統音楽、特に中世の民謡と北東部の伝統音楽をRabecaやPífanoやViola Caipira、Violão、Zabumbaなどの楽器を使って室内楽的に演奏するスタイルを最後まで貫き通した彼らのアルバムはNordesteを語る上で欠かせないものだ。

 

 『Aralume』はQuinteto Armorial76年にリリースした2枚目のアルバム。2曲を除き、すべてAntonio Carlos Nóbregaの作曲。

アルバム1曲目は“Lancinante”。ViolinViolãoなどAcousticな弦楽器の素朴な響き軽やかに舞うFlute典雅で心地良い

Improviso”はAcoustic Guitarの演奏のみ生命感に満ちたNordesteらしい旋律を紡ぎ出している。

続いて“O Homem Da Vaca E O Poder Da Fortuna”は4つのPartからなる組曲で、まずOpeningとなるFluteと弦楽器RiffPercussionにのって始まる“Abertura”、からAcoustic Guitarの爪弾きに優美なViolinが絡む“A Preguiça”、祭り太鼓のようなPercusiionが面白い“A Troca Dos Bichos”、最後は悲し気なViolinのフレーズで始まりFluteAcoustic Guitar牧歌的なEnsembleで魅了する“Ironia Ao Rico”。

B面はタイトル曲“Aralume”で始まる。Classicalで哀感を帯びたFluteとViolinがイイ感じ。Percussionを中心としたリズム隊生命感に溢れ典雅なEnsemble心に安らぎを与えてくれる

Nordesteらしい躍動感に満ちたReisado”もFluteとViolinが優美なフレーズを紡ぎ出す。それにしても見事な技巧で速いPassgeを演奏するメンバーの実力派相当なモノであろう。この曲はEgildo Vieiraによるおの。

Guerreiro”もAcoustic GuitarとViolin、FluteがMagicalで魅惑的なThemeを奏で、心地良く微睡むような桃現郷へと誘い込まれていく。

Ponteado”もNordesteらしいVitalなThemeから始まり、FluteとAcoustic Guitarの華麗なEnsembleに惹きこまれてしまう。

アルバム最後をシメるのは“Chamada E Marcha Maninheira”。素朴で穏やかな中に躍動感が満ち溢れているEgildo Vieiraの作品。

(Hit-C Fiore)