この楽しそうに気のおけない仲間たちと笑顔を見せているアルバム・ジャケットが全てを物語っているような。Eddie MottauはBoston生まれのSinger-Songwriter/ギタリスト。Two Guys from BostonなるFolk Duoを結成し、相棒のJoe Hutchinsonと、後にGreat Speckled Bird~Hungry Chuckを結成するJim Colegrove、N.D. Smart II、Jeff Gutcheonと共にBo GrumpusなるPsychedelic Pop Bandを結成し68年にMountainのFelix PappalardiのProduceで唯一のアルバム『Before The War』をリリースしている。また、その後進GroupとなるJolliver Arkansawにも参加し、引き続きPappalardiのProduceでアルバム『Home』を69年に出すがバンドは消滅してしまったようだ。MottauはPeter, Paul & MaryのNoel Paul StookeyやJohn Lennonとの仕事でその名を知られると共に自身のソロ・アルバムをリリースしている。本作は73年にリリースされたデビュー・アルバム『No Turning Around』に続く2ndアルバムとなる。上述のFelix PappalardiやNoel Paul Stookeyに加えて名手Rusty Young、Jimmy Nallsに、なんとBaritone Sax奏者Gerry Mulliganまで参加した前作もCountry MusicとSeampの香り漂う素晴らしい作品であったが、本作も、それに勝るとも劣らない傑作に仕上がっている。Lennonにも認められたギターの腕前もお見事であるがSongwriterとしても素晴らしい才能の持ち主である。そしてMottauの人間性が伝わってくるかのようなVocalが良い。Mottauが弾くAcoustic Guitarを中心に温もりが感じられる美しく切ないMelodeyが淡々と歌い上げられていくのが実に心地良い。お得意のギターの弾き語りでご機嫌にSwingするRagtime Musicや心地良く爽やかでありながらも、どこかに独特の翳りが感じられるところが個人的にはツボである。
『No Moulding』はEddie Mottauが76年にNoel Paul StookeyのNeworld Mediaからリリースしたアルバム。
アルバム1曲目は小気味よいギターで始まるご機嫌なRagtime Music“Glory Of Love”。
心温まるAcoustic Guitarの響きとMottauのVocalがたまらない名曲“I Love You”。
哀感漂うアコギのイントロから惹きこまれる“Living The Life Of Riley”。MottauとChorusの絡みもイイ感じ。
これまた心地良いBluesyなAcoustic Tune“Empty Pockets Blues”。
“Starting From Scratch”もアコギのカッティングとMottauの渋い歌いっぷりがご機嫌である。
アコギのArpeggioとベースがイイ感じの“This Year”。静謐でありながら、どこか寂しげで謎めいた曲調が良い。
“Jazz-Bo Brown”は気怠げなVocalが雰囲気タップリのRagtime Music。
イントロのAcoustic Guitarの優美な爪弾きに続いてMottauのGentleなVocalが登場するところが鳥肌モノの“For You”。
これまた楽し気なRagtime GuitarとVocal、Chorusがご機嫌な“Whistle A Tune”。
アコギがジャンジャカで歌い上げる“The Winner”。どこか切ないMelodyとVocalがたまらない。
バッチリキマッたChorusで始まる“Jesus Is On The Main Line”。仄かなCountry風味がイイ感じ。
アルバム最後をシメるのは切なく美しいMelodyに酔いしれる名曲“Morning Dancer”。
(Hit-C Fiore)