EternidadはArgentinaの5人組。ジャケットからも伺えるようにArgentinaらしい抒情的でFolkyな味わいを感じさせる歌心に満ちたBandである。時に組曲なども盛り込みながらもAcoustic楽器も上手くまじえて、描き出すのは淡く柔らかな南米特有の甘美で夢見心地な世界。YesやGenesis、Crosby, Stills, Nash & Youngなど英米のバンドに影響されたかのような部分も持ち合わせ、GentleなVocalやChorusに夢見心地でいると、楽器が畳みかけてSymphonicな展開もみせるところが興味深い。Acoustic GuitarとElectric Guitarを弾くDaniel MéndezとRoberto Méndezは兄弟だろうか。ピアノとエレピ、Hammond、Synthesizerを弾く鍵盤奏者のClaudio Pedra、ベースのRobi Massarotto、ドラムスのLuis Yanesというメンツ。DanielはHamonica、RobertoはLuteも演奏する。YesのChris Squireを思わせるMassarottoのベースや緩急自在のBeatをDrive感たっぷりに叩き出すYanesのドラミングにのってAcousticとErectricと見事に使い分けたギターの絡みやピアノ、Hammond、Synthesizerを駆使したPedraの鍵盤がジャケットのような世界を描き出している。残念ながら彼らはアルバムを1枚しか残さなかったが、それが非常に惜しまれるほどのQualityは高く、その後が期待させる作品に仕上がっている。しかし、当時のArgentinaは、彼らのような逸材でさえ埋もれてしまうような個性豊かな才能の宝庫であったのだ。楽器の演奏技術や楽曲の完成度、そして見事に構成されたEnsemble、創造性の高さ、70年代後半のArgentinaにそれらに優れた数々のバンドが群れを成し、その個性を強烈にアピールしていたのだ。Eternidadはそういった個性と才能に満ち溢れたバンドに比べると、今一つ突き抜けたものが足りなかったのかもしれない。しかし、唯一残された本作は傑作といっても良い作品に仕上がっている。後にギタリストのDanielは米国でEngineer、General Managerとして活躍しているようだ。
『Apertura』はEternidadが77年にリリースしたアルバム。
アルバム冒頭を飾るのは組曲“Suite: Pensamiento Y Vida”。ピアノで静かに始まりSynthesizerも加わりながら、ゆったりとしながらもHammondの響きが何とも心地良い。AcousticとElectric Guitarの絡み合いVocalとChorusのかけ合い、そして曲調は次々に表情を変え、ベースやギター、鍵盤それぞれの楽器が畳みかけるようなところはYESを思わせる。後半はTempoを上げて手に汗握る盛り上がりまくり。
HarmonicaとAcoustic Guitarがイイ感じの“Javier Deja de Ser Nino”。VocalとChorusが切なく甘美なMelodyを切々と歌い上げるFolkyなナンバー。この辺はいかにもArgentinaのバンドらしさに満ちている。
“Cuento De Una Nina”は牧歌的なイントロからウネるSynthesizerとDriveするベースが躍動する展開になるところがカッコイイ。そしてChorusが畳みかけ、ピアノやギター、Hammnodが緩急自在のドラムスにのってめくるめく世界が繰り広げられていく。最初の雰囲気はどこへやら、といった、これまた大盛り上がり大会。
幻想的なイントロから惹きこまれる“Mas Cerca Del Horizonte Eterno”。GentleなVocalとChorus、Stringsの調べが夢見心地。
アコギをジャンジャカ鳴らしてメンバーが歌うFolkyな“Empenzando Por Uno Mismo”。Harmonicaもイイ感じ。
Majer Seventhの響きが心地良い“Ciudad, Mirame”。こちらもChorusやAcoustic Guitar、ピアノが透明感に満ちた爽やかな世界を作り出し、ギターやSynthesizerの幻想的なソロで盛り上げる。この曲も後半の一筋縄でいかない展開が面白い。
Acousticaな“Ahora Que Estamos Solos”は南米らしい甘美なMelodyが最高。
アルバム最後をシメるのはViolinとBandneon、ピアノが切なくも美しいインスト曲“Pausa Para Una Ciudad Que Espia”。
(Hit-C Fiore)